近年は6月半ばでも真夏のような暑さになる日があり、エアコンの冷房設定に迷う方も増えてきます。
エアコンの冷房設定は「28℃がよい」とよく言われますが、すべての人や部屋に当てはまるとは限りません。
室温は住まいの断熱性や日差し、外気温などの影響を受けやすく、体感温度にも個人差があります。無理に設定温度にこだわると、暑さや冷えによる体調不良につながることも。
この記事では、28℃の考え方や注意点、快適に過ごすためのコツ、電気代を抑える工夫まで分かりやすく解説します。
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エアコンの冷房の設定温度は28度が最適?その真意とは?
エアコンの冷房は設定温度28℃が最適と言われる理由はなぜなのでしょうか。はじめに、環境省が28℃を推奨する理由や背景から詳しくご紹介します。
環境省が28℃を推奨する理由や背景
環境省が夏の室温を28℃に設定するよう推奨している背景には、地球温暖化対策とエネルギー消費の抑制があります。夏場はエアコンの使用が増えることで電力消費が大きくなり、発電に伴う二酸化炭素(CO₂)の排出量も増加します。
そこで、環境省は2005年から「クールビズ」を提唱し、過度に冷房に頼らない働き方や生活スタイルの見直しを呼びかけてきました。同省の発表では、夏季の室温の目安を28℃とすることで、持続可能なエネルギー利用の実現を目指すとされています。
「室温28℃」という目安は、快適性と電力のムダを抑えた運転を両立させるための基準です。単に我慢を強いるものではなく、軽装(ノーネクタイ・ノージャケット)や扇風機の併用などを前提として、体感温度を調整しながら過ごすことが想定されています。つまり、28℃は冷房の設定温度ではなく「室内の温度の目安」なのです。
エネルギー消費の削減は家庭だけでなく、企業や社会全体で取り組むべき課題であり、室温を適切に保つことで電力需要のピークを抑え、電力供給の安定化にもつながると期待されています。環境省の28℃推奨は、快適性・健康・環境への配慮をバランスよく実現するための指標といえるでしょう。
エアコンの設定温度と室内温度の関係とは
エアコンの設定温度を28℃にしても、室温が28℃になるわけではありません。設定温度はあくまでエアコンが目指す目標値であり、実際の室温はさまざまな条件によって大きく左右されます。
例えば、部屋の広さや建物の断熱性能、窓の大きさや向き、外の気温や日差しの強さなどによって、冷え方は変わります。室内にいる人数や家電製品から出る熱も室温に影響を与える要素です。
特に、断熱性の低い住宅では外気の影響を受けやすく、冷房をつけていても冷気が逃げやすいため、設定温度どおりに室温を保つのが難しい傾向があります。そのため、「28℃に設定すれば安心」と考えるのではなく、体感や実際の室温を確認しながら調整することが大切です。
設定温度はあくまで目安であり、最も重要なのは無理なく快適に過ごせる温度に設定することです。28℃にこだわりすぎず、状況に応じて柔軟に調整するようにしましょう。
快適に感じる温度は個人差が生じやすい
室内で快適に感じる温度は、人によって大きく異なります。これは、性別や年齢、体質、さらにはその日の体調など、さまざまな要因によって体感温度が変わりやすいためです。一般的に女性や高齢者は冷えを感じやすい傾向があり、同じ室温でも寒く感じることがあります。
一方で、代謝がいい人や暑がりの人は、同じ環境でも暑さを感じやすい場合があります。このように、同じ空間にいても感じ方が違うのは自然なことです。
そのため、エアコンの設定温度を決める際には、28℃が正しいといった一律の基準にとらわれるのではなく、個人差を考慮することが重要です。家族で過ごす場合やオフィスなど複数人がいる環境では、誰か一人にとって快適でも、別の人には負担となる可能性があります。
必要に応じて風量や風向きを調整したり、衣服で体温調整をしたりするなど、工夫しながらそれぞれが無理なく過ごせる環境を整えることが大切です。こうした配慮を取り入れることで、自分や周囲にとって最適な温度環境を見つけやすくなるでしょう。
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冷房の注意点と適切な使い方

夏場、室内で快適に過ごすために欠かせない冷房ですが、冷房を使う際は、次の2点に注意が必要です。
- 暑さを我慢すると熱中症のリスクがある
- 冷やし過ぎると冷房症のリスクがある
以下で、それぞれの注意点と適切な使い方を解説します。
暑さを我慢すると熱中症のリスクがある
夏場は気温や湿度が高くなるため、熱中症のリスクが高まります。特に、高齢者や小さな子ども、体調が優れない方は体温調整がうまくできないことがあり注意が必要です。「エアコンは28℃に設定するべき」と考えて暑さを我慢してしまうと、かえって体に負担がかかり、熱中症を引き起こす可能性があります。
また、熱中症は屋外だけでなく室内でも発生する点にも注意が必要です。風通しが悪かったり湿度が高かったりする場合、体に熱がこもりやすくなり、気づかないうちに症状が進むこともあります。室温だけでなく湿度にも目を向け、体調やその日の環境に応じてエアコンの設定温度を調整することが大切です。
熱中症予防には適切な温度管理に加えて、こまめな水分補給も欠かせません。のどの渇きを感じる前に水分をとる習慣をつけることで、体内の水分バランスを保ちやすくなります。無理に暑さを我慢するのではなく、エアコンを上手に活用しながら、安全で快適な環境を整えるよう心がけましょう。
冷やし過ぎると冷房症のリスクがある
冷房を効かせすぎた部屋に長時間いると、「冷房症(冷房病)」と呼ばれる体調不良を引き起こすことがあります。これは、体が過度に冷やされることで自律神経のバランスが乱れ、さまざまな不調が現れる状態です。
おもな症状としては、頭痛や肩こり、全身のだるさ、手足の冷え、さらには胃腸の不調などが挙げられます。室内外の温度差が大きいほど体への負担は大きくなりやすく、知らないうちに不調を感じることも少なくありません。
こうした冷房症を防ぐためには、エアコンの設定温度を必要以上に下げすぎないことが大切です。また、冷たい風が直接体に当たらないように風向きを調整することで、体の冷えを和らげることができます。
薄手のカーディガンを羽織ったり、ひざ掛けを使ったりして体温を調整するのも効果的です。冷房は暑さ対策に欠かせないものですが、使い方を工夫しながら、体を冷やしすぎない工夫を取り入れるようにしましょう。
エアコンの設定温度と電気代の関係とは
エアコンの電気代は、設定温度と外気温の差によって大きく左右されます。基本的に、外の気温と設定温度の差が大きいほど、エアコンはより多くのエネルギーを使って室内を冷やそうとするため、消費電力が増加しやすくなります。そのため、設定温度を必要以上に低くすると、快適さは得られても電気代がかさむ原因になります。
一方で、設定温度を少し上げるだけでも、消費電力の抑制につながります。資源エネルギー庁が発表している資料によると、外気温が31℃のときに冷房の設定温度を27℃から28℃へ1℃上げた場合、年間で約940円の電気代削減効果があるとされています。わずかな調整でも、積み重なれば一定の節約につながる点は見逃せません。
ただし、電気代を意識するあまり無理に設定温度を上げすぎると、快適性が損なわれるだけでなく、熱中症のリスクが高まる可能性もあります。節約と快適さのバランスを意識しながら、無理のない範囲で設定温度を見直すことが大切です。

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冷房の電気代を節約する方法
冷房の電気代を抑えるには、おもに、次の6つのような方法があります。
- エアコンのフィルターをこまめに清掃する
- 自動運転モードを活用する
- サーキュレーターを活用する
- 遮光カーテンやすだれなどを活用する
- エアコンの買い替えを検討する
- 電力会社やプランの見直しを検討する
以下で、それぞれのポイントを解説します。
エアコンのフィルターをこまめに清掃する
エアコンの電気代を抑えるためには、フィルターのこまめな清掃が欠かせません。
フィルターにホコリや汚れがたまると空気の通り道がふさがれてしまい、エアコンは必要以上にパワーを使って室内を冷やそうとします。その結果、冷房効率が下がるだけでなく、消費電力も増えて電気代が高くなる原因になるのです。
フィルターを定期的に掃除することで、空気の流れがスムーズになり、エアコン本来の性能を発揮しやすくなり、結果的に節約につながります。特に使用頻度が高くなる夏場は、2週間に1回程度を目安に掃除を行いましょう。
掃除の方法も難しいものではなく、フィルターを取り外して掃除機でホコリを吸い取ったり、水洗いをしてしっかり乾かしたりするだけで十分です。ただし、内部の汚れまで気になった場合は、無理に自分で分解したり奥まで掃除しようとしたりせず、メーカーや購入した電器店に相談するようにしましょう。
自動運転モードを活用する
エアコンの電気代を抑えるには、「自動運転モード」の活用が効果的です。自動運転は室温や設定温度に応じて冷房の強さや風量を自動で調整し、必要なときだけ適切に運転を行う機能です。手動で風量を調整するよりも、無駄のない運転になりやすいのが特徴です。
室内が暑い状態では一時的に強い風量で一気に冷やし、設定温度に近づくと運転を抑えるなど、状況に応じた制御が行われます。そのため、こまめに操作するよりも安定して室温を保ちやすく、結果的に電気代の無駄を抑えやすくなります。
「弱風のほうが電気代を抑えられる」と思われがちですが、冷えるまでに時間がかかると余計に電力を使ってしまうこともあります。こまめに風量や設定を調整するよりも、自動運転に任せることで、必要以上の運転を防ぎながら快適な室温を維持しやすくなります。
サーキュレーターを活用する
冷房の効率を高めて電気代を抑えるには、サーキュレーターの活用も有効です。エアコンから出る冷たい空気は下にたまりやすく、そのままでは部屋全体に行き渡りにくい特徴があります。サーキュレーターを使って空気を循環させることで、室内の温度ムラを減らし、効率よく部屋を冷やすことができます。
使い方のポイントは、エアコンの風が行き届くようにサーキュレーターの風向きを調整することです。エアコンに背を向けて上向きに風を送ることで、床付近にたまった冷気を持ち上げ、部屋全体に広げやすくなります。これにより、設定温度を必要以上に下げなくても快適な状態を保ちやすくなり、結果的に電気代の節約につながります。
サーキュレーターは比較的消費電力が小さいため、エアコン単体で強く冷やすよりも効率的です。冷房と組み合わせて使うことで、快適さを保ちながら、電気代を抑えやすくなります。
遮光カーテンやすだれなどを活用する
冷房の効率を高めて電気代を抑えるには、窓から入る熱を防ぐ工夫が欠かせません。夏は強い日差しによって室内の温度が上がりやすく、エアコンの負担も大きくなります。特に窓は外気の影響を受けやすいため、対策を行うことで室温の上昇を抑えやすくなります。
そこで役立つのが、遮光カーテンやすだれといった日差し対策です。直射日光を遮ることで室内に入る熱を減らし、冷房の効きが安定しやすくなります。その結果、設定温度を下げすぎなくても快適な状態を保ちやすくなり、電気代の負担軽減にもつながります。日当たりの良い窓ほど、効果を実感しやすいでしょう。
あわせて、室外機の周辺環境にも気を配ることが大切です。吹出口の近くに物を置かないようにし、直射日光が当たる場合は日よけを設置することで、運転効率の低下を防ぎやすくなります。反射素材のシートなどを活用すると、余計な熱の影響を受けにくくなります。
エアコンの買い替えを検討する
冷房の電気代を見直したい場合は、エアコン本体の買い替えも有効な選択肢の一つです。古いエアコンは省エネ性能が現在の機種と比べて劣ることが多く、同じように使用していても消費電力が大きくなりがちです。特に10年以上使用している場合は、効率が低下している可能性もあるため、見直しを検討するタイミングといえるでしょう。
近年のエアコンは、省エネ性能が大きく向上しており、少ない電力で効率よく部屋を冷やせる設計になっています。センサー機能によって人の動きや室温を感知し、自動で運転を調整するタイプも増えており、無駄な電力消費を抑えやすい点も特徴です。こうした機種に切り替えることで、日々の電気代の削減につながる可能性があります。
初期費用はかかるものの、長期的に見ると電気代の差で元が取れるケースもあります。使用年数や電気代の状況を踏まえながら、ライフスタイルに合った機種への買い替えを検討してみるのもよいでしょう。
電力会社やプランの見直しを検討する
冷房の使い方を工夫するだけでなく、電力会社や電気料金プランを見直すことも、節約方法の一つです。2016年の電力小売全面自由化以降、さまざまな企業が参入し、料金体系やサービス内容の選択肢が広がりました。
一人ひとりのライフスタイルに適した電気料金プランは異なります。例えば、電気使用量の多いご家庭なら、三段階制の三段階目の料金が割安に設定されているプラン。夜間使用が中心のご家庭なら、時間帯によって料金単価が変わるプランに変更することで、無理なく電気代を抑えやすくなるでしょう。
また、ガスなどとセットで契約することで割引が適用されるケースもあります。選択肢が広がっているからこそ、自分のライフスタイルに合った契約を選ぶことがこれまで以上に重要です。
電気代が気になる場合は、現在の使用状況や契約内容を一度確認し、他社の電気料金プランと比較してみるとよいでしょう。
ENEOSでんきでは、一般家庭向けやオール電化住宅向けなど、ライフスタイルに合った豊富な電気料金プランをご用意しています。電気を切り替えると電気代がいくらお得になるのかシミュレーションしてみましょう!
エアコンの設定温度は部屋や個人にあわせて適切な温度を心がけましょう
エアコンの設定温度は28℃が正解と決めつけるのではなく、部屋の環境や住まいの断熱性能、外気温、そして個人の体質や体調に応じて調整することが大切です。
無理に暑さを我慢すれば熱中症のリスクが高まり、逆に冷やしすぎれば体調不良につながることもあります。快適さと安全性を優先しながら、サーキュレーターの併用や日差し対策なども取り入れ、効率よく室温を整えましょう。
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