エアコンの能力の選定方法は?能力の過不足によるリスクも徹底解説

エアコンを買い替える際、「6畳の部屋だから6畳用を選べばよい」と思っていませんか?実はエアコンの能力は、部屋の広さだけでなく日当たりや構造によっても適切なサイズが変わります。

エアコンの能力が部屋に合っていないと、冷暖房が効きにくいことに加えて電気代が多くかかったり、故障の原因になったりすることもあるのです。

この記事では、エアコンの能力の正しい選び方や過不足によるリスク、ライフスタイル別の選び方のポイントまでわかりやすく解説します。

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エアコンの「能力(kW)」とは?適正なサイズの選び方

エアコンの「能力」とは、部屋を冷やしたり暖めたりする力のことです。冷房能力・暖房能力はkW(キロワット)で表され、数値が大きいほど冷暖房のパワーも大きくなります。

ただし、能力が大きければよいわけではありません。部屋の広さだけでなく、日当たりや窓の大きさ、住宅の断熱性などによっても、必要なエアコンの能力は変わります。

そこで、まずはエアコンの能力を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。

  • 部屋の広さ(畳数)ごとのエアコン能力の目安
  • エアコンカタログの能力表示・スペックの見方
  • エアコン選びには「定格能力」の確認が重要

部屋の広さ(畳数)ごとのエアコン能力の目安

エアコンの能力は、設置する部屋の広さに合わせて選ぶのが基本です。下の表は冷房時における畳数とエアコン能力(kW)の一般的な目安です。

畳数ごとのエアコン能力の目安

冷房時おもに畳数の目安

能力

6畳

2.2kW

8畳

2.5kW

10畳

2.8kW

12畳

3.6 kW

14畳

4.0kW

18畳

5.6kW

20畳

6.3kW

23畳

7.1kW

26畳

8.0kW

29畳

9.0kW

これはあくまで目安であり、木造か鉄筋かといった建物の構造、日当たりや断熱性によって必要なエアコンの能力は変わってきます。同じ畳数でも気密性が低い木造住宅では、より大きなエアコン能力が必要になる傾向があることに注意が必要です。

エアコンカタログの能力表示・スペックの見方

エアコンのカタログには、機種ごとの能力や省エネ性能を比較するためのスペック表が掲載されています。エアコンのスペック表を正しく読み取れるようになれば、自分の部屋に合った一台を選びやすくなります。

下の表は、エアコンのスペック表でチェックしておきたい項目とポイントをまとめたものです。

項目

内容

①適用畳数

冷房・暖房それぞれの目安畳数。「8〜12畳」のような表記は、左側が木造平屋南向き(和室)の畳数、右側が鉄筋アパート南向き(洋室)の畳数を示している。

②品番

製品を識別する型番。同じシリーズでも能力ごとに番号が異なる。

③冷房・暖房の目安

冷房・暖房それぞれの能力(kW)と、対応する畳数の目安が記載されている。

④期間消費電力量

1年間エアコンを使用したときに消費する電力量の目安(kWh)。数値が小さいほど年間の消費電力量が低い。

⑤省エネ基準達成率・通年エネルギー消費効率(APF)

省エネ法のトップランナー基準値の達成度合いと、エネルギー消費効率を示す値。数値が大きいほど省エネ性能が高い。

特に注目したいのは「畳数の目安」と「期間消費電力量」です。畳数の目安は冷房と暖房で範囲が異なり、一般的に暖房のほうが適用畳数は狭くなります。エアコンで暖房をメインに使う場合は、暖房の畳数表記を必ず確認しましょう。

エアコン選びには「定格能力」の確認が重要

エアコンのカタログには「4.0kW(0.5〜5.3)」のように、能力が括弧付きで表記されているのを目にします。このうち括弧の外の数値が「定格能力」で、括弧内の数値は「最小〜最大能力」を表します。

定格能力とは、その機種が最も効率よく運転できる基準の能力値です。最大能力が同じ機種でも、定格能力は畳数ごとに異なる設計がされています。部屋の広さに合った定格能力のエアコンを選ぶことで、最も省エネに運用できる仕組みになっているのです。

能力選びの基準は「最大能力」ではなく「定格能力」であることを覚えておきましょう。

エアコン選びは畳数に合わせるべき?能力と電気代の関係やリスク

エアコンは部屋の広さに合った能力のものを選ぶことが、快適性・省エネ性の両面で最も重要です。以下では、エアコンの能力と電気代の関係や、過不足によって生じるリスクを次の3つの視点から解説します。

  • 「能力(kW)が大きい=電気代が高い」は本当?
  • 能力不足(容量が小さい)場合のリスク
  • オーバースペック(容量が大きい)場合のリスク

「能力(kW)が大きい=電気代が高い」は本当?

エアコンは能力(kW)の数値が大きいほど消費電力も大きくなる傾向にあるのは事実です。しかし、より重要なのは、部屋の広さに合った能力のエアコンを選ぶことです。適正なサイズで使用することで、無駄な電力消費を抑えやすくなります。

エアコンは熱交換器や圧縮機のサイズ、制御プログラムが畳数ごとに最適化されており、部屋の広さに合った機種を選んで初めて本来の省エネ性能を発揮します。サイズが小さすぎても大きすぎても効率が悪くなり、結果的に電気代がかさんでしまうのです。

エアコンの電気代の目安を知りたい場合は、定格能力(kW)ではなくカタログに記載されている「期間消費電力量(kWh)」を確認しましょう。期間消費電力量に電力量料金単価をかけることで、年間の電気代の概算を算出できます。

期間消費電力量とは

期間消費電力量とは、一年間エアコンを運転した際に消費する電力量の目安。JIS規格(JIS C 9612:2013)を元に特定の条件下で算出されています。冷房と暖房では基準が異なるので、注意が必要です。

期間消費電力量の算出基準

外気温度:東京をモデルとしています。
設定温度:冷房時27℃/暖房時20℃
期間:冷房135日間(5月23日〜10月4日)/暖房160日間(11月8日〜4月16日)
時間:6~24時の18時間
住宅:平均的な木造住宅(南向)
部屋の広さ:モデルに見合った部屋の広さ

能力不足(容量が小さい)場合のリスク

部屋の広さに対してエアコンの能力が足りないと、設定温度になかなか到達せず、常に高い出力で運転し続けることになります。その結果、消費電力が増えて電気代が高くなるだけでなく、コンプレッサーなど各部品への負担も大きくなり、故障や寿命短縮につながる恐れがあります。

また、冷房時は室温が十分に下がらず、暖房時は十分に暖まりにくくなるため、快適に過ごしにくくなる点にも注意が必要です。冷暖房の効きが悪いと感じる場合は、エアコンの能力が部屋の広さや使用環境に合っていない可能性もあります。

オーバースペック(容量が大きい)場合のリスク

部屋の広さに対してエアコンの能力が大きすぎる場合も、運転効率と快適性の両面でデメリットがあります。

能力が過剰なエアコンは、短時間で設定温度に到達しやすいため、運転と停止を頻繁に繰り返すことがあります。エアコンは起動時に大きな電力を使うため、オン・オフの回数が増えると、結果的に電気代が高くなる可能性があります。

適用畳数に合っていない機種では、室温を細かく調整しにくくなるケースもあります。冷えすぎや暖まりすぎが起こると、室温が安定せず、快適に過ごしにくくなる点にも注意が必要です。

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より広い適用畳数を選んだほうがよい設置環境とは

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エアコンのカタログに載っている畳数目安は、一般的な住宅条件、つまり平均的な断熱性や日当たりを前提に算出された標準的な数値です。

実際にエアコンを設置する部屋の環境によっては、カタログ表示通りの効き目が得られず、思ったほどの快適性が確保できないケースもあります。

特に、外からの熱の侵入が大きい環境や、空間全体を冷暖房するために大きなパワーが求められる環境下では、エアコンが常にフル稼働状態になってしまいます。電気代の増加や機器の寿命短縮を招くリスクがあるのです。

以下のように熱負荷が高まりやすい条件にあてはまる場合は、標準的な目安畳数より1〜2ランク上の能力を選ぶことが強く推奨されます。

  • 西日の当たる角部屋
  • 部屋に大きめの窓がある
  • 吹き抜け型の天井がある
  • LDKが一体化した部屋
  • マンションやアパートの最上階の部屋
  • エアコンと室外機の配管が長い

どの能力のエアコンを選べばよいか迷う場合は、家電量販店やエアコン専門業者などに相談するのも一つの方法です。設置環境を確認してもらうことで、部屋に合った機種を選びやすくなります。

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エアコンを能力で選ぶ際のポイント

エアコンを能力で選ぶ際には、自分のライフスタイルや住環境に合わせて重視するポイントが異なります。ここでは、以下の3つの観点から目的別エアコンの選び方を解説します。

  • 素早く室内の温度を調整したい方
  • エアコンに当たる時間が長い方
  • 寒冷地に住んでいて暖房を使うことが多い方

素早く室内の温度を調整したい方

帰宅後や猛暑日・寒い日の朝など、できるだけ早く室温を快適にしたい方には、最大能力時の数値が大きいエアコンがおすすめです。

ただし、早く冷やしたい・暖めたいからといって、部屋の広さに対して能力が大きすぎるエアコンを選ぶのは避けましょう。

オーバースペックの機種は、電気代が無駄にかかるだけでなく、冷えすぎや暖まりすぎによって室温が安定しにくくなる場合があります。まずは、部屋の畳数に合った定格能力を基準に機種を選びます。

そのうえで、同じ適用畳数の機種を比較する場合は、最大能力にも注目しましょう。カタログなどでは、冷房能力や暖房能力が「2.8kW(0.6〜3.4kW)」のように表示されており、括弧内の右側にある数値が能力の最大値です。

能力の最大値が大きいモデルは、パワーに余裕があるため、短時間で室温を快適な温度に近づけやすくなります。

エアコンに当たる時間が長い方

長時間エアコンの効いた部屋で過ごす方は、冷えすぎや暖まりすぎを抑えやすい機種を選ぶことが大切です。エアコン選びの際は、最大能力だけでなく、最小値にも注目しましょう。

カタログなどでは、エアコンの冷房能力や暖房能力が「2.8kW(0.6〜3.4kW)」のように表示されており、括弧内の左側にある数値が冷房能力・暖房能力の最小値です。

冷房能力・暖房能力の最小値が小さい機種は、室温が設定温度に近づいた後、必要以上に強く冷やしたり暖めたりしにくくなります。

室温の変化を抑えながら快適な温度を保ちやすいため、冷えすぎや暖まりすぎで身体への負担が気になる方は、冷房能力や暖房能力の大きさだけでなく、能力の最小値も確認しましょう。

寒冷地に住んでいて暖房を使うことが多い方

寒冷地でエアコン暖房を使う機会が多い場合は、冷房能力だけでなく、暖房側のスペックも確認して選びましょう。エアコンは外気温が下がるほど暖房能力が落ちやすいため、カタログの畳数目安だけで選ぶと、真冬に暖まりにくいと感じる場合があります。

特に確認したいのが「低温暖房能力」です。低温暖房能力は、外気温2℃のときに発揮できる暖房能力を示す数値です。数値が大きいほど、外気温が低い環境でも暖房のパワーを発揮しやすくなります。

北海道や東北、甲信越・北陸の日本海側、内陸部や山間部など、冬の冷え込みが厳しい地域では、寒冷地仕様のエアコンも選択肢になります。寒冷地仕様のモデルは、低温環境での暖房能力を高めていたり、室外機の凍結や着雪に配慮した設計になっていたりするのが特徴です。

また、寒い日には室外機に霜が付き、霜取り運転によって一時的に暖房が弱まることがあります。エアコンを暖房のメインとして使う場合は、霜取り運転中も暖房が止まりにくい機能があるかどうかも確認しておくとよいでしょう。

寒冷地では石油ストーブやFF式暖房、床暖房などを併用している家庭も少なくありません。エアコンを主暖房として使うのか、補助暖房として使うのかによって、必要な暖房能力は変わります。部屋の広さだけでなく、断熱性や窓の大きさ、使用時間もふまえて選ぶことを心がけましょう。

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エアコンの能力は正しく見極めて快適な室内環境を目指しましょう

エアコンの能力は、単部屋の畳数にあわせて決めるのではなく、住宅構造や日当たり、ライフスタイルまで含め、総合的に判断することが大切です。

エアコンカタログの「定格能力」「期間消費電力量」「畳数の目安」をしっかり確認し、自宅の環境に合った最適な一台を選びましょう。

さらに電気代を抑えたい方は、エアコンの能力選定と合わせて、電気料金プランの見直しもおすすめです。どんな電気料金プランがあるのか、どれくらい電気料金が変わるのか、気になる方はぜひシミュレーションしてみてくださいね。

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