発電方法の種類・仕組み一覧!メリットやデメリットを徹底解説

私たちが毎日使っている電気は、火力や原子力、水力、太陽光、風力など、さまざまな方法でつくられています。それぞれ発電の仕組みが異なり、安定して電気をつくれるか、発電時にCO2(二酸化炭素)を排出するか、天候の影響を受けるかといったメリット・デメリットもさまざまです。

本記事では日本国内における発電方法ごとの割合を紹介したうえで、火力発電や原子力発電、再生可能エネルギーなどの仕組みと特徴をわかりやすく解説します。それぞれの発電方法がどのような役割を担い、どのような課題を抱えているのかを見ていきましょう。

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発電方法ごとの日本国内での発電実績割合はどれくらい?

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日本の電気がどのような発電方法でつくられているか、資源エネルギー庁の最新データをもとに見ていきましょう。

2026年3月分(2026年9月11日公表)のデータによると、発電電力量670.4億kWhの内訳は以下のとおりです。

【2026年3月の発電電力量の内訳】
  • 石炭:33.3%
  • LNG(液化天然ガス)火力:32.0%
  • 石油等火力:0.9%
  • 原子力:10.7%
  • 新エネルギー等(太陽光・風力・バイオマス等):10.8%
  • 水力(揚水式含む):8.4%
  • その他火力(燃料種別ほか):8.9%

石炭火力とLNG火力をあわせると全体の65.3%を占めており、現時点でも火力発電が日本の電力供給の大部分を担っていることがわかります。

太陽光や風力をはじめとする新エネルギー等は10.8%を占めており、再生可能エネルギーの比率は年々高まる傾向にあります。

最新データをもとに日本の発電割合を詳しく解説

日本の発電割合は?一番使われているのはどれ?再エネの導入状況も解説

日本の暮らしを支える主力の発電方法3種類

ここでは、日本の電力供給において「ベースロード電源」や「ミドル電源」として中心的な役割を担う、火力・原子力・水力の3つの発電方法について解説します。いずれも天候や時間帯に左右されにくく、安定した供給力を持つ発電方法です。

火力発電の仕組みとおもな種類

火力発電は、石炭・石油・LNG(液化天然ガス)などの燃料を「ボイラー」という設備で燃やし、発生した熱で水を沸騰させて高温・高圧の蒸気をつくることから始まります。

つくった蒸気を「タービン」と呼ばれる羽根車に勢いよく吹きつけて回転させ、タービンとつながった発電機を動かすことで電気を生み出す仕組みです。タービンを回し終えた蒸気は「復水器」という設備で冷やされて再び水に戻り、ボイラーへと循環して繰り返し利用されます。

発電方式は、燃料の使い方によって以下の4種類に分けられます。

  1. ボイラーで蒸気を直接つくる「汽力発電」
  2. 燃焼ガスでタービンを回す「ガスタービン発電」
  3. 両方を組み合わせた高効率の「コンバインドサイクル発電」
  4. ディーゼルエンジンを使う「内燃発電」

なかでもコンバインドサイクル発電は熱エネルギーを二段階で活用するため発電効率が非常に高く、CO2排出量も抑えられることから近年注目を集めています。

使用される燃料はおもに次の3種類で、それぞれに特徴があります。

  • 石炭:燃料費が比較的安く安定供給に優れているが、燃焼時のCO2排出量が3種類の中で最も多い。
  • 石油:液体で貯蔵・運搬がしやすい反面、発電コストが高く、現在はピーク時や緊急時の予備電源として使われることが多い。
  • LNG(液化天然ガス):天然ガスをマイナス162℃で液化したもので、石炭・石油と比べてCO2や大気汚染物質の排出が少なく、火力の中では最もクリーンな燃料とされている。

日本の発電量に占める火力発電の割合は65〜75%程度と大きく、現時点でも電力供給の中心的な役割を担っています。その一方で、CO2の大量排出が地球温暖化対策上の課題となっており、発電効率の改善や燃料の脱炭素化に向けた取り組みも進められています。

火力発電の基本的な仕組みやメリット・デメリットとは?

火力発電のメリット・デメリットは?仕組みや特徴をわかりやすく解説

火力発電のメリット

火力発電には、安定供給の面でほかの発電方法にはない強みがあります。主なメリットは次の通りです。

  • 天候に左右されず発電量をコントロールできる
  • エネルギー変換効率が高い
  • 設置場所の制限が少ない

燃料さえ確保できれば昼夜・天候を問わず安定して稼働でき、コンバインドサイクル発電などの技術進歩によって高い変換効率も実現しています。これらの特性から、火力発電は日本の電力需給を安定させるうえで欠かせない役割を担っています。

火力発電のデメリット

火力発電は、環境面や資源調達の面で次のような課題があります。

  • CO2を大量に排出する
  • 燃料の海外依存により電気代が高騰しやすい

化石燃料の燃焼によるCO2排出は、地球温暖化の一因です。また、燃料のほとんどを輸入に頼るため、国際情勢や為替の変動が電気代に直結します。

こうした課題に対応するため、水素・アンモニアの混焼やCO2回収・貯留(CCUS)といった脱炭素化技術の開発が進められています。

原子力発電の仕組み

原子力発電は、ウラン燃料を使って電気をつくります。ウランという物質に中性子をぶつけると、「核分裂」という反応が起きて大量の熱エネルギーが生まれますが、この熱を利用するのが原子力発電の基本的な仕組みです。

電気ができるまでの流れは、大きく4つに分けられます。

  1. ウランの核分裂で膨大な熱エネルギーを発生させる
  2. 熱エネルギーで原子炉内の水を沸騰させ、高温・高圧の蒸気をつくる
  3. 蒸気でタービンを回し、発電機を動かして電気をつくる
  4. 使い終わった蒸気を冷やして水に戻し、再びボイラーへ循環させる

核分裂は連鎖的に続く性質があるため、「制御棒」という装置で反応を調整しながら安全に熱を取り出しています。タービンを回し終えた蒸気は「復水器」という設備で海水などを使って冷やされ、繰り返し利用される仕組みです。

火力発電が燃料を燃やして蒸気をつくるのに対し、原子力発電では核分裂の熱を利用する点が大きな違いです。

原子力発電の仕組みやメリット・デメリットとは?

原子力発電のメリット・デメリットは?仕組みや課題をわかりやすく解説

原子力発電のメリット

原子力発電には、エネルギー効率と環境負荷の面で優れた特性があります。

  • 少量の燃料から莫大な電力を生み出せる
  • 発電時にCO2をほとんど排出しない

ウランは石炭や石油に比べて、少量で大きなエネルギーを生み出せるうえ、発電過程でのCO2排出もほぼゼロです。安定供給とCO2削減の両立という観点から、重要な役割を担う電源と位置づけられています。

原子力発電のデメリット

原子力発電は安全性やコストに関わる課題も抱えています。

  • 事故時の影響が甚大で、廃棄物処理など安全確保が最重要課題
  • 建設・廃炉に莫大なコストと時間がかかる

万が一の事故時には放射性物質の拡散といった深刻な被害が生じる可能性があり、使用済み燃料の最終処分地もいまだ決まっていません。安全性の確保を大前提とした慎重な運用が求められています。

未来を創る「再生可能エネルギー・新エネルギー」7種類

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太陽光や風力をはじめとする再生可能エネルギーは、CO2をほとんど排出しないクリーンな電源として、脱炭素社会の実現に向けた重要な選択肢となっています。

ここでは、現在注目されている7種類の再生可能エネルギーについて、それぞれの仕組みや特徴を解説します。

太陽光発電の仕組みとおもな種類

太陽光発電は、シリコンなどの半導体でできた太陽光パネルを利用する発電方法です。太陽光がパネルに当たると、半導体の性質によって電気が発生します。この仕組みを「光電効果」といいます。

太陽の光エネルギーをそのまま直接電気エネルギーに変換できるため、燃料を必要とせず、発電時にCO2を排出しないクリーンな発電方法として普及が進んでいます。

日本でも政府の普及促進策を背景に導入量は年々増加しており、2026年3月時点の発電実績では新エネルギー等(太陽光・風力・バイオマス等を含む)が全体の10.8%を占めるまでになっています。ただし、この区分には太陽光だけでなく、風力・地熱・蓄電池なども含まれます。

設置規模によって、大きく2つの種類に分けられます。

  • 住宅用(10kW未満):
    家庭の屋根などに設置し、日中に発電した電気を自家消費したり、余った電力を電力会社に売電したりするタイプ。
  • 産業用(10kW以上):
    工場の屋根や空き地、メガソーラーと呼ばれる広大な平地などに設置され、おもに売電を目的とする大規模なタイプ。

住宅用は個人でも導入しやすい規模で、電気代の節約や非常用電源として活用できる点が魅力です。産業用は規模が大きいほど発電コストを抑えられるため、土地を有効活用した大規模発電所として各地で整備が進んでいます。

太陽光発電のメリット

太陽光発電は、個人・家庭レベルで直接恩恵を受けやすい発電方法です。

  • 家庭でも手軽に導入でき、電気代を削減できる
  • 停電・災害時の非常用電源になる

自家消費を増やすほど電気代の節約効果が高まるため、蓄電池との組み合わせも注目されています。家庭にとっては、一度設置すれば燃料費がかからず長期的にコストを回収できる点が魅力です。

太陽光発電のデメリット

太陽光発電は、天候や時間帯によって発電量が左右される点が大きな課題です。

  • 夜間・雨天時は発電できず、発電量が不安定
  • 導入の初期費用がかかる

こうした弱点を補うため、蓄電池の導入や電力会社との上手な組み合わせが重要なポイントとなります。パネルや工事費用などの初期投資は規模によって数十万〜百万円規模に及ぶこともあり、導入ハードルの高さが普及の障壁の一つです。

風力発電の仕組みと今後の展望

風力発電は風の力で大きな羽根(ブレード)を回転させ、その回転運動をタービンに伝えて電気をつくる発電方法です。ブレードが風を受けて回転すると、その力が増速機を介して発電機に伝わり、電気が生み出されます。燃料を必要とせず、発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギーの一つです。

設置場所によって、おもに2種類に分けられます。

  • 陸上風力:
    風の強い山の尾根や沿岸部に設置される。国内でも多くの発電所が稼働している。
  • 洋上風力:
    海の上に設置される。陸上に比べて強く安定した風が得られるため、大規模な発電が可能。

四方を海に囲まれた日本にとって、洋上風力は特に有望な再生可能エネルギーとして位置づけられており、国主導で強力に推進されています。

2019年に施行された「再エネ海域利用法」のもと、各地の海域で事業者公募が進められており、洋上風力は今後の再生可能エネルギー普及の切り札として大きな期待を集めています。

風力発電のメリット

風力発電には、太陽光発電にはない強みがあります。

  • 夜間でも発電できる
  • エネルギー変換効率が比較的高い

太陽光と異なり昼夜を問わず発電でき、特に洋上風力は大規模な発電が可能なことから、今後の再生可能エネルギー拡大における中心的な役割が期待されています。発電時にCO2を排出しない点も、脱炭素の観点から高く評価されています。

風力発電のデメリット

風力発電には環境面や出力の安定性に関する課題も存在します。

  • 風速によって発電量が左右される
  • 騒音・低周波やバードストライクのリスクがある

こうした課題への対応として、設置場所の慎重な選定や防音・鳥類保護対策が求められています。特に住宅地の近くに設置する場合は騒音や低周波が問題となりやすいため、事前の環境影響評価が欠かせません。

水力発電の仕組みとおもな種類

水力発電は、高い場所にある水が低い場所へ落ちる力を利用して水車を回し、その回転をタービンに伝えて電気をつくる発電方法です。古くから日本の電力供給を支えてきたクリーンなエネルギーであり、技術的にも確立された発電方式といえます。

燃料を必要とせずCO2を排出しない点が大きな強みです。日本は国土の70%以上を山地が占め、豊富な降水量を持つことから水力発電に適した地形条件を満たしている国といえます。

水力発電は落差のつくり方や水の使い方の違いによって大きく次のように分類されます。

  • ダム式:
    川に巨大なダムを建設して水を大量に貯め、その落差を利用して発電する方式。貯水した水を需要に応じて放流できるため、電力需要が高まるピーク時に合わせた安定供給が可能。
  • 流れ込み式(河川式):
    ダムを建設せず、川の流れをそのまま水車に引き込んで発電する方式。川の流量に発電量が左右されるが、設備が比較的シンプルでコストを抑えやすく、環境への影響も少ない。

なお、電力が余っている夜間に下の調整池から水を上の池へポンプでくみ上げ、需要が高まる昼間に落として発電する「揚水発電」も水力発電の一種です。

揚水発電は、余剰電力を使って水をくみ上げ、必要なときに発電するため、大規模な蓄電池に近い役割を果たします。再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力需給の調整手段としても重要です。

水力発電の仕組みやメリット・デメリットとは?

水力発電とは?仕組みやメリット、デメリット、日本での取り組みを徹底解説

水力発電のメリット

水力発電のおもなメリットは、次の2点です。

  • CO2を排出しないクリーンなエネルギーである
  • エネルギー変換効率が極めて高い

長年にわたって日本の電力を支えてきた実績があり、安定した電源として今後も重要な役割を果たしていくでしょう。発電時に燃料を必要としないため、燃料価格の変動に左右されずコストが安定しやすい点も強みです。

水力発電のデメリット

水力発電のデメリットとして、大規模な開発に伴うコストと環境面の課題があります。

  • ダム建設に巨額のコストと時間がかかる
  • 周辺の生態系・環境・景観に影響を与える可能性がある

ダム建設には数百億円規模の費用と長い工期を要するうえ、建設適地も限られています。

広大な土地が水没することで周辺の生態系や地域住民の生活に影響を与えるケースもあり、こうした課題から、新規のダム建設よりも既存設備の増強や小水力発電の活用が重視される傾向にあります。

水力発電が再生可能エネルギーではないといわれるのはなぜ?

水は雨として大気中を循環し枯渇しないため、水力発電は原則として再生可能エネルギーに含まれます。「流れ込み式」のように自然の河川の水を利用し、温室効果ガスも排出しない水力発電は、国際的にも再生可能エネルギーとして分類されています。

一方で「再生可能エネルギーではない」といわれることも少なくありません。その背景には主に2つの理由があります。

一つ目は「揚水発電」です。揚水発電は、電力が余っている夜間に下の調整池の水を上の池へポンプで汲み上げ、需要が高まる昼間に落として発電する仕組みです。純粋な自然エネルギーの創出というよりも「巨大な蓄電池」としての機能が強く、自然エネルギーとは区別されることがあります。

二つ目は、大規模ダムの建設による環境負荷です。森林の伐採や土地の水没によって、生態系や河川環境、地域住民の生活に大きな影響を与える可能性があります。そのため、水力発電は再生可能エネルギーに分類される一方で、必ずしも環境負荷の小さい発電方法とは限らないと指摘されています。

地熱発電の仕組み

地熱発電は地球内部のマグマの熱によって温められた地下深くの高温・高圧の蒸気や熱水を取り出し、タービンを回転させて電気をつくる発電方法です。太陽光や風力と異なり、天候や昼夜に関係なく安定して発電できる「ベースロード電源」として位置づけられています。

火山が多い日本は地熱資源に恵まれており、資源量は世界第3位とされています。そのため、地熱発電の導入ポテンシャルが高い国といえます。

一方、優れた地熱資源の多くが国立・国定公園内に存在することや、調査・開発に多くのコストと時間を要することから、資源量に比べて導入が十分に進んでいないのが現状です。

地熱発電の仕組みやメリット・デメリットとは?

地熱発電とは?基礎から仕組み、メリット・デメリット、普及しない理由を解説

地熱発電のメリット

地熱発電は、再生可能エネルギーの中でも特に安定性と自給率の観点で優れた特性を持っています。

  • 24時間365日安定して発電できる
  • 純国産エネルギーでエネルギー自給率向上に貢献できる

燃料を輸入に頼らないため、国際情勢の変動による価格高騰リスクが低い点も強みの一つです。天候や昼夜に左右されないベースロード電源としての特性は、再生可能エネルギーの中でも地熱発電ならではの優位点といえます。

地熱発電のデメリット

一方で、地熱発電には開発の難しさや地域との調整という課題があります。

  • 調査・開発に莫大なコストと長期間(10年程度)がかかる
  • 温泉地や国立公園との調整が必要になる

これらの課題の解決に向けて、国は規制緩和や補助制度の整備を進めており、地熱開発の加速が期待されています。また、温泉事業者への説明と地域との合意形成も、開発にあたって必要な対応となっています。

バイオマス発電の仕組み

バイオマス発電は、木材の切れ端や農作物の残りかす、生ごみ、家畜の糞尿など、動植物に由来する生物資源を燃料として電気をつくる発電方法です。木材などを直接燃やして蒸気をつくり、タービンを回す方法のほか、有機物を発酵させて生じたバイオガスをガスエンジンなどで燃焼させる方法があります。

木材や農作物などの植物由来バイオマスは、燃焼時にCO2を排出する一方、成長過程では大気中のCO2を取り込んでいます。伐採後の植林などによって資源が再生されれば、放出されたCO2は新たに育つ植物に再び吸収されると考えられます。

植物由来バイオマスは、成長過程でCO2を吸収するため、持続可能な資源調達や輸送時の排出削減などを前提に、カーボンニュートラルに資するエネルギー源と位置づけられています。

化石燃料は、長い年月をかけて地下に蓄積された炭素を燃焼によって大気中へ放出するため、短期間では循環しません。これに対し、バイオマスは適切に管理すれば再生できる点が特徴です。

木材廃材や食品残渣、下水汚泥などの未利用資源を燃料として活用できるため、廃棄物の削減や地域資源の有効活用にもつながります。

バイオマス発電の仕組みやメリット・デメリットとは?

バイオマス発電とは?仕組みやメリット、デメリットを徹底解説

バイオマス発電のメリット

バイオマス発電には、廃棄物の有効活用と安定供給という観点での強みがあります。

  • 廃棄物や間伐材を燃料として有効活用できる
  • 天候に左右されず安定して発電できる

廃棄物の削減と発電を同時に実現できるため、環境負荷の低減という観点でも注目されています。また、地域の農林業や畜産業と連携した燃料調達が可能で、地域経済の活性化にもつながる発電方法です。

バイオマス発電のデメリット

一方で、バイオマス発電には燃料の確保や保管に関する課題もあります。

  • 燃料の収集・運搬に手間とコストがかかる
  • 燃料保管のための広大なスペースが必要になる

燃料は広い地域から収集する必要があるため、輸送コストがかさみやすく安定的な調達体制の構築が課題です。安定した燃料調達のサプライチェーンをどう構築するかが、バイオマス発電の普及を左右するポイントとなっています。

太陽熱発電の仕組み

太陽熱発電は、太陽の熱を利用して熱媒や水などを温め、その熱で蒸気をつくってタービンを回し、電気をつくる発電方法です。鏡で太陽光を集める集光型のほか、太陽熱を利用するさまざまな方式があります。

太陽の光エネルギーを直接電気に変換する「太陽光発電」とは仕組みが根本的に異なります。あくまでも「熱」を媒介として蒸気をつくり、タービンを回すという点で、火力発電や原子力発電に近い構造といえるでしょう。

太陽熱発電の大きな特徴は、集めた熱を蓄えておける「蓄熱」の仕組みを持てることです。これにより、太陽が沈んだ後や曇りの日でも一定の時間は発電を続けられるため、太陽光発電よりも安定した電力供給が可能となります。

現在は日射量が豊富な砂漠地帯を中心に中東・アメリカ・スペインなどで実用化が進んでおり、日本国内での普及はまだこれからの段階にあります。

太陽熱発電のメリット

太陽熱発電には太陽光発電にはない蓄熱という特性による強みがあります。

  • 蓄熱により夜間や曇天でも発電できる
  • エネルギー変換効率が比較的高い

蓄熱による安定発電という特性から、日射量が豊富な地域では大規模発電所として活用されています。太陽光発電と比べて発電量の変動が少ない点は、安定供給を求めるうえで大きな利点です。

太陽熱発電のデメリット

一方で、太陽熱発電は立地条件の制約が大きく、日本での普及には課題があります。

  • 広大な土地と強い直達日射量が必要
  • 集熱から発電まで一定の時間がかかる

日本国内では日射条件が合わず普及が進んでいませんが、世界規模では有望な技術として研究開発が続いています。また、直射日光が弱い曇り空の多い地域では発電効率が著しく低下するため、導入地域が限定される点も普及を妨げる要因の一つです。

廃棄物発電(ごみ発電)の仕組み

廃棄物発電(ごみ発電)は、市区町村のごみ焼却施設で可燃ごみを焼却する際に発生する廃熱を利用して、ボイラーで蒸気をつくりタービンを回す発電方法です。

もともとはごみの処理がおもな目的の施設ですが、その過程で生まれる熱エネルギーを無駄にせず電力に変換するという、資源の有効活用の観点からも注目されています。身近な日常の生活ごみが電気に変わるという点で、私たちの生活に最も身近な発電方法の一つといえるでしょう。

現在、国内の多くの清掃工場(ごみ焼却場)でこの廃棄物発電が導入されており、施設内の電力をまかなうほか、余った電力を電力会社に売電するケースも増えています。

廃棄物発電のメリット

廃棄物発電には、ごみ処理と発電を同時に実現できるという実用的な強みがあります。

  • ごみ処理と同時に電気をつくれる
  • 天候に左右されず安定して発電できる

ごみの処理コストと発電コストを同時に抑えられる点で、自治体にとってメリットの大きい発電方法です。国内の多くの清掃工場では発電した電力を施設内で自家消費するほか、余剰分を売電することで自治体の収入にもつながっています。

廃棄物発電のデメリット

一方で、燃料となるごみの性質に左右される点や、設備面での課題もあります。

  • ごみの量や質によって発電量が変動する
  • 厳重な排ガス処理設備が必要になる

排ガス対策など設備投資が必要なため、導入・維持コストが課題となることも少なくありません。ごみの水分量や組成によって燃焼効率が変わるため、安定した発電量を確保するには燃料管理の工夫も必要です。

波力発電の仕組み

波力発電は、海面を伝わる波の上下運動を利用して電気をつくる発電方法です。代表的な「振動水柱型」の仕組みでは、装置内部に設けた「空気室」に波が入ることで海面が上下し、押し出された空気がタービンを回転させて発電します。

水力発電が高い場所から低い場所へ落ちる水の流れを利用するのに対し、波力発電は海面の上下運動を動力に変換するという点で仕組みが異なります。

波力発電はまだ研究・実証段階にある技術ですが、四方を海に囲まれた日本にとっては将来的に有望なエネルギー源の一つです。波のエネルギーは太陽光の2〜3倍ともいわれるエネルギー密度を持ちながら、昼夜を問わず利用できるという可能性があります。

国内外でさまざまな実証実験が進められており、今後の技術革新と実用化が期待されています。

波力発電のメリット

波力発電には、島国日本ならではのポテンシャルがあります。

  • 枯渇しない海洋エネルギーを昼夜問わず利用できる
  • 振動水柱型は発電効率が高く耐久性に優れる

海に囲まれた日本の地理的条件を活かせる発電方法として、将来的な活用への期待が高まっています。波のエネルギー密度は太陽光の数倍ともいわれており、広大な海域を持つ日本にとってポテンシャルの高いエネルギー源です。

波力発電のデメリット

メリットがある一方で、波力発電は過酷な海洋環境への対応や社会的な調整が必要な点に課題があります。

  • 導入・維持コストが高く、実用化・普及には至っていない
  • 漁業・船舶・海洋環境への影響を考慮する必要がある

技術面・コスト面の課題が残るものの、今後の研究開発の進展によって実用化が近づくことが期待されています。塩害や強波浪に耐える設備の開発や、漁業関係者との合意形成なども、普及に向けて乗り越えるべき課題です。

発電方法の種類に関するQ&A

発電方法の中で一番いいものはどれですか

残念ながらすべてにおいて完璧な発電方法はありません。国は「安全性・安定供給・経済性・環境保全(S+3E)」のバランスを原則に、複数の発電方法を組み合わせる「ベストミックス」の実現を目指しており、火力・原子力・再生可能エネルギーそれぞれの強みを活かした組み合わせが重要とされています。

家庭・個人単位で電気代を節約したいという場合は、太陽光発電の導入が現状における選択肢の一つといえるでしょう。

一番珍しい発電方法は何ですか?

まだ普及が進んでいない珍しい発電方法としては、本記事でも紹介した「波力発電」が挙げられます。近年は「水素発電」や「アンモニア混焼発電」といった次世代技術も注目されています。

水素発電は排出物が水だけのクリーンな発電方法、アンモニア混焼発電は既存の石炭火力に混焼することでCO2を段階的に削減できる技術です。いずれも2050年のカーボンニュートラルに向けた技術として研究開発が進んでいます。

アンモニア発電の仕組みやメリット・デメリットとは?

アンモニア発電とは?仕組みやメリット、デメリットを徹底解説

それぞれの発電方法の仕組みや特性を知り、賢く電気を選ぼう

日本では、火力や原子力、水力、太陽光、風力など、さまざまな方法でつくられた電気が使われています。発電方法によって、安定して供給しやすいか、二酸化炭素の排出を抑えられるか、天候の影響を受けるかといった特徴は異なります。

どの発電方法にも一長一短があり、一つの方法だけで日本の電力をまかなうことは困難です。それぞれの特徴を活かしながら、安定供給や環境への影響、コストなどのバランスを取ることが求められています。

発電方法について知ったあとは、毎月の電気代にも目を向けてみましょう。まずは、電気料金シミュレーションで切り替え後にいくらお得になるの確かめてみてくださいね。

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