私たちが毎日使っている電気は、火力・太陽光・水力・原子力など、さまざまな発電方法でつくられています。では、現在の日本ではどの発電方法が最も多く使われているかご存知でしょうか。
日本では今も火力発電が大きな割合を占めていますが、再生可能エネルギーの普及や原子力発電所の再稼働によって、その比率は変化しています。また、地域によって多く使われる発電方法が異なる点も特徴です。
本記事では、最新データをもとに日本の発電割合やこれまでの推移、地域差、今後の電源構成について分かりやすく解説します。
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日本国内の発電割合(電源構成)の現状(2026年時点)
資源エネルギー庁の電力調査統計(2026年3月分)によると、日本の発電電力量は674.1億kWhで、その大部分を火力発電が担っています。現時点でも、電力の約3分の2以上を化石燃料に依存しているのが日本の実情です。
一方で、再生可能エネルギーの割合は着実に高まっており、電源構成は少しずつ変化しています。
発電方法別の割合

2026年3月分のデータにおける発電方法別の割合(シェア)は以下のとおりです。
- 石炭火力:33.3%
- LNG(液化天然ガス)火力:32.0%
- 石油等火力:0.9%
- 原子力:10.7%
- 新エネルギー等(太陽光・風力・バイオマス等):10.8%
- 水力(揚水式含む):8.4%
- その他火力(燃料種別ほか):8.9%
石炭火力とLNG火力をあわせた「火力発電全体」の割合は75.3%にのぼります。次いで原子力が10.8%、新エネルギー等(太陽光・風力・バイオマス等)が10.7%、水力が8.4%です。
再生可能エネルギーと原子力をあわせた「非化石電源」(発電時にCO2を排出しない電源)は20%程度にとどまっており、依然として火力発電への依存度が高い状況といえます。
地域・都道府県ごとの発電割合の違い
日本全体では火力発電が大きな割合を占めていますが、都道府県ごとの発電方法には違いがあります。地形や気候などの自然条件に加え、地域内にどのような発電所が設置されているかによって、発電量の内訳が異なるためです。
例えば、北海道では広い土地や豊富な風などを活かし、太陽光発電や風力発電の導入が進んでいます。山や河川が多い地域では水力発電、火山資源がある地域では地熱発電が利用されるなど、地域の自然環境が発電方法に反映されることも特徴です。
一方、原子力発電所が立地し稼働している県では、県内でつくられる電気に占める原子力発電の割合が大きくなります。佐賀県には玄海原子力発電所、福井県には大飯・高浜・美浜原子力発電所があるため、原子力発電の割合が高い傾向にあります。
資源エネルギー庁の都道府県別発電実績が示しているのは、各都道府県内の発電所でつくられた電気の内訳であり、その都道府県で消費された電力の電源構成を示すものではありません。
発電された電気は送電網を通じてほかの地域にも送られるため、地域の発電割合と消費する電気の内訳は必ずしも一致しない点に注意しましょう。
日本の発電割合の推移と変化の特徴
日本の発電割合は、ここ10年以上で大きく変化しています。とりわけ2011年の東日本大震災を境に電源構成は大きく動き、現在も再生可能エネルギーの拡大と原子力の再稼働という2つの大きな流れが続いています。
日本の発電割合の推移
2010年代前半から2024年度にかけて、火力・原子力・再生可能エネルギーそれぞれの割合は大きく変動してきました。

特に大きく変化したのが原子力と火力の割合です。東日本大震災前の2010年度には、原子力が発電量全体の約25%を占めていましたが、その後は原子力発電所の停止によって急減し、2014年度にはゼロとなりました。
これを補う形で火力発電の割合が上昇し、2012~2013年度には約88~89%と発電量全体の約9割を占めました。その後は、原子力発電所の再稼働や再生可能エネルギーの拡大により、火力の割合は徐々に低下しています。
火力発電への高い依存とエネルギー自給率の問題
現在も火力発電が電源の約7割を占めている背景には、天候に左右されず安定した電力供給ができるという火力の特性があります。しかし、その燃料(LNG・石炭・石油)のほとんどを海外からの輸入に頼っているため、国際情勢の悪化や燃料価格の上昇、円安などの影響を受けやすいことが課題です。
2024年度のエネルギー自給率は16.3%にとどまる日本は、中東情勢の変化やウクライナ情勢のような地政学リスク、さらには円安が進んだ際に燃料価格が大幅に高騰するリスクを常に抱えています。このような燃料価格の上昇は、「燃料費調整額」として家庭の電気料金に反映することがあります。
また、化石燃料を燃やすことで大量のCO2が排出されるため、地球温暖化対策の面でも火力依存は大きな課題とされています。
原子力発電の割合が徐々に増加
2011年の東日本大震災を受けて、国内の原子力発電所はすべて運転を停止する状況になりました。しかしその後、原子力規制委員会による厳格な新規制基準のもと、安全性が確認された発電所から順次再稼働が進められています。
2026年3月時点では電源構成の10.7%を占めるまでに回復しており、今後も一定の割合を担う見通しです。
再生可能エネルギーの割合も増加
2012年にFIT制度(固定価格買取制度)がスタートして以降、太陽光を中心に再生可能エネルギーの導入が急速に進みました。2016年度には15%程度だった水力を含む再生可能エネルギーの割合は、2024年度には23.1%にまで上昇しています。
国内では今後も導入拡大が続く見込みで、2040年度には発電量に占める再生可能エネルギーの割合を4~5割程度を目指す方針が第7次エネルギー基本計画で示されています。
日本と世界の主要国における再生可能エネルギー発電割合の比較
環境エネルギー政策研究所(ISEP)が2024年の発電電力量データ(Emberのデータに基づく)を分析した結果、世界各国の再生可能エネルギー割合は次のとおりです。
- 日本:26.7%
- EU27カ国平均:47.5%
- デンマーク88%
- オーストリア86.7%
- ドイツ57.4%
- フランス26% など
- 中国:33.6%
日本の再生可能エネルギー割合はEU平均の6割弱にとどまっており、その差が大きいのが現状です。しかし、単純に「日本が遅れている」と評価することは適切ではありません。
欧州では国境を越えた送電網の相互接続が進んでおり、風力や太陽光の発電量が天候によって増減した場合でも国同士で電力を融通しやすい環境があります。一方、日本には他国と電力を融通できる国際連系線がなく、国内の電源だけで需要と供給のバランスを保つ必要があります。
日本は森林を除く平地が少なく、大規模な太陽光発電所や風力発電所を設置できる土地が限られます。こうした送電網や国土条件の違いも、日本の再生可能エネルギーを拡大する際のハードルとなっています。
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発電割合の向上が求められる再生可能エネルギーのおもな発電方法

カーボンニュートラルの実現に向けて、日本では複数の再生可能エネルギーの導入が進んでいます。なかでも発電量の多い5種類について、現状の特徴と課題を解説します。
太陽光発電
太陽光発電は、2012年にスタートしたFIT制度の後押しを受けて急速に普及し、現在は国内の再生可能エネルギーの中で最も発電割合が大きい電源です。2024年の年間発電電力量に占める割合は11.4%に達しており(ISEP推計)、2010年代初頭の約1%台から大幅に拡大しました。
普及が進んだ反面、新たな課題も顕在化しています。太陽光発電は、日中の晴天時に発電量が増えやすい特徴があります。冷暖房の使用が少ない春や秋は電力需要が低くなりやすいため、発電量が需要を上回り、余剰電力が発生することがあります。
そのため、需給バランスを保つために発電量を意図的に抑える「出力制御(出力抑制)」が一部地域で実施されています。
九州エリアなど再生可能エネルギー導入が進んでいる地域では、この出力制御が頻繁に行われており、電力網の整備や蓄電池の活用など、余った電気を有効に活用するための取り組みも欠かせない状況です。
水力発電
水力発電は、高い位置にある水を低い位置に落とすことで水車を回し電気をつくる発電方法です。
天候に左右されず24時間安定して発電しやすいため、古くから日本の電力供給を支える「ベースロード電源」として活用されてきました。発電時にCO2を排出しない点も大きな特徴です。
日本は国土の多くを山地が占め、降水量も豊富なため、水力発電に適した地理的環境にあります。設備の老朽化対策や電力が余っている時間帯に水を汲み上げて電気を蓄える「揚水発電」の活用など、既存設備をいかに有効に活用するかも重要なテーマとなっています。
バイオマス発電
バイオマス発電は木材の切れ端や農作物の残りかす、生ゴミなどの生物由来の資源を燃料として発電する方法です。
燃やすとCO2が発生しますが、植物は成長過程で光合成によって大気中のCO2を吸収しているため、排出と吸収がほぼ相殺される「カーボンニュートラル」な特性を持ちます。
廃棄されるはずだった間伐材や食品廃棄物を燃料として有効活用できる点は、廃棄物削減の観点からも注目されています。地域の農林業と連携した燃料調達が可能で、地域経済の活性化につながるケースも少なくありません。
2024年のバイオマス発電の発電割合は5.9%に達しており、再生可能エネルギーの中でも存在感を高めつつある電源です。
風力発電
風力発電は風の力で大きな羽根(ブレード)を回転させて「タービン」と呼ばれる羽根車を動かし電気をつくります。陸上風力に加え、日本では広い海域を活用できる洋上風力発電の導入も進められています。洋上風力発電は、再エネの導入量を拡大する有力な手段として、国を挙げて推進されています。
政府は2040年度までに洋上風力で3,000〜4,500万kWの導入を目指す目標を掲げており、秋田県や長崎県などで商業用の洋上風力発電所の整備が進められてきました。陸上と比べて強く安定した風が得られる洋上風力は、日本の再生可能エネルギー拡大における今後の主力電源の一つとして位置づけられています。
地熱発電
地熱発電は地下のマグマの熱によって温められた蒸気や熱水を利用して発電する方法です。天候や昼夜に関わらず安定して発電できる点が強みで、24時間365日稼働し続けられるベースロード電源として評価されています。
日本はアメリカ、インドネシアに次ぐ世界第3位の地熱資源量を誇る「地熱大国」です。しかし、地熱資源の多くが国立公園内に集中していることや掘削調査に莫大な費用と時間がかかること、温泉地との競合といった課題があり、現状の発電割合はわずか0.3%程度にとどまっています。
豊富な資源を持ちながら十分に活かしきれていない点は、今後の普及に向けた課題の一つです。
日本で再生可能エネルギーの発電割合を高めるためにできる取り組み
日本全体で再生可能エネルギーの発電割合を高めていくためには、国の政策や企業の取り組みだけでなく、私たち一人ひとりの行動も関係しています。ここでは、個人レベルでできる代表的な取り組みを2つ紹介します。
①自宅に太陽光発電パネルや蓄電池を設置する
戸建ての持ち家であれば、自宅の屋根に太陽光発電パネルを設置し日中につくった電気を家庭で使う方法があります。
自家発電した分だけ電力会社から購入する電気を減らせるため、電気代の節約につながるだけでなく電気料金が上昇した際の影響も抑えやすくなります。使い切れずに余った電気は条件に応じて電力会社へ売ることも可能です。
蓄電池を併用すれば昼間につくった電気を夜間に使えるほか、停電時の非常用電源としても活用できます。家庭で太陽光発電を導入することは、再生可能エネルギーによる発電量の拡大に直接つながる取り組みです。
②環境に配慮した電力会社・料金プランに切り替える
マンションや賃貸住宅など、自宅に太陽光発電パネルを設置するのが難しい場合でも電力会社や料金プランの選び方によって再生可能エネルギーの普及を後押しできます。
例えば、再生可能エネルギー指定の非化石証書を活用した環境配慮型のプランを選ぶ方法があります。また、再生可能エネルギー電源の開発や調達に積極的な電力会社を選ぶことも選択肢の一つです。
こうした電気を選ぶ家庭が増えれば、再生可能エネルギーへの需要が高まり、将来的な導入拡大を間接的に支えることにつながります。
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日本の発電割合を知り、賢いエネルギーの選択を
日本では現在も火力発電が大きな割合を占めていますが、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーや原子力の割合も変化しています。発電方法ごとの特徴や推移を知ることは、日本のエネルギー事情だけでなく、電気料金が変動する背景を理解するうえでも役立ちます。
再生可能エネルギーの普及には国や企業による取り組みが欠かせませんが、家庭でも太陽光発電を導入したり、環境に配慮した電力会社・料金プランを選んだりできます。
電力会社を見直す際は環境への配慮だけでなく、現在の電気料金と比べてどのくらい変わるのかを確認することも大切です。まずは、電気料金シミュレーションで切り替え後の料金を確認してみましょう。
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