電気は生活に欠かせないライフライン。だからこそ、使用した電気代は毎月忘れずに支払うことが大切です。
しかし、「電気代をうっかり滞納してしまった…」というケースもあるかもしれません。また、電気代を滞納してしまい、「何カ月支払わないと電気が止まるの?」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、電気代を滞納した場合に起こることを、最初の通知から送電停止・再開までわかりやすく解説します。あわせて、滞納時の対処法や、今後滞納を防ぐためのポイント、電気代を見直したい方に向けた選択肢も紹介します。
「もしものとき」に備えたい方も、「すでに滞納して困っている」という方も、ぜひ参考にしてみてください。
電気代を滞納した場合、何カ月で電気が止まる?
「電気代の未払いが続いた場合、いつ電気が止まるのか…?」というのは、多くの方が不安に感じるポイントです。結論からお伝えすると、支払い期限から約20日後、検針日の翌日からだと約50日(=1〜2カ月)ほど滞納が続くと、送電が停止される可能性があります。
滞納が続くと「支払期限超過のお知らせ(督促状)」が届き、記載された期日までに支払いがないと翌日以降に停止されることが多いようです。
以下は、主要な電力会社が案内している支払期限と送電停止までの目安をまとめた表です。
電力会社 | 支払期限(目安) | 送電停止の目安 | 参考リンク |
|---|---|---|---|
東京電力 | 検針日(請求日)の翌日から30日目 | 支払期限から20日程度 | 出典:東京電力 |
北海道電力 | 支払い義務が発生した日の翌日から起算して30日以内 | 支払期限から20日程度 | 出典:北海道電力 |
東北電力 | 検針日の翌日を1日目とし、30日目 | 支払期限から20日程度 | 出典:東北電力 |
北陸電力 | 検針日の翌日から30日目 | 支払期限から20日程度 | 出典:北陸電力 |
中部電力ミライズ | 検針日の翌日から30日目 | 支払期限から20日程度 | 出典:中部電力ミライズ |
関西電力 | 検針日の翌日から30日目 | 支払期限から20日程度 | 出典:関西電力 |
中国電力 | 検針日の翌日から起算して30日目 | 支払期限から20日程度 | 出典:中国電力 |
九州電力 | 検針日の翌日から起算して30日目 | 支払期限から20日程度 | 出典:九州電力 |
沖縄電力 | 検針日の翌日から30日目 | 支払期日の翌日から20日目(一部地域は30日目) | 出典:沖縄電力 |
滞納後のより詳しい流れは、後述の「電気代を滞納した後の流れはどうなる?」で詳しく解説します。
電気代を滞納した後の流れはどうなる?
電気代を滞納しても、いきなり電気が止まるわけではありません。実際には、以下のような流れで送電停止に至ります。
- 延滞利息の発生
- 通知の受け取り
- 送電停止
- 再開手続き
- 強制解約
送電停止後も支払いがない状態が続くと、電力会社との契約が強制的に解除されてしまうこともあります。
まずは、滞納後にどんな流れで対処が必要になるのかを、全体の流れとして整理してみましょう。
1)延滞利息が加算される
電気代の支払期限を過ぎると、延滞利息(延滞料金)が発生します。
延滞利息とは、支払期限までに電気料金を支払えなかった場合に、滞納した金額と滞納日数に応じて加算されるペナルティのようなものです。
電気の利用自体には直接関係がないものの、滞納が長引くほど金額が増えてしまうため、早めの対応がとても重要です。
たとえば、北陸電力では、延滞利息の計算式が明確に示されています。
延滞料金=滞納した電気料金×10%×滞納日数÷365日
仮に、10,000円の電気料金を30日間滞納してしまった場合、延滞料金は以下のように計算されます。
10,000円×10%×30日÷365日=82.19円
一見すると小さな金額に見えるかもしれませんが、滞納が長期化すれば積み重なっていき、複数月滞納すれば当然利息も増えるので注意が必要です。
また、新電力の場合、年利14.5%など延滞利息が高めに設定されていることもあります。一般的な年利10%の大手電力会社と比べると負担が大きくなるため、長期の滞納はさらにリスクが高まります。
なお、ENEOSでんきの延滞利息は、他の大手電力会社と同じく年利10%に設定されています。
2)送電停止の通知ハガキが届く
電気代の滞納が続くと、「送電停止予告通知(ハガキ)」が届きます。これは、単なる督促状とは異なり、「このまま支払いがない場合、電気の供給を停止します」という重要なお知らせになります。生活に大きく影響するため、見落としや放置は絶対に避けたいところです。
通知ハガキが届く時期は、電力会社ごとに異なります。また、送電停止になる時期も電力会社によるので確認が必要です。
通知ハガキには支払いの最終期限が記載されているので、それまでに電気代を支払うようにすれば送電停止は避けられます。ただし、延滞利息は日々積み重なっていくので、早めに支払うことが大切です。
送電停止通知は「最後の警告」といっても過言ではありません。届いた時点で必ず内容を確認し、期限内に支払いを済ませましょう。
3)電気が止まる
送電停止予告通知に記載された期限を過ぎても支払いが確認されない場合、実際に電気の供給が停止(送電停止)されることがあります。
電気が止まると生活に大きな影響が出るため、停止のタイミングや復旧手続きなどを把握しておくことが大切です。
送電停止は、通知に記載されている期限日以降に実施されます。そのため、「ある日突然、予告なく止められる」ということは通常ありません。ただし、期限当日の朝に止まる可能性もあるため、ギリギリの対応は非常に危険です。
もし実際に送電が停止された場合、滞納している電気料金を支払った上で、電力会社に送電再開の依頼をしなければなりません。電気代の支払い後、自動的に送電が再開になるわけではないので注意が必要です。
再開の手続きをする際は、事前に「お客様番号」を確認しておくと手続きがスムーズに進むので、検針票やマイページなどで確認しておきましょう。
4)再送電を希望の際は保証金が必要になる場合も
滞納状態が続いて送電停止となった場合、再開時に保証金(預り金)を求められるケースがあります。
保証金とは、電気料金の滞納リスクが高いと判断された場合に、電力会社が預け入れを求めるお金のことです。敷金のような性格を持ち、あくまで預けるお金なので、毎月の電気代とは別に発生します。
たとえば、再び電気代の滞納が発生した場合は、保証金から充当される場合があります。ただし、転居などにより電力会社を解約する場合は、滞納分を充当して残った残金は返還されます。
過去に複数回の滞納履歴がある場合や、長期にわたって滞納した後に再送電を希望する場合は、保証金を求められる可能性があるので注意が必要です。
なお、保証金はあくまで「必要な場合のみ」とされており、全員に必ず発生するものではありません。また、保証金の金額は電力会社によって異なります。
保証金を求められた場合、一時的に負担が増加することになります。そのため、できるだけ電気代の滞納を繰り返さないようにしましょう。
5)強制解約
送電停止後も長期間にわたって電気代の滞納が続くと、最終的に 「強制解約」 という厳しい措置が取られる場合があります。
強制解約は、滞納が長期化した場合の最終措置であり、電力会社としても簡単に行うものではありません。しかし、支払いがまったく行われず連絡も取れない場合には、供給を続けることが難しくなり、契約終了に至ります。
多くの電力会社では、送電停止になってから 約10〜15日間支払いが確認されないと、契約者との契約を強制的に解除する場合があります。強制解約後に電気を復旧したい場合、電力会社との再契約が必要になります。
また、新電力会社によっては、強制解約の方との契約を受け付けていない場合もあるので、注意が必要です。強制解約は電気の利用に大きな支障が出るため、可能な限り避けたい状況と言えるでしょう。
電気代を滞納してしまったときの対処法は?

電気代を滞納してしまった場合でも、すぐに取れる対処法があります。大切なのは、滞納に気づいた時点でできるだけ早く動くことです。ここでは、おもな対処法を2つの視点から整理して紹介します。
電気代を滞納してしまったときのおもな対処法は以下のとおりです。
- 電力会社に連絡をする
- 公的支援を利用する
支払いができる見込みがあるなら、まずは電力会社へ連絡をすることが重要です。一方で、すぐに支払いが難しい場合は、行政の支援制度を利用することも検討しましょう。
ここからは、それぞれの対処法を詳しく解説します。
電力会社に連絡をする
電気代を支払える見込みはある場合は、できるだけ早く電力会社のカスタマーセンターに連絡しましょう。
カスタマーセンターでは、以下のような内容を確認できます。
- 電気代の支払い状況
- 支払い期限を過ぎた電気料金の支払い方法
- 送電停止になった場合の再開方法
たとえば、東京電力エナジーパートナーでは、以下のような場合に相談できる窓口を設けています。
- 支払期限に間に合わない場合
- 送電が停止されてしまった場合
- すぐに支払いができない事情がある場合、など
また、チャットでの相談も受け付けているので、電話がつながりにくい場合にも利用しやすいでしょう。振込用紙を紛失した場合や再送電の手続きをしたい場合も、チャットでの手続きが可能です。
ただし、再送電の申込みは「支払い済み」であることが条件になります。支払いが完了していないと再開の手続きができません。
公的支援を利用する
「どうしても今すぐ支払うのが難しい……」
そんなときは、一人で抱え込まず 公的支援制度を利用することも選択肢のひとつです。
公的支援は、収入が不安定になったり、急な出費で生活が苦しくなったりした人を支えるために用意されている制度で、電気代だけでなく生活全体の立て直しにも役立ちます。
電力会社に相談しても解決が難しい場合や、収入の見通しが立ちにくいときには、早めに制度の利用を検討することで、生活の負担を和らげることができます。
ここでは、代表的な支援制度を簡潔にまとめ、「どんな人が利用できるのか」「どんな助けになるのか」をわかりやすく紹介します。
2025年12月時点の情報です。
失業や収入減によって生活維持が難しい世帯向けに、生活費相当額を貸し付ける支援制度。生活基盤を立て直すための中長期的な支えとなります。
離職などの理由で家賃が払えない場合、一定期間家賃相当額を自治体が支給する制度。住まいを失うリスクを低減し、生活再建をサポートします。
最低限の生活を保障する制度で、収入や資産が一定基準以下の場合に生活費や住居費を支給。生活全体を守る「最後のセーフティネット」として利用されています。
電気代の滞納を防ぐためにできること

電気代の滞納は「うっかり忘れ」や「家計状況の変化」などにより、誰にでも起こりうるものです。
しかし、少し工夫するだけで滞納のリスクをぐっと減らすことができます。ここでは、今日から実践できる4つのポイントを紹介します。
- 支払日を忘れないための仕組みづくり
- 電力会社のマイページ・アプリの活用
- 支払方法の見直し
- 家計の見直し・節約
では、それぞれの方法を詳しくみていきましょう。
カレンダーやリマインダーで「支払日」を管理する
請求書払いをしている場合、意外と多いのが「支払期日を忘れてしまった」というケース。スマホのカレンダーに支払日を登録したり、リマインダー機能で通知を設定したりすることで、うっかりミスによる滞納を防ぎやすくなります。
電気代の請求サイクルは毎月ほぼ一定なので、「毎月◯日は電気代チェック」などと、カレンダーに固定予定として登録してしまうのがおすすめです。
さらに、リマインダー(アラーム)を使って通知を設定しておくと、滞納防止の効果が高まります。
契約している電力会社のマイページやアプリを活用する
電気代の滞納を防ぐためには、「請求額」や「支払期日」を早く知ることが欠かせません。そのための強い味方が、電力会社が提供しているマイページや専用アプリです。
最近では、ほぼすべての電力会社がオンラインで料金や使用量を確認できるサービスを導入しており、紙の請求書を待つよりも早く、正確に情報を把握できます。「請求書が届かない」「見つからない」といったトラブルも避けられ、滞納防止に大いに役立つツールです。
支払方法を変更する
請求書払いだと支払忘れが起きやすいため、口座振替やクレジットカード払いに変更することで、滞納リスクを大幅に減らすことができます。
口座振替とは、電気料金を毎月自動で銀行口座から引き落としてくれる方法です。支払いを自動化できるため、支払い忘れがなくなるでしょう。
また、クレジットカード払いも、支払日を自分で管理する必要がなく便利です。ポイント還元があるケースもあるため、家計的にお得になるかもしれません。
なお、支払方法の変更はマイページや電話などで申し込みできます。
無駄な支出や節約ポイントがないか見直す
電気代の滞納を防ぐためには、家計全体の収支を見直すことも大切です。支出の中に無駄がないかチェックしたり、節約できるポイントがないか確認したりすることで、支払いの余裕を作りやすくなります。
たとえば、通信費やサブスク、食費、保険料など、毎月の収支を総合的に見直してみましょう。
また、電気代を節約することも重要です。以下のように、ちょっとした工夫をすることで電気代を抑えることができます。
- 不要な照明はこまめに消す
- エアコンの温度設定を見直す
- LED電球に切り替える
- 電気の契約アンペアを見直す
- 節電モードを活用する
電気代の支払いは滞納しないように注意しよう
電気代の滞納は、誰にでも起こる可能性があります。しかし、滞納が続くと延滞利息が発生し、さらには送電停止・強制解約など、生活に大きな影響が出てしまうことも。
今回紹介したように、毎月の支払いを管理や支払方法の見直し、早めに支払いを済ませるなどといった対策をとることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
電気は毎日の暮らしに欠かせません。だからこそ、無理のない形で電気代を管理し、安心して使い続けられる環境づくりを心がけていきましょう。
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