こたつは寒い季節に欠かせない暖房器具の一つ。足元からじんわり温まるため、心地の良い暖かさが魅力ですよね。
「電気代が安い」と耳にすることがありますが、実際にこたつの電気代はエアコンや電気ストーブよりお得なのでしょうか。
本記事では、こたつのヒーターの種類とそれぞれの電気代、他の暖房器具との比較、そして節約のためのポイントを分かりやすく解説します。
さらに、電気代をもっと抑えるためにおすすめの電力会社の見直し方法もご紹介。電気代を抑えつつ、快適な冬を過ごすために、ぜひ参考にしてください。
こたつの仕組みとヒーターの種類と特徴
こたつはシンプルな構造ながらも、効率的に体を温めることができる暖房器具です。足元から温まることで、全身がぽかぽかしてきますよね。テーブルとしても使えるので、冬の家族団らんの場としても最適です。
寒い冬に欠かせないこたつですが、「なぜこんなに暖かいの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。ここでは、こたつが暖まる仕組みとこたつに使われるヒーターの種類と特徴について解説します。
こたつの仕組み
こたつは、電気でヒーターを発熱させ、その熱を布団内に閉じ込めて利用する仕組みです。全体的に大きく3つのパーツに分けられます。
| 役割 | 特徴 |
|---|---|
| テーブル(天板部分) | こたつ布団を固定する役割と熱を閉じ込めるための蓋の役割を持つ |
| こたつ布団(上掛け・敷布団) | 中の熱を逃がさない断熱材の役割。厚みのある布団を使うことで、暖房効率アップ |
| 熱源(ヒーター部分) | 電気の力で発熱する部分。この熱源がこたつの暖かさを決める |
こたつのヒーターの種類(ハロゲン・カーボン・石英管)
こたつに使われるヒーターは、おもに以下の3種類があります。それぞれの特徴は次のとおりです。
- 速暖性に優れ、電源を入れてすぐに暖かくなる
- 広範囲をしっかり暖められる
- 発熱量が多く、電気代はやや高め
- 本体価格はやや高価な傾向
- 薄型でテーブル下がスッキリする
- じんわり暖まり、ムラが少ない
- 消費電力が比較的少なく、省エネタイプ
- 本体価格は中~高価格帯
- 昔ながらの定番ヒーター
- 本体価格が安く、手に入れやすい
- 暖まるまでに時間がかかる
- 電気代は比較的安い
ハロゲンヒーター | フラットカーボンヒーター | 石英管ヒーター | |
|---|---|---|---|
消費電力の目安 | 600W | 300W | 300~600W |
電気代 | △ | ◎ | 〇 |
速暖性 | ◎ | ◎ | △ |
薄さ | △ | ◎ | × |
こたつの快適性や電気代は、ヒーターの種類によって大きく変わります。購入時は価格だけでなく、電気代や使用環境、耐久性などを総合的に考えて選びましょう。
こたつの電気代相場はどれくらい?

ここでは、こたつヒーターの種類別の電気代や、つけっぱなしにした場合とこまめに消した場合の違いを具体的に解説します。
先に結論をまとめると、以下のようになります。
- ハロゲンヒーター :約2,790円
- フラットカーボンヒーター:約1,395円
- 石英管ヒーター :約2,370円
具体的な電気代の目安を見ていきましょう。
こたつの電気代の目安【種類別】
こたつの電気代は、ヒーターの種類と設定温度によって大きく変わります。
標準的なサイズ(幅約80cmの一般的なこたつテーブル)を想定し、消費電力をもとに電気代を計算しました。
消費電力から電気代を算出する際の計算式は以下のとおりです。
電気代(円)=消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×電力量料金単価(円/kWh)
上記の計算式をもとに、ヒーターの種類別に消費電力と電気代を比較すると以下のようになります。
ヒーター種類 | 消費電力(W) | 1時間の電気代 | 1カ月の電気代 |
|---|---|---|---|
600W | 18.6円 | 2,790円 | |
300W | 9.3円 | 1,395円 | |
510W | 15.81円 | 2,371.51円 |
1カ月分は「1日5時間使用×30日」で算出。
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
比較してみると、ハロゲンヒーターは速暖性がある分、消費電力がやや高めです。一方で、石英管ヒーターは、電気代はハロゲンヒーターよりも安いですが、暖まるまで時間がかかります。
フラットカーボンヒーターは電気代の安さと暖まりやすさのバランスが良いため、3つの中で最も使いやすい種類です。
こたつをつけっぱなしで使用した場合とこまめに消した場合の電気代比較
「つけっぱなしだと電気代が高くなるのでは?」と不安に思う方も多いでしょう。しかし、こたつは布団内だけを暖める効率的な構造のため、つけっぱなしでも電気代が急激に上がるわけではありません。
以下では、フラットカーボンヒーターを例に、8時間連続使用と朝昼晩2時間ずつ(計6時間)の電気代を比較しました。
使用方法 | 1日の電気代 | 1カ月の電気代 |
|---|---|---|
つけっぱなし(8時間) | 74.4円 | 2,232円 |
こまめに消す(6時間) | 55.8円 | 1,674円 |
消費電力300W
1カ月は30日で計算。
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
上記の試算を見ると、1カ月あたりの差額は約56円です。「こまめに消したほうが若干お得」ではありますが、差は大きくありません。
その他暖房器具とこたつの電気代を比較

冬場の暖房は、こたつだけでなくエアコンや電気ストーブなどさまざまな器具があります。
ここでは、代表的な暖房器具とこたつの1時間あたり・1カ月あたりの電気代を比較します。比較してみると、こたつの「省エネ性能」がどれほど優れているのかが分かります。
暖房器具 | 商品名 | 消費電力(W) | 1時間の電気代 | 1カ月の電気代 |
|---|---|---|---|---|
こたつ | 300W | 9.3円 | 1,395円 | |
電気ストーブ | 400〜800W | 12.4〜24.8円 | 1,860〜3,720円 | |
エアコン(8畳用) | 500W | 15.5円 | 2,325円 | |
オイルヒーター | 1,500W | 46.5円 | 6,975円 | |
電気カーペット | 500W | 15.5円 | 2,325円 | |
床暖房(電気式) | 600W | 18.6円 | 2,790円 |
1カ月は1日5時間使用×30日で計算
床暖房はヒーター連結数8、面積2.5㎡の場合
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
比較してみると、電気代が最も安いのはこたつでした。1カ月の目安は約1,400円で、オイルヒーターの1/5程度です。
また、エアコンは初期の立ち上げに電力を多く使いますが、断熱性能が高い部屋なら効率的です。オイルヒーターや床暖房は快適性は高いものの、電気代が高いため注意が必要です。
こたつを使うメリット

こたつは、昔から日本の冬に欠かせない定番の暖房器具です。最近ではエアコンや床暖房など便利な暖房設備も増えていますが、それでもこたつが根強い人気を誇るのは、快適さと電気代の安さの両立にあります。
ここでは、こたつを使うおもなメリットを2つご紹介します。
空気を汚さず乾燥しにくい
エアコンや石油ストーブは、部屋全体の空気を暖めるタイプの暖房器具です。そのため、空気が乾燥しやすく、喉や肌が荒れやすいというデメリットがあります。特に冬場は加湿器が必要になることも多いでしょう。
一方、こたつは布団内部だけを暖める構造になっています。空気を直接暖めないため、居室全体の乾燥を抑えられるのがメリットです。また、エアコンや温風ヒーターのように風で室内を暖めるものではないため、ホコリや花粉が舞い上がることもありません。
また、ハウスダストが気になる方にも最適です。こたつは喉や肌に優しく、空気も清潔に保ちやすい暖房器具と言えます。小さなお子様やペットがいるご家庭も安心して使えるでしょう。
足元から暖めることができる
冬場は「足先が冷えて眠れない」「部屋全体は暖かいのに、足元だけ寒い」という悩みが多いものです。これは、暖かい空気が上にたまり、冷たい空気が下にたまりやすいという性質によるもの。
こたつは、足元を直接暖めることができる暖房器具なので、冷え性の方には特におすすめです。布団の中で熱がこもり、短時間で足先からポカポカになります。
足元が暖まることで体全体が暖まる感覚が得られ、結果的に室温をそこまで上げなくても快適に過ごせます。
他の暖房器具よりも電気代が安いため、節約にもつながり、健康面と家計の両方に優しい暖房器具といえるでしょう。
こたつを使う際の注意点とデメリット
こたつは電気代が安く快適な暖房器具ですが、万能ではありません。使用するうえではいくつかの注意点があり、デメリットも存在します。
こたつは足元を暖めるには効果的ですが、部屋全体を暖めることはできません。また、テーブルやこたつ布団を使うため、他の暖房器具よりも広いスペースを確保する必要があります。
ここでは、こたつの弱点や気を付けるべきポイントを解説します。購入や使用を検討している方は、あらかじめ理解しておきましょう。
部屋全体を暖めるには不向き
こたつは布団内部だけを暖める「局所暖房」です。エアコンや床暖房のように空間全体を均一に暖めることができないので、家族全員で同じ部屋にいても、こたつから離れると寒いことがデメリットです。
また、こたつから出た瞬間に寒さを感じやすくなるため、エアコンや小型ヒーターを併用すると快適に過ごすことができます。
サイズが大きく、場所を取ってしまう
こたつはテーブルと布団を組み合わせて使うため、設置スペースを必要とします。
特にワンルームや家具の多い部屋にこたつを設置すると、テーブル周りに動線を確保しづらくなるため注意が必要です。こたつ周辺のスペースが狭いと掃除機が入らず、掃除しにくくなることもデメリットといえるでしょう。
こたつは季節限定の家具なので、暖かい季節になったら別の場所に収納しなければならず、天板やヒーター部分、こたつ布団など収納スペースを圧迫しやすいというデメリットもあります。
収納場所が限られている場合は、折りたたみ式こたつや薄型の布団など、収納のしやすさを考慮して選ぶとよいでしょう。
こたつの電気代を節約する5つのポイント

上掛けと敷布団をあわせて使用する
こたつ布団は上掛けだけでなく、敷布団を併用することで保温効果が大幅にアップします。
敷布団を敷くことで床からの冷気を遮断でき、こたつ内の熱が逃げにくくなるため、ヒーターの稼働率を下げられます。
資源エネルギー庁のデータによると、こたつ布団だけを使用した場合と、こたつ布団に加えて上掛けと敷布団を併用した場合では、年間で約1,010円の節約になるとされています。(※1日5時間使用した場合)
さらに、厚みのある敷布団を選ぶと保温性アップが期待できます。省スペース重視ならアルミ製の断熱シートを併用するのも効果的です。冷気を防ぐため、省エネ効果が高まるでしょう。
設定温度を低めに設定する
製品によってはこたつの温度を調整できることもありますが、その場合は設定温度を低めにすると効果的です。こたつの設定温度を1℃下げるだけでも電気代は約10%節約できるといわれています。
たとえば、こたつの設定温度を「強」から「中」や「弱」に下げるだけでも、電気代を抑えつつ快適に過ごせます。こたつは布団で熱を閉じ込める構造なので、少し温度を下げても十分に暖かさを保つことが可能です。
資源エネルギー庁によると「強」から「中」にしただけで、年間で約1,520円の節約になると試算されています。
設定温度を弱めても快適に過ごすポイントは、厚手のこたつ布団を使用して熱を逃がさない工夫をすること。節電のためには温度設定をこまめに見直し、必要以上に「強」にしないようにしましょう。
他の暖房器具と併用する
こたつの性質上、部屋全体を暖めようとするのは困難です。 そのため、以下のように他の暖房器具と組み合わせて使用することがおすすめです。
- こたつ + エアコン(部屋全体を軽く暖める)
- こたつ + 電気カーペット(足元全体を効率よく暖める)
- こたつ + 加湿付きヒーター(乾燥防止+体感温度アップ)
最初にエアコンで室温を少し上げてからこたつを使うと、こたつの設定温度を低く保てるため、全体として電気代を抑えられます。
電力会社とプランを見直す
こたつを長時間使う家庭では、電気料金そのものを見直すことが効果的です。
電気代は使用量だけでなく、契約している電力会社や料金プランによっても大きく変わります。
見直しのポイントは以下のとおりです。
- 家庭の電力使用量に合わせて最適なプランを選ぶ
- ポイント還元や長期契約割引などがあるかチェックする
- 季節ごとの電気使用量を把握して契約内容を見直す
まずは、家庭の電気使用量の傾向を把握することが大切です。電気使用量は季節や時間帯によって変わってくるため、できれば年間を通じた電気使用量の傾向をつかみましょう。
そのうえで、複数の料金プランを比較し、最適なプランを選びます。割引や特典などもチェックしてみることがおすすめです。
こたつはもともと電気代が安い暖房器具ですが、料金プランを見直すことでより電気代を抑えられる可能性があります。

ENEOSでんきは、地域の電力会社と比較すると電力量料金単価が割安に設定されています。電気使用量が多い家庭ほどお得に利用できるプランです。いくらお得になるか電気料金シミュレーションで確認しましょう!
こたつの使い方を工夫して電気代を節約しよう
こたつは他の暖房器具と比べても電気代が安く、冬場の強い味方です。他の省エネグッズとの併用や設定温度の調整、電気料金プランの見直しなどで、お得に使うことができます。
特に、電力会社の見直しは固定費削減に直結する大きな節約ポイントです。ENEOSでんきのように、使用量が多い家庭ほどお得になる料金設定のプランを活用すれば、こたつだけでなくエアコンや照明などの電気代もまとめて節約できるでしょう。
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