遠赤外線ヒーターの電気代は安い?種類ごとの比較と節約術を解説

スイッチを入れるとすぐに暖まる遠赤外線ヒーターは、冬の寒さ対策に便利です。

一方で、「実際の電気代はどれくらいかかるのか」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。暖房費の負担が増える冬の電気代は、家計にとって大きな関心事です。

また、遠赤外線ヒーターにはシーズヒーター、カーボンヒーター、グラファイトヒーターなど、種類があります。それぞれ暖まり方や消費電力に違いがあるため、「どれが一番電気代を節約できるのか」についても気になるところです。

この記事では、遠赤外線ヒーターの仕組みから、消費電力に基づいたそれぞれの電気代の目安を解説します。

遠赤外線ヒーターを賢く活用し、快適さと電気代の節約を両立させましょう。

遠赤外線ヒーターの種類と電気代はどれくらい?

遠赤外線ヒーターは、遠赤外線という特殊な熱の波(電磁波)を熱源から放出することで暖めます。

エアコンのように暖かい空気で部屋全体を暖めるのではなく、この熱の波が人の体や家具などに直接当たり暖める仕組みです。

そのため、スイッチを入れるとすぐに暖かさを感じやすく、効率よく熱を届けられます。帰宅時や脱衣所など、すぐにスポット暖房が欲しい場合にぴったりな暖房器具です。

遠赤外線ヒーターには、パネルヒーター・カーボンヒーター・ハロゲンヒーター・グラファイトヒーター・シーズヒーターの5種類があり、それぞれ特徴が異なるだけでなく、消費電力にも差があります。

ここでは、遠赤外線ヒーターの種類ごとの特徴と気になる電気代の目安を紹介します。

なお電気代は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている単価(31円/kWh、税込)と製品ごとの消費電力をもとに算出しています。

パネルヒーターの電気代

パネルヒーターは、内部のパネルから放射される遠赤外線によって周囲を直接暖めるタイプの暖房器具で、スイッチを入れるとすぐに暖かくなります。

部屋の空気を動かさないため、赤ちゃんがいる家庭など乾燥やホコリが気になる方にも適しています。

ただし、費電力が比較的高く、長時間使用すると電気代がかさむ点には注意が必要です。

パネルヒーターの電気代目安

消費電力

1日あたり

1カ月あたり

山善「DP-SD30」

300W

74.4円

2,232円

  • 1日は8時間で計算。

  • 1カ月は30日×8時間使用で計算。

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

カーボンヒーターの電気代

カーボンヒーターは、炭素繊維を発熱体として遠赤外線を多く放出するタイプのヒーターで、電源を入れるとすぐに体の芯から暖まるのが特徴です。

おもに足元や脱衣所などのスポット暖房に向いています。

ただし、遠赤外線量が多い分消費電力も高く、1カ月(1日8時間使用)あたりの電気代が350Wでも約2,600円、900Wだと約6,700円と高めです。

長時間使用すると電気代がかさむため、短時間の補助暖房としての利用がおすすめです。

カーボンヒーターの電気代目安

消費電力

1日あたり

1カ月あたり

コロナ「スリムカーボン DH-C925」

350W

86.8円

2,604円

900W

223.2円

6,696円

  • 1日は8時間で計算。

  • 1カ月は30日×8時間使用で計算。

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

ハロゲンヒーターの電気代

ハロゲンヒーターは、本体内部のハロゲンランプを発熱体とする即暖性に優れた遠赤外線ヒーターです。比較的リーズナブルな価格で購入でき、スイッチを入れてすぐに暖かくなるのが特徴です。

ただし、遠赤外線の放射量は控えめで、部屋全体を暖めるというよりは足元や脱衣所などのスポット暖房に適しています。

電気代は800Wで約6,000円、1,200Wでも約9,000円と、他の遠赤外線ヒーターに比べてやや経済的です。

ハロゲンランプは高温になるため、小さなお子さまやペットのいる家庭では、転倒OFFや過熱防止機能が付いたモデルを選ぶと安心です。

ハロゲンヒーターの電気代目安

消費電力

1日あたり

1カ月あたり

TEKNOS「PH-1212」

800W

198.4円

5,952円

1,200W

297.6円

8,928円

  • 1日は8時間で計算。

  • 1カ月は30日×8時間使用で計算。

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

グラファイトヒーターの電気代

グラファイトヒーターは、黒鉛(グラファイト)を発熱体とする遠赤外線ヒーターで、電源を入れるとすぐに暖かくなるのが特徴です。

放出される遠赤外線量が多く体の芯まで温まりやすいため、足元や脱衣所、キッチンなどのスポット暖房に適しています。

カーボンヒーターに比べて立ち上がりが速く、やや電気代を抑えられる点もメリットです。短時間で効率的に暖を取りたい方におすすめの遠赤外線ヒーターと言えるでしょう。

グラファイトヒーターの電気代目安

消費電力

1日あたり

1カ月あたり

日本エー・アイ・シー「アラジン CAH-2G10GF

300W

74.4円

2,232円

700W

173.6円

5,208円

1,000W

248円

7,440円

  • 1日は8時間で計算。

  • 1カ月は30日×8時間使用で計算。

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

シーズヒーターの電気代

シーズヒーターは、耐久性と安全性に優れた構造を持つ暖房器具です。発熱体が金属管で覆われているため、衝撃やホコリ、湿気に強く、長期間の使用にも向いています。

熱をじっくり放射する性質があり、部屋全体をやわらかく暖めるのが特長と言えます。

風を出さずに静かに運転できるため、寝室や勉強部屋など、音や乾燥を抑えたい空間に適しています。

また、小さな子どもやペットのいる家庭でも比較的安全に使える点がメリットです。

シーズヒーターの電気代目安

消費電力

1日あたり

1カ月あたり

ダイキン「 ERFT11ZS」

250W

62円

1,860円

1,100W

272.8円

8,184円

  • 1日は8時間で計算。

  • 1カ月は30日×8時間使用で計算。

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

その他の暖房器具の電気代

ここまでで、おもな5種類の遠赤外線ヒーターの1日(8時間)あたり、1カ月(8時間×30日)あたりの電気代の目安をご紹介しました。

気になるのは、よく使われているほかの暖房器具の電気代です。暖房器具として一般的なエアコン・石油ファンヒーター・こたつの電気代目安を紹介します。

消費電力

1日あたり

1カ月あたり

エアコン

500W(暖房時)

124円

3,720円

こたつ

300W

74.40円

2,232円

石油ファンヒーター

62W(弱)

15.38円

461.28円

129W(強)

32円

959.76円

出典:
出典:

石油ファンヒーター:ダイニチ「FW-3725SGX」

  • 1日は8時間で計算。

  • 1カ月は30日×8時間使用で計算。

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

遠赤外線ヒーターの電気代のまとめ

冬場に冷えた体をすぐに暖められる遠赤外線ヒーターですが、種類によって電気代は大きく異なります。

5種類の遠赤外線ヒーターと他の暖房器具を比較すると、最も電気代が安いのは石油ファンヒーター(消費電力129W)で、1時間あたり3.99円、1カ月(8時間×30日)あたり957.6円です。

次に安いのはシーズヒーター(250W、7.75円/1時間)で、続いてこたつ、パネルヒーター、エアコンの順に電気代が高くなります。

さらに、ハロゲンヒーター(800W、24.8円/1時間)、カーボンヒーター(900W、27.9円/1時間)、グラファイトヒーター(1,000W、31円/1時間)が続きます。

使用時間が長いほど電気代が増えるため、用途に応じて効率よく使い分けることがポイントです。部屋数が多い場合は、シーズヒーターやパネルヒーターをエアコンと併用するとよいでしょう。

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遠赤外線ヒーターの選び方

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暖房器具として遠赤外線ヒーターを選ぶ際は、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

ここでは「機能性・安全性で選ぶ」「使う場所や目的で選ぶ」「消費電力で選ぶ」という3つの観点から、最適な選び方を解説します。

機能性・安全性で選ぶ

遠赤外線ヒーターを選ぶ際は、暖まりの速さと安全性のバランスが重要です。

ハロゲンヒーターやシーズヒーターは遠赤外線量が多く、部屋を短時間で暖められる即暖性に優れています。

パネルヒーターやカーボンヒーター、グラファイトヒーターは表面温度が比較的低いため、小さな子どもやペットがいる家庭や安全性を重視する方に適しています。

さらに、転倒時や高温時に自動で電源が切れる安全装置が付いた製品を選ぶと、より安心して使用できます。

使う場所や目的で選ぶ

遠赤外線ヒーターは、広い部屋全体を暖めるというよりも、周囲の限られた範囲をすぐに暖めるのに適した暖房器具です。

そのため、寒さを感じやすい玄関や脱衣所、キッチンなどに設置し、必要なときに短時間だけ使用すると効果的です。

また、タイマー機能を上手に利用すれば、暖めすぎを防ぎながら省エネにもつながります。使う場所や目的を明確にして選ぶことで、遠赤外線ヒーターの性能を最大限に発揮できるでしょう。

消費電力で選ぶ

遠赤外線ヒーターを選ぶときは、「どのくらい電気を使う(消費電力)商品か」を意識することが大切です。

種類によって消費電力が異なり、1時間や1カ月あたりの電気代にも大きな差が出ます。

電気代を抑えたい場合は、必要な暖かさを確保しながら消費電力の小さいタイプを選びましょう。

たとえば、玄関や脱衣所などの狭い場所には300W前後、リビングなど広い空間には800W以上のモデルが向いています。

また、暖房費全体を抑えるには、エアコンやこたつと併用するのも効果的です。

家族構成や使用時間に合わせて最適なヒーターを選ぶことで、無駄を減らし、効率的に暖かさを保てるのでぜひ実践してみてください。

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遠赤外線ヒーターの電気代を節約するコツ

遠赤外線ヒーターは便利な暖房器具ですが、使い方次第で電気代を大きく節約できます。ここでは、無理なく節電できる4つのポイントを紹介します。

  1. 広い場所ではエアコンなどの暖房器具と併用する
  2. 省エネ機能付きの製品を使用する
  3. 設定温度を調整する
  4. 部屋の湿度を上げる

広い場所ではエアコンなどの暖房器具と併用する

遠赤外線ヒーターは、周囲の限られた範囲を素早く暖めるのに適した暖房器具です。

そのため、リビングなどの広い部屋では、エアコンやこたつなど他の暖房器具と併用することで効率的に暖まります。

エアコンで部屋全体を暖めつつ、遠赤外線ヒーターで足もとや手もとを補助的に暖めれば、設定温度を低く抑えられ電気代の節約にもつながります。

短時間で暖かさを感じたい場合は、カーボンヒーターやグラファイトヒーターなど、即暖性の高いタイプを選ぶのもおすすめです。

部屋の広さや使う時間帯に合わせて使い分けることで、快適さと省エネの両立が可能になります。

省エネ機能付きの製品を使用する

電気代を抑えたいなら、省エネ機能を備えたモデルを選ぶのがポイントです。

最近は、室温や人の動きを感知して出力を自動で調整するタイプや、暖かさを数段階で切り替えられるタイプなど、効率よく発熱できる機種が増えています。

さらに、同じ遠赤外線ヒーターでも、ハロゲンヒーターよりもカーボンヒーターやグラファイトヒーターの方が熱変換効率が高く、省エネ効果にも優れています。

購入前には、メーカーの公式サイトで省エネ設計や自動制御機能の有無を確認しておくと安心です。

設定温度を調整する

遠赤外線ヒーターの設定温度を少し下げるだけでも、電気代を節約できます。

たとえば消費電力1,000Wのヒーターを800Wに下げると、1時間あたり約6円、1カ月(1日8時間使用)で約1,490円の節約になります。

短時間で暖まりやすい遠赤外線ヒーターだからこそ、出力を上げすぎず、必要な範囲だけを暖める使い方が効果的です。

寒い日は温度を上げる前に、ひざ掛けや衣類を重ねるなど、ちょっとした工夫で体感温度を上げてみましょう。

部屋の湿度を上げる

冬は湿度が下がりやすく、空気が乾燥すると同じ室温でも体が冷えて感じやすくなります。

ミスナールの体感温度式によると、湿度を10%上げると体感温度が約1℃上がるとされています。

つまり、ヒーターと加湿器を一緒に使えば、設定温度を上げなくても快適に過ごせるということです。

加湿器がない場合は、洗濯物の室内干しや、やかん・鍋でお湯を沸かすだけでも効果的です。

湿度を上げる工夫を取り入れることで、快適さを保ちながら電気代の節約にもつながります。

電力会社やプランを切り替える

電気代が高いと感じたときは、電力会社や料金プランの見直しを検討してみましょう。同じ電気の使い方でも、契約内容を変えるだけで月々の負担を抑えられることがあります。

「ENEOSでんき」では、家庭の電気使用量やライフスタイルに合わせて選べる複数のプランを用意しています。

なかでも一般家庭向けの「Vプラン」は、地域の電力会社の標準的な料金プランと比較すると電気使用量が多いご家庭ほどお得になるよう設定されています。

そのため、お子さんがいるご家庭や在宅時間の長い世帯など、電気の使用量が多い世帯では、従来の電力会社から切り替えることで電気代を削減できる可能性もあります。

さらに、利用プランに応じてVポイント付与などの特典も用意されているため、ぜひチェックしてみてください。

日々の電気の使い方を見直すのと同じように、料金プランを比較してみるだけでも、思わぬ節約につながることがあります。まずは電気料金シミュレーションでいくらお得になるか見てみましょう。

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遠赤外線ヒーターは目的に合わせて使用して電気代を節約しよう

冷え込む季節を少しでも快適に過ごすためにも、置き場所と目的に合わせて遠赤外線ヒーターを上手に活用したいものです。

置き場所や使用目的に合わせて使い分ければ、暖かさを保ちながら電気代の節約も可能です。

エアコンやこたつなど他の暖房器具と併用することで、効率的に部屋を暖められます。

この冬は、自分に合ったヒーターの選び方と使い方で、快適で省エネな暮らしを実現しましょう。

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著者 ENEOS Power編集部

暮らしの電気とガスの情報サイト「ENEeee!」を運営。エネルギーに関する情報や日々の暮らしに役立つ節約術・豆知識などを発信しています。毎月更新する記事を通じて、わくわくと驚きをお届けします。

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