家庭用冷凍庫の電気代は一カ月でどれくらい?節約術や選び方のポイントを解説

まとめ買いや作り置きが増え、「セカンド冷凍庫を置きたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

一方で、「もう一台増やすと電気代が高くなるのでは?」と不安に感じる人も少なくありません。

実際、冷凍庫は24時間稼働しているため、使い方次第で電気代に大きな差が出る家電です。

この記事では、家庭用・セカンド冷凍庫の1カ月あたりの電気代の目安と、電気代を抑える使い方のコツ、選び方のポイントを分かりやすく解説します。

購入前に「どのくらいの負担が増えるのか」を確認しておきましょう。

家庭用(セカンド)冷凍庫の1カ月の電気代

家庭用冷凍庫は、メインの冷蔵庫とは別に2台目として設置することから「セカンド冷凍庫」とも呼ばれています。まとめ買いした食材や作り置きを多く保存できる便利なアイテムですが、気になるのが電気代です。

冷凍庫の電気代は、容量の大きさや冷却方式によって異なります。経済産業省の資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ 2024年版」によると、1カ月あたりの電気代は、100L以下のコンパクトなタイプなら約460円、一般的な101〜150Lサイズでは約820円、大型(300L〜)サイズでは約1,250円が目安です。

電気代は、「電気代(円)=消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×電力量料金単価(円/kWh)」で計算することができます。また、メーカーが定める年間消費電力、定格消費電力などから計算することも可能です。

以下では、容量・サイズ別、冷却方式別に、家庭用冷凍庫の1カ月あたり電気代を詳しくみていきましょう。

【容量・サイズ別】冷凍庫の電気代

冷凍庫は容量が大きいほど消費電力も増え、電気代が高くなる傾向にあります。ここでは、資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ 2024年版」をもとに、サイズごとの平均的な年間消費電力量をもとに、1カ月および1年間の電気代を算出しました。

容量

年間消費量

1カ月の電気代

1年間の電気代

100L以下

178kWh

459.83円

5,518円

101~150L

317kWh

818.92円

9,827円

151~200L

300kWh

775.0円

9,300円

201~250L

333kWh

860.25円

10,323円

301L以上

484kWh

1,250.33円

15,004円

  • 1カ月の電気代は、1年間の電気代を12等分して算出。

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

【冷却方式別】冷凍庫の電気代

冷凍庫の冷却方式には、おもに「直冷式」と「間冷式(ファン式)」の2種類があり、それぞれ消費電力や電気代が異なります。

  • 直冷式(冷気自然対流方式)
    庫内に設置された冷却器で直接冷やす方式です。シンプルな構造のため、消費電力が少なく静音性に優れていますが、定期的な霜取りが必要です。
  • 間冷式(冷気強制循環方式)
    冷却器で作った冷気をファンで庫内に送り、循環させて冷やす方式です。「ファン式」とも呼ばれ、霜取りが不要で庫内を均一に冷やせるのが特長です。

ここでは、同じメーカーの同等サイズ(101〜150L)の製品で電気代を比較しました。一般的に、直冷式のほうが間冷式(ファン式)よりも消費電力が少なく、電気代を抑えられる傾向にあります。

冷却方式

商品例(容量)

年間消費電力

1カ月の電気代

1年間の電気代

直冷式

AQUA AQF-10CK(103L)

185kWh

416.67円

5,000円

間冷式

AQUA AQF-SF10K(102L)

356kWh

800.82円

9,610円

  • 1カ月の電気代は、1年間の電気代を12等分して算出。

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

家庭用(セカンド)冷凍庫の電気代を節約するためのコツ

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冷凍庫は24時間365日稼働するため、日々の使い方を少し工夫するだけで電気代を効果的に節約できます。ここでは、今日から実践できる5つの電気代節約術をご紹介します。

  • 温かいものは冷ましてから保存する
  • 冷凍庫の中を整理する
  • 冷凍庫にはできるだけものを詰め込んで保存する
  • 無駄な開閉をせず、開けている時間を短くする
  • 古い冷凍庫は新しいものに買い替える

これらのコツを意識して、賢く電気代を抑えましょう。

温かいものは冷ましてから保存する

調理したてのカレーやスープなど、温かいものをすぐに冷凍庫へ入れるのは避けましょう。熱い食品を入れると、その熱で庫内の温度が急激に上昇します。

すると、冷凍庫は設定温度まで急速に冷やそうとコンプレッサーをフル稼働させるため、多くの電力を消費して電気代が高くなってしまいます。また、急な温度変化はほかの冷凍食品に霜をつけたり、品質を劣化させたりする原因にもなりかねません。

調理したものは、室温である程度冷ますか、急ぐ場合は鍋ごと冷水につけるなどして、しっかりと粗熱を取ってから冷凍庫に入れるように心がけましょう。この一手間が、無駄な電気代を抑え、ほかの食材の品質を守ることにもつながります。

冷凍庫の中を整理する

冷凍庫の中が整理されていないと、目的の食材を見つけるのに時間がかかり、ドアの開閉時間が長引きます。

ドアを開けている時間がわずか10秒増えるだけでも、庫内の温度は数度上昇すると言われており、その分だけ余計な冷却運転が必要になり、電気代がかさむ原因となります。これを防ぐためには、日頃から庫内を整理整頓しておくことが重要です。

食材を種類ごとに分けたり、保存容器の形を揃えて立てて収納したり、ラベルを貼って中身がすぐわかるようにする工夫が効果的です。また、定期的に中身を見直し、古くなった食材や、乾物などの常温保存が可能なものは出すようにしましょう。

どこに何があるか一目でわかる状態にしておくことが、フードロス削減と電気代の節約につながります。

冷凍庫にはできるだけものを詰め込んで保存する

冷蔵室は冷気の循環を良くするために隙間を空けるのが基本ですが、冷凍庫はその逆で、できるだけ隙間なく食材を詰め込むほうが電気代の節約に効果的です。

凍った食品同士が互いに冷やし合う保冷剤のような役割を果たし、庫内全体の温度を低く保ってくれます。これにより冷却効率が向上し、コンプレッサーの稼働時間を減らせるのです。

また、物が多く詰まっていると、ドアを開けた際の温度上昇も緩やかになり、冷気が逃げにくくなるというメリットもあります。

もしスペースが空いてしまう場合は、保冷剤や水を入れたペットボトルを凍らせておくと良いでしょう。停電などの非常時にも、庫内の低温を長時間維持しやすくなります。

無駄な開閉をせず、開けている時間を短くする

冷凍庫の電気代の節約において、ドアの開閉は注意したいポイントの一つです。

たとえば40分ごとに8回(開放時間10秒)開閉をした場合と、その2倍の回数開閉した場合では、年間約320円の差が出ます。また、開閉時間を20秒から10秒に短くすることで、年間約190円の節約が可能です。

特に夏場は外気温との差が大きいため、消費電力も増大しがちです。電気代を抑えるには、開閉の回数を減らし、開けている時間を可能な限り短くすることが大切です。

あらかじめ何を取り出すか決めてからドアを開ける、食材は小分けにして必要な分だけ素早く取り出せるようにしておく、といった習慣をつけましょう。

古い冷凍庫は新しいものに買い替える

もし10年以上前の古い冷凍庫を使用しているなら、最新の省エネモデルに買い替えることが、効果的な電気代節約になる場合があります。

家電の省エネ技術は年々進歩しており、近年のモデルは、断熱材の性能向上やコンプレッサーの効率的なインバーター制御などにより、消費電力が削減されています。

たとえば、家庭でよく使われる101〜150Lクラスの冷凍庫を比較すると、2016年度の平均年間消費電力量は335kWhでしたが、2023年度には317kWhまで減少しています。電気代に換算すると年間約558円も安く済みます。

購入費用はかかりますが、長期的な視点では買い替えが電気代を節約する選択となることも少なくありません。

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

電力会社やプランを見直す

家電の使い方を工夫するだけでなく、契約している電力会社や料金プランを見直すことも、電気代の節約に直結します。まずは、毎月の電気使用量をマイページ、もしくは検針票などで確認し、電気代の内訳や家庭の電気の使用状況を把握することが大切です。

たとえば、電気を多く使うご家庭では、電気使用量の多いとき(300kWh~など)のの電力量料金単価が割安に設定されているプラン、オール電化住宅で夜間にお湯を沸かしている場合は、夜間の電力量料金単価が割安なオール電化向けプランなど、自分のライフスタイルに合った電気料金プランに切り替えると、電気代の節約効果が期待できます。

また、一度に使う家電製品が少ないのであれば、契約アンペア数を小さくすることで基本料金を節約できます。

電力会社の切り替えは、インターネットから簡単に申し込める場合が多く、手間をかけずに電気代を根本から見直せる可能性があります。

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家庭用(セカンド)冷凍庫が必要な場合

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あると便利なセカンド冷凍庫ですが、「我が家には本当に必要なのか」と迷っている人もいるでしょう。

結論から言えば、共働き家庭や育ち盛りのお子さんがいる家庭、まとめ買い、作り置きをする人にメリットの大きい家電です。ここでは、セカンド冷凍庫があると暮らしが豊かになる、代表的な2つのケースをご紹介します。

ご自身のライフスタイルと照らし合わせて、検討してみてください。

食材のまとめ買いや作り置きでストックが多い場合

スーパーの特売日に肉や魚をまとめ買いしたり、週末に1週間分のおかずを作り置きしたりするご家庭にとって、セカンド冷凍庫は非常に心強い味方です。

メインの冷蔵庫の冷凍室だけでは、すぐにパンパンになってしまいがちですが、セカンド冷凍庫があれば、大容量の食材や作り置きを種類ごとに分類してストックできます。

食材を計画的に購入・保存することで、特売のタイミングを逃さず活用でき、食費の大幅な節約につながります。

さらに、休日にまとめて下ごしらえや調理を済ませておけば、忙しい平日の夕食準備は解凍して温めるだけになり、調理時間を大幅に短縮できるという大きなメリットがあります。

特に、共働き世帯や育ち盛りの子どもがいるご家庭では、食事の準備の負担が軽減され、時間的なゆとりが生まれ、その利便性を大いに実感できるでしょう。

また、最近人気の冷凍宅配弁当や、ふるさと納税の返礼品など、かさばる冷凍食品の保管場所としても最適です。

災害時・非常時に備える場合

冷凍庫は、食材の保存期間を延長できるため、災害時や非常時の備えとしても非常に役立ちます。地震や台風、豪雪などの影響で、物流がストップしたり、数日間スーパーから商品がなくなったり、あるいは外出が困難になったりするかもしれません。

そのような時でも、冷凍食品のストックがあれば食料に困ることなく過ごせます。

また、冷凍庫に食材を隙間なく詰めておくことで、食材自体が保冷材の役割を果たし、停電時の保冷効果が高まるというメリットもあります。

万が一停電した場合でも、ドアの開閉を最小限にすれば、製品にもよりますが数時間から半日程度は庫内の冷たさを保つことが可能です。

  • 停電を伴う災害時・非常時では、冷凍庫の冷凍機能が停止するため、長期的な保存はできません。

家庭用(セカンド)冷凍庫を選ぶポイント

セカンド冷凍庫を購入する際には、いくつかのポイントを押さえることで、ご家庭にぴったりの一台を見つけられます。ここでは、冷凍庫選びで失敗しないための4つの重要なポイントを解説します。

【容量・サイズ】人数に合わせて選ぶ

冷凍庫を選ぶうえで基本的なのが、容量とサイズです。家族の人数やライフスタイルに合わせて、適切な容量を選びましょう。

利用人数

容量目安

おもな用途

一人暮らし向け

〜60L

アイスやロックアイス、冷凍食品のストックなど、ちょっとした保存に便利

二人暮らし向け

60L〜100L

作り置きや、少し多めの冷凍食品を保存するのに十分なサイズ

家族向け(3人以上)

100L〜

大量のまとめ買いや作り置き、複数のパンなどをストックするのに最適

二人暮らしの場合でも、頻繁に自炊して作り置きを多くするなら100L程度あると安心です。逆に、外食が多く冷凍食品もあまり買わないのであれば、60L程度の小型モデルで十分かもしれません。

【冷却方式】機能で選ぶ

前述のとおり、冷却方式には「直冷式」と「間冷式(ファン式)」があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。手入れの手間や求める機能性で選びましょう。

冷却方式

冷却方法

メリット

デメリット

直冷式

庫内を直接冷やす

・消費電力が少ない
・本体価格が安い
・運転音が静か

・定期的な霜取りが必要
・温度ムラができやすい

間冷式

冷気をファンで循環

・霜取りが不要
・庫内を均一に冷やせる
・急速冷凍機能付もある

・消費電力が多め
・本体価格が高い
・ファンの運転音がする

電気代を少しでも抑えたいなら直冷式、手入れの手間を省きたいならファン式がおすすめです。

【ドアの開閉方向】設置場所に合わせて選ぶ

冷凍庫のドアの開閉方向は、設置場所のスペースや使い勝手に大きく影響します。おもに「上開き式」と「前開き式」の2種類があります。

開閉方向

特徴

上開き(チェスト式)

・蓋を上に開けるタイプ
・冷気が逃げにくく、電気代の節約につながりやすい
・大きな塊肉なども収納しやすいが、底にあるものが取り出しにくい

前開き(縦型)

・冷蔵庫のように手前にドアを開けるタイプ
・引き出し式が多く、中身を整理しやすく、取り出しやすい
・設置スペースがコンパクトで済むが、ドアを開けると冷気が逃げやすい

キッチン、リビング、パントリーなど、どこに置くかを想定し、ドアを開けるためのスペースが十分に確保できるかを確認してから選びましょう。

【消費電力】電気代をシミュレーションして選ぶ

冷凍庫は24時間稼働し続ける家電なので、消費電力のチェックは欠かせません。冷凍庫の電気代の表からもわかるように、101~150Lの平均電気代は年間約9,800円、201〜250Lでは約10,300円です。

一般的に、容量が大きくなるほど電気代も高くなる傾向はありますが、最近のモデルは省エネ性能が非常に高くなっています。購入を検討する際は、本体価格だけでなく、カタログや製品ラベルに記載されている「年間消費電力量(kWh/年)」を必ず確認しましょう。

この数値が小さいほど、年間の電気代を抑えられます。長期的に使うものだからこそ、省エネ性能の高い製品を選ぶことが賢い選択です。

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家庭用冷凍庫の電気代を抑えるコツを活用して電気代を節約しよう

この記事では、家庭用(セカンド)冷凍庫の電気代について、容量や冷却方式による違いから、具体的な節約術、そして最適な選び方までを解説しました。

冷凍庫の電気代は、使い方を少し工夫するだけで大きく変わります。「食品を詰め込む」「開閉を減らす」といった日々の小さな心がけが、月々の電気代削減につながります。

また、ご家庭のライフスタイルに合った容量や機能の冷凍庫を選ぶこと、そして電力会社のプランを見直すことも電気代節約に有効な手段です。

この記事で紹介したポイントを参考に、ご家庭に合った方法で賢く電気代を節約し、快適なセカンド冷凍庫ライフを送りましょう。

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著者 ENEOS Power編集部

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