冬に活躍するセラミックファンヒーター。速暖性が高く便利な暖房器具ですが、電気代がどれくらいかかるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、セラミックファンヒーターの電気代や他の暖房器具との電気代を比較した結果、電気代を節約するコツも紹介します。
セラミックファンヒーターとは何?
セラミックファンヒーターとは、発熱体となるセラミックを電気で加熱し、その熱をファンで送り出す仕組みの暖房器具です。同じ電気ヒーターにカーボンヒーターがあります。カーボンヒーターは遠赤外線で体を直接温めるのに対し、セラミックファンヒーターは熱をファンで送風して部屋の空気を暖めます。
また、ガスや灯油などの燃料を使わないため安全性が高く、一酸化炭素中毒や火事のリスクが低いのが特徴。立ち上がりが早く、電源を入れるとすぐに暖かさを感じられるといったメリットもあります。
セラミックファンヒーターの1カ月の電気代はいくら?
セラミックファンヒーターの電気代は、使用する製品のモデルや設定温度、外気温との差などさまざまな要因で決まります。そのため一概には言えませんが、目安を計算することはできます。
セラミックファンヒーターをはじめ、家電製品の1時間あたりの電気代は「消費電力(W)÷1,000×電気料金単価(円/kWh)」で計算できます。この式を元に試算したセラミックファンヒーターの1カ月の電気代を算出すると次のようになります。
消費電力 | 1時間の電気代 | 1カ月の電気代 | |
|---|---|---|---|
弱 | 640W | 19.84円 | 2,380.8円 |
強 | 1,170W | 36.27円 | 4,352.4円 |
1カ月の電気代は、1日4時間、30日使用想定で算出。
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
設定温度に達すると出力が弱くなるなど、セラミックファンヒーターの消費電力は常に一定ではありません。そのため、あくまでも目安程度にとらえておきましょう。
セラミックファンヒーターの1カ月の電気代を比較
セラミックファンヒーターの1カ月の電気代は設定温度や使用頻度、時間によって異なりますが、1日4時間使用する場合、約2,380円〜約4,350円です。
パネルヒーターやこたつ、床暖房などと比べると電気代が高くなりがちな傾向があるものの、使い方によってはカーボンヒーターやエアコンよりは安く利用できます。
また、セラミックファンヒーターは、つけっぱなしにするよりもこまめにスイッチを切った方が電気代の節約になります。使用するときだけスイッチを入れる使い方を徹底するとよいでしょう。
セラミックファンヒーターの1時間・1カ月の電気代と他暖房器具の電気代を比較
暖房器具には、セラミックファンヒーター以外にもカーボンヒーターやパネルヒーター、エアコンなどさまざまな種類があります。セラミックファンヒーターとその他よく使われる暖房器具の1時間・1カ月の電気代を比較してみましょう。
種類 | 商品 | 消費電力 | 1時間の電気代 | 1カ月の電気代 |
|---|---|---|---|---|
セラミックファンヒーター | 640W | 19.84円 | 2,380.8円 | |
1,170W | 36.27円 | 4,352.4円 | ||
カーボンヒーター | 450W | 13.95円 | 1,674円 | |
900W | 27.9円 | 3,348円 | ||
パネルヒーター | 300W | 9.3円 | 1,116円 | |
エアコン | 515W | 15.97円 | 1,916.4円 | |
こたつ
| 70W | 2.17円 | 260.4円 | |
180W | 5.58円 | 669.6円 | ||
床暖房 | 約605W | 約18.76円 | 約2,251.8円 |
1カ月の電気代は、1日4時間、30日使用想定で算出。
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
実際の電気代は利用環境や運転モード、省エネ性能によって変動します。
セラミックファンヒーターをつけっぱなしにした場合の1カ月の電気代はどの程度?
セラミックファンヒーターをつけっぱなしにした場合、1カ月の電気代はどの程度かかるのでしょうか?つけっぱなしで1日8時間使用した場合と、こまめに消して朝・昼・晩2時間ずつ、合計6時間使用した場合で電気代を比較しました。
消費電力 | 1日の電気代 | 1カ月の電気代 | |
|---|---|---|---|
つけっぱなし | 640W | 158.72円 | 4,761.6円 |
1,170W | 290.16円 | 8,704.8円 | |
こまめに消す | 640W | 119.04円 | 3,571.2円 |
1,170W | 217.62円 | 6,528.6円 |
1日の電気代は、つけっぱなし「1日8時間連続運転」、こまめに消す「朝昼晩の2時間ずつ、計6時間」で算出。
1カ月の電気代は、30日使用想定で算出。
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
ヒーター、エアコン、こたつ、気になる電気代を調査!
冬の暖房電気代を節約するには?ヒーターなどの暖房器具を徹底比較セラミックファンヒーターは、つけっぱなしで使うと電気代が高くなりやすいため、必要に応じてこまめに消しながら使用するとよいでしょう。
ENEOSでんきでは、一般家庭向けやオール電化住宅向けなど、ライフスタイルに合った豊富な電気料金プランをご用意しています。電気を切り替えると電気代がいくらお得になるのかシミュレーションしてみましょう!
セラミックファンヒーターのメリット

セラミックファンヒーターには、次のようなメリットがあります。
- 速暖性の高さ
- こまめな換気の必要性が低い
- コンパクトで持ち運びやすく、家のあらゆる場所で使用できる
- 火災のリスクが低い
このようなメリットを活かすと、より効果的にファンヒーターを活用できます。それぞれの特徴について、詳しく解説します。
速暖性の高さ
スイッチを入れるとすぐに温風が出るのが、セラミックファンヒーターの大きな特徴です。
セラミックファンヒーターは電気を熱源として使用しているため、スイッチを入れるとすぐに発熱します。石油ストーブのような着火作業や、オイルヒーターのような予熱時間は必要ありません。
ファンで温風を拡散するため、パネルヒーターやオイルヒーターのように風を使わず自然対流でじっくり暖めるタイプの暖房器具と比べると、室内全体を短時間で効率よく暖められます。
朝起きてすぐや帰宅直後など、体が冷え込んでいるタイミングでは快適さを実感しやすいでしょう。素早く暖まりたいシーンに適した暖房器具と言えるでしょう。
換気の回数が少なくて済む
こまめに換気をしなくてよい点もセラミックファンヒーターのメリットです。火を使わない仕組みで燃焼ガスが発生しないことから、一酸化炭素中毒や酸欠のリスクが低い点も、セラミックファンヒーターの魅力です。
石油ストーブやガスファンヒーターと比べ、換気不足による健康被害の心配が少ないため、小さな子どもや高齢者がいる家庭でも使いやすい暖房器具と言えるでしょう。
一方で、温風を発生させるため、乾燥していると感じたら換気か加湿器の使用をおすすめします。
コンパクトで持ち運びやすく、家のあらゆる場所で使用できる
セラミックファンヒーターは持ち運びがしやすく、家のあらゆる場所で使用できる点も魅力です。片手で持ち運べる程度のサイズと重量のものや取っ手のついているものもあります。頻繁に移動させる場合には、キャスター付きの台に乗せるととさらに便利です。
コンパクトなサイズも多いため、脱衣所やトイレなどの狭い場所での利用にも適しています。季節の変わり目に少しだけ暖房がほしいときや、部屋ごとのスポット暖房としても便利です。
火災のリスクが低い
石油ストーブやガスファンヒーターは燃料を燃焼させるため、一酸化炭素中毒や引火のリスクがあり、定期的な換気が欠かせません。カーボンヒーターやハロゲンヒーターは火を使わないものの、表面温度が高くなりやすく、誤って触れると火傷してしまうこともあります。
これに対してセラミックファンヒーターは、温風で空間を暖める仕組みのため、火を使わないことから火事のリスクも低めです。さらに、多くの製品に転倒時自動オフや加熱防止機能が搭載されており、小さな子どもや高齢者がいる家庭でも比較的事故リスクが低い暖房器具です。
セラミックファンヒーターのデメリット

セラミックファンヒーターには、次のようなデメリットもあります。
- 暖められる範囲には限りがある
- 空気が乾燥しやすい
ここでは、それぞれの詳細とデメリットをカバーする方法を紹介します。
暖められる範囲には限りがある
セラミックファンヒーターは即暖性に優れていますが、送風範囲や出力が限られているため、リビングなど大きな空間を均一に暖めるには不向きです。温風が届くのはヒーターの前方を中心とした限られた範囲であり、部屋全体に熱が行き渡る前に冷気と混ざってしまうためです。
無理にセラミックファンヒーターで広い空間を温めようとすると、かえって電気代が高くついてしまう点には注意が必要です。
このため、脱衣所や足元などの狭い空間での使用がおすすめです。広いリビングでは、エアコンや床暖房をメインに使い、必要な場所を補助的に温めると快適性と省エネを両立できます。
空気が乾燥しやすい
セラミックファンヒーターは温風を使用するため、室内の空気を乾燥させやすい点がデメリットです。湿度が下がると喉の痛みや肌荒れ、静電気の発生につながります。特に小さな子どもや乾燥肌の人には注意が必要です。
ただし、これはエアコンなど温風式の暖房器具全般に共通する特徴でもあります。快適な湿度の目安は40〜60%とされており、加湿器の併用や、濡れタオルを干すなどの工夫で湿度を維持すれば、乾燥を防ぎつつ安心して利用できます。
セラミックファンヒーターの電気代を節約する方法
セラミックファンヒーターの電気代を節約するには、次のような方法があります。
- 他の暖房器具と一緒に使用する
- 設定温度を低めに設定する
- 省エネモードを搭載しているヒーターを選ぶ
- 使う場所を固定する
- 電力会社と料金プランを見直す
まずは取り組みやすいことから始めてみるだけでも、電気代を抑えられるでしょう。それぞれの項目について、詳しく解説します。
他の暖房器具と一緒に使用する
セラミックファンヒーターは、スポット暖房に適した暖房器具で、単体では広範囲を暖めにくいため、広い範囲を暖めるのが得意な暖房器具と併用するのが効果的です。
たとえば、立ち上がりはセラミックファンヒーターを使ってすばやく部屋を暖め、室温が安定したらエアコンに切り替えるといった使い方であれば、快適さを得ながら電気代の節約もできます。
また、朝起きてすぐ、もしくは帰宅した直後のの体が冷えているタイミングに手先や足元を暖めるのに使い、部屋全体は別の暖房器具を使って暖めるといった使い方もよいでしょう。スイッチを入れるとすぐに暖かくなるという特徴を上手に活用してください。
さまざまな暖房器具の特徴や得意分野を把握し、それぞれの長所を併用することで、暖かさを保ちつつも電気代を抑えることができます。
設定温度を低めに設定する
電気代を抑えるには、温度センサー搭載モデルなら設定温度を低めに、段階切り替えモデルなら「中」~「弱」にするなどの工夫も効果的です。
暖房器具全般では、設定温度を1℃下げると電気代が数%節約できると言われており、セラミックファンヒーターも同様の傾向が期待できます。設定温度を下げると、瞬間的な消費電力を抑えることができるためです。
とはいえ、節約のために快適さを失ってしまっては意味がありません。家の中であっても少し厚着し、座るときにはブランケットを使用したり、冬の間だけでもラグやカーペットを敷いたりすると、低めの設定でも快適に過ごせます。
省エネモードを搭載しているヒーターを選ぶ
セラミックファンヒーターの中には、省エネモードを搭載している製品もあります。人感センサーで不在時は自動停止する機能がある製品は、脱衣所やトイレなど短時間だけ滞在する場所で使用するのに便利です。
都度スイッチを入れなくても使用でき、人がいなくなれば自動的に停止するため、切り忘れで無駄に電気を使ってしまう心配がありません。
また、一定以上の温度になると出力を抑えるセンサー機能付きの製品であれば、細かく設定温度を気にしなくても自動的に快適な温度をキープできます。
タイマー機能付きの製品を使用すれば、就寝後しばらくの時間だけ部屋を暖めておく、といった使い方も可能です。一晩中つけっぱなしにしておく場合と比べると、大幅に消費電力を減らせます。
最新モデルほど省エネ性能が高い傾向があるため、購入時は価格だけでなく省エネ性能にも注目しましょう。
使う場所を固定する
セラミックファンヒーターは、狭い空間をすばやく暖めることが得意な暖房器具です。広いリビング全体を長時間暖めるには不向きですが、脱衣所やトイレ、寝室の一角、デスク下などの限られたスペースでは大きな力を発揮します。冷え込みが気になる場面で使えば、体感温度を素早く上げられるのも特長です。
部屋全体を均一に暖めようとすると多くの電力を消費しますが、必要な場所だけをピンポイントで暖めれば効率的に快適さを得られます。さらに、使用シーンをあらかじめ決めておけば、無駄な稼働を抑えられ、月々の電気代を予測しやすい点も安心です。まずは家の中で「寒さを特に感じやすい場所」を見極めてみてください。セラミックファンヒーターをスポット使いすることで、快適さと省エネを両立できます。
電力会社と料金プランを見直す
セラミックファンヒーターの使い方を変えなくても、電力会社と料金プランを見直すだけで大きな節約につながるケースも少なくありません。電気の使用量などに合わせて、適切なプランを選びましょう。
電気の使用量が多いご家庭は、電力量料金単価の3段階目が割安の電気料金プランに乗り換えるとお得になる可能性があります。また、一度に多くの電力を使うことがほとんどないのであれば、契約アンペア数の見直しが節約につながるケースも。
以前は契約できる電力会社が限られていましたが、現在は電力自由化に伴って多くの選択肢があります。そのため、電力会社を比較検討し、自分のライフスタイルに合う電力会社を選ぶだけでも、大幅に電気代を節約できる可能性があります。
まずは自分が、いつどの程度、電気を使っているのか把握しましょう。シミュレーションなどを利用しながら自分のライフスタイルに合う電力会社を選ぶことで、無理なく電気料金を下げられます。
ENEOSでんきでは、さまざまなライフスタイルにフィットする、シンプルでお得な料金プランをご用意しています。電力会社やプランの検討をされたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 自分に合った電気料金プランをお探しの方
- 電気の使用量が多い方
- Vポイントを貯めている方
- ガソリン代をお得にしたい方
お住まいの郵便番号や現在の契約プランなどを入力し、ENEOSでんきに切り替えた場合に、電気代がどのくらいお得になるのかをチェック!
セラミックファンヒーターを効率的に使って冬を過ごそう!
セラミックファンヒーターは、速暖性が高く安全に使いやすい便利な暖房器具です。特徴を知って活用することで、寒い冬でも快適に過ごせるでしょう。
また、電気代が気になる場合には、契約する電力会社や電気料金プランの見直しがおすすめです。ライフスタイルに合わせて適切な電力会社やプランを選ぶことで、無理なく電気料金を下げられます。
ENEOSでんきは電気を多く使う家庭ほどお得になるため、セラミックファンヒーターを使ってしっかり暖かい部屋で過ごしたい人も安心です。
暮らしの電気とガスの情報サイト「ENEeee!」を運営。エネルギーに関する情報や日々の暮らしに役立つ節約術・豆知識などを発信しています。毎月更新する記事を通じて、わくわくと驚きをお届けします。