「寒くなってきて暖房器具の出番が増えたけど、電気代が気になってなかなかつけられない」という人も多いのではないでしょうか。
エアコンやこたつ、電気ストーブなど、たくさんの暖房器具がある中で、カーボンヒーターはすぐに暖まるので便利です。
その一方で、「実際の電気代ってどれくらい?」「他の暖房器具と比べてどうなの?」と疑問に思う人もいらっしゃるでしょう。
この記事では、カーボンヒーターの電気代やメリット・デメリット、さらに上手に電気代を節約する方法を分かりやすく解説します。ぜひ、家計に優しい暖房選びの参考にしてください。
カーボンヒーターとは?
カーボンヒーターは、遠赤外線の力を利用した電気ストーブの一つで、立ち上がりが早いためスイッチを入れるとすぐに暖かさを感じられます。
ここでは、カーボンヒーターが持つ特有の暖かさの秘密と、他の電気ストーブとの違いについてご紹介します。
カーボンヒーターの特徴
カーボンヒーターは、その名前の通り炭素繊維(カーボン)を熱源としています。炭素繊維に電気を流すと瞬時に高温になり、体や物に直接作用する遠赤外線を放出します。遠赤外線は、体の芯までじんわりと暖めてくれるのが特徴です。
「つけたらすぐに暖かい」と感じられるため、朝起きてすぐに使いたいときや脱衣所など短時間だけ暖めたい場所に適しています。
ただし、部屋全体を暖める力は弱いので、キッチンでの家事やデスクワークで足元を暖めたいなど、特定の場所をピンポイントで暖めるときに向いていると言えるでしょう。
その他赤外線ヒーターの種類
カーボンヒーターの他にも、遠赤外線を利用したヒーターはたくさんあります。
それぞれに違った特徴があるので、ご自身のライフスタイルや使い方に合わせて選ぶことが大切です。ここでは、代表的な種類を4つご紹介します。
金属の筒の中に電熱線が入っていて、この筒が熱を帯びて遠赤外線を放出します。立ち上がりは少しゆっくりですが、一度暖まると熱が長持ちし、耐久性が高いのが特徴です。じんわりと柔らかな暖かさが欲しい方に向いています。
カーボンヒーターと同じく炭素繊維を使いますが、グラファイトヒーターはより細かく特殊な加工が施されています。価格は比較的高めですが、スイッチを入れたらすぐに立ち上がり、遠赤外線の放出量も多いのが特徴です。すぐに暖かさが欲しい場所に適しています。
ハロゲンランプを発熱体として使用しています。暖かくなるのも早く、発光することで暖かさを感じやすいという特徴があります。ただし、明るい光を放つため、寝室などではまぶしく感じることもあるでしょう。
薄いパネル状のヒーターで、本体全体が熱を放出し、輻射熱で周りの空気を暖めます。他のヒーターと比べて発熱部がむき出しになっていないので、小さなお子さんがいる家庭でも比較的安心して使えるのがメリットです。部屋の隅や窓際など、場所をとらずに置きたい場合に便利です。
カーボンヒーターの電気代相場はどれくらい?
暖房器具は消費電力が大きく、家計に直結するからこそ、しっかり把握しておきたいものです。
ここでは、カーボンヒーターの電気代がどのくらいになるのか、具体的な数字を見ていきましょう。
電気代は、一般的に「消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)」という計算式で算出されます。
1Wは1000kWのため、電気料金単価のkWhに単位を合わせるために1000で割る必要があります。
一般的なカーボンヒーターの消費電力を例に電気代を算出すると、以下の表の通りになります。
出力 | 消費電力 | 1時間の電気代 | 1カ月の電気代 |
|---|---|---|---|
弱 | 450W | 13.95円 | 1,674円 |
強 | 900W | 27.9円 | 3,348円 |
1カ月の電気代は、1日の使用時間を4時間、1カ月の使用日数を30日で算出。
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
使い方や設定によって、電気代は大きく変わります。エアコンなどと比べると、暖められる範囲が限られる分、使い方次第では電気代を抑えられると言えるでしょう。
その他暖房器具との電気代比較
「電気ストーブ」と言っても、種類によって電気代は意外と大きく変わります。ここでは、カーボンヒーターと同じく遠赤外線を利用する代表的なヒーターと、電気代を比較してみました。
種類 | 商品 | 消費電力 | 1時間の電気代 | 1カ月の電気代 |
|---|---|---|---|---|
カーボンヒーター | 450W〜900W | 13.95円〜27.9円 | 1,674円〜3,348円 | |
シーズヒーター | 250W〜1,250W | 7.75円〜38.75円 | 930円〜4,650円 | |
グラファイトヒーター | 300W〜1,000W | 9.3円〜31.0円 | 1,116円〜3,720円 | |
ハロゲンヒーター | 800W〜1,200W | 24.8円〜37.2円 | 2,976円〜4,464円 | |
パネルヒーター | 400W〜1,200W | 12.4円〜37.2円 | 1,488円〜4,464円 |
1カ月の電気代は、1日の使用時間を4時間、1カ月の使用日数を30日で算出。
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。

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カーボンヒーターを使用する3つのメリット

カーボンヒーターには、速暖性や空気を汚さずに使える点、他の電気ストーブと比べても電気代が抑えられるといったメリットがあります。
ここでは、カーボンヒーターを使用することで得られる3つのメリットを詳しくみていきましょう。
速暖性の高さ
冬の朝に冷え切った部屋で震えながら身支度をしたり、帰宅してすぐに暖まりたいと感じたりするとき、カーボンヒーターの「速暖性」が真価を発揮します。
カーボンヒーターは、「炭素繊維(カーボン)」を熱源としています。炭素繊維は、電気を通すと瞬く間に高温になり、遠赤外線を効率よく放出する特徴があります。
遠赤外線は、まるで日差しを浴びたときのように、直接じんわりと熱を届けてくれるため、電源を入れるとすぐに「暖かい」と感じられるのです。
エアコンは部屋全体が暖まるまで時間がかかりますが、カーボンヒーターはピンポイントで必要な場所をすぐに暖められます。
朝の着替えやメイク中、キッチンでの作業中、あるいはデスクワークで足元が冷えるときなど、短時間だけ使いたい場所に置いておけば、すぐに快適な暖かさを手に入れられます。
急な温度変化によって体に負担がかかる「ヒートショック」対策としても有効で、特に冷え込みやすい脱衣所などで役立つのも嬉しいポイントです。
他の電気ストーブと比較して電気代が安い
暖房器具を選ぶうえで、電気代が気になる方も多いことでしょう。カーボンヒーターは遠赤外線を利用しているため即暖性に優れており、余分な出力に頼らず効率よく体を暖めることができます。
たとえば、同条件(電力単価31円/kWh、1日4時間×30日使用)で試算すると、ハロゲンヒーターやシーズヒーターは月4,000円前後かかるケースが多いのに対し、カーボンヒーターは強モード(900W)で約 3,348円、弱モード(450W)なら約1,674円と電気代を抑えられます。
また、カーボンヒーターは「消費電力が低め、モード切替で出力調整が可能」 という強みもあり、他の電気ストーブと比較しても電気代を安く抑えられるでしょう。
空気を汚さず、乾燥しにくい
冬の暖房で気になるのが、空気の汚れや乾燥です。特に、小さなお子さんやペットがいるご家庭では、ハウスダストの舞い上がりが気になることも多いでしょう。
その点、カーボンヒーターは電気で発熱し温風を出さない暖房器具なので、空気が汚れにくいと言えます。ファンを回して温風を出すエアコンやファンヒーターと違い、ホコリや花粉を巻き上げることがないため、アレルギーが気になる方にもおすすめです。
また、石油ファンヒーターのように燃料を必要としないので、嫌なニオイやガスが発生することもありません。温風を出さない仕組みは、部屋が乾燥しにくいというメリットももたらします。
「エアコンの温風で喉や肌が乾燥するの が苦手」という方も、カーボンヒーターなら安心して使いやすいです。
ただし、室内の湿度は季節や個人の体感によっても変わります。もし乾燥が気になるようであれば、加湿器との併用が有効です。
カーボンヒーターは、他の暖房器具に比べて乾燥しにくいという特徴はありますが、ご自身の体調に合わせて調整することをおすすめします。
カーボンヒーター使用時の注意点・デメリット
メリットの多いカーボンヒーターですが、部屋全体を暖めるには不向きです。デメリットをしっかり理解したうえで、賢く安全に使うことが大切です。
暖められる範囲には限りがある
カーボンヒーターは、遠赤外線で体や物を直接暖めることに優れていますが、暖められる範囲が限られているのが最大の弱点です。エアコンのように温風で部屋全体の空気を循環させるわけではないので、「部屋全体を暖めたい」という場合には向いていません。
仮に、カーボンヒーター1台だけで広いリビングを暖めようとすると、設定を「強」にしたり、長時間つけっぱなしにしたりすることになり、結果として電気代がかさむ可能性があります。
そのため、カーボンヒーターはあくまでもスポットでの暖房器具として使うのがおすすめです。寒い朝のキッチンで料理をする間だけ、デスクワークで足元が冷えるときだけなど、必要な場所をピンポイントで暖めたい場合に使いましょう。
エアコンと併用して部屋全体を暖めつつ、足元だけはカーボンヒーターで強化するといった使い方も効果的です。
火災発生の原因となる可能性がある
カーボンヒーターは火を使わないので安全だと思われがちですが、実は使い方を間違えると火災の原因になることがあります。
発熱部分が非常に高温になるため、燃えやすいものを近づけてはいけません。特に、カーテンや洗濯物、布団などがヒーターに触れないよう、十分な距離を確保しましょう。
小さなお子さんやペットがいるご家庭では、やけどやケガにも注意が必要です。転倒した際に、熱くなったヒーターに触れてしまったり、本体のガラス管が割れて破片でケガをしてしまったりする危険性も考えられます。
そのため、カーボンヒーターを置く場所は、人が頻繁に通る場所や不安定な場所を避け、壁際などできるだけ安全な場所に設置するように心がけましょう。
もしものときのために、自動で電源が切れる「転倒OFF機能」などが付いている製品を選ぶことも安心につながります。
カーボンヒーターの電気代を節約するポイント
「電気代を気にせずにもっと暖かく過ごしたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。カーボンヒータの使い方を少し工夫するだけで、電気代をぐっと抑えられます。
ここでは、今日からすぐに実践できる節約術を4つご紹介します。
- 他の暖房器具と上手に組み合わせる
- 設定温度を低めにする
- 省エネ機能がついた製品を選ぶ
- ご家庭に合った電力会社のプランに見直す
これらのポイントを参考に、賢く暖房器具を使って冬を乗り切りましょう。
広く暖めたい場合には他の暖房器具と併用する
カーボンヒーターは、必要な場所をピンポイントで暖める「スポット暖房」に特化した暖房器具です。そのため、リビングなど広い部屋全体を暖めるには不向きです。
部屋全体を暖めたいときにおすすめなのが、他の暖房器具との「併用」です。部屋の空気を暖めるエアコンと組み合わせることで、効率よく快適な室温環境を整えられます。
エアコンで部屋全体の温度を上げながら、足元だけはカーボンヒーターで暖めるといった使い方が効果的です。
「部屋が暖まるまではカーボンヒーターを使い、暖まったらエアコンのみに切り替える」といった方法を実践すると、無駄な電力消費を抑えられます。
設定温度を低めに設定する
暖房器具の電気代は、設定温度(出力)を高くすればするほどかさみます。これはカーボンヒーターも例外ではありません。電気代を節約したいのであれば、設定温度を必要以上に上げないことが大切です。
「でも、それでは寒くて我慢できない」と感じる方もいるかもしれません。その場合は、暖房器具だけに頼らず、部屋自体の断熱性を高める工夫を取り入れてみましょう。
窓からの冷気を防ぐために厚手の断熱カーテンに替えるだけでも、体感温度はぐっと上がります。また、窓に貼る断熱シートや床に敷く断熱ボードも、手軽にできる寒さ対策としておすすめです。
小さな断熱対策を重ねることで、暖房の設定温度を少し下げても快適に過ごせます。無理のない範囲で、できることから試してみてください。
省エネ機能があるヒーターを選ぶ
これからカーボンヒーターの購入を検討している方は、省エネ機能がついている製品を選びましょう。
たとえば「人感センサー」機能は、ヒーターの前に人がいないと自動で電源をオフにしてくれます。脱衣所やトイレなど、短時間しか使わない場所でのつけっぱなしを防ぐのに役立ち、無駄な電力の消費を抑えられます。
部屋の温度を感知して自動で運転を調整してくれる「温度センサー」付きのヒーターも便利です。必要以上に暖めすぎることがないため、適切な温度を保ちつつ節電にもつながります。
さらに、運転モードを細かく調整できる製品であれば、その時の状況に合わせて出力をコントロールできるため、無駄なく効率的に暖められます。初期コストは少し高くなるかもしれませんが、日々の電気代を考えると、お得な買い物になるかもしれません。
電力会社のプランを見直す
カーボンヒーターだけでなく、家全体の電気代が高いと感じている方は、電力会社や料金プランを見直すことが大きな節約につながります。
2016年に始まった電力自由化により、今ではたくさんの電力会社から、自身のライフスタイルに合ったプランを選べるようになりました。
電気代を安くするなら、電力会社ごとの単価を比較するだけでなく、付加サービスにも注目するのが賢い選び方です。たとえば、次のような特典がないかチェックしてみましょう。
電気料金の支払い額に応じてポイントが貯まるプランは、普段から利用しているポイントサービスと連携しているか確認しましょう。Vポイントやdポイント、楽天ポイントなど、身近なポイントが貯まる会社を選ぶと、よりお得です。
電気料金とガソリン代がセットで割引になるプランなど、ご家庭の状況に合わせてお得になるサービスがないか調べてみましょう。
万が一のトラブルの際に、24時間対応してくれるサポート窓口があるかどうかも大切なポイントです。
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たくさんの会社があってどれを選べばいいか迷ってしまう場合は、現在の電気の使い方を振り返り、ご家庭にぴったりのプランを見つけることから始めてみましょう。
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- 自分に合った電気料金プランをお探しの方
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お住まいの郵便番号や現在の契約プランなどを入力し、ENEOSでんきに切り替えた場合に、電気代がどのくらいお得になるのかをチェック!
効率よくカーボンヒーターを使って電気代を節約しよう
カーボンヒーターは、速暖性の高さや電気代の安さ、空気を汚さないという利点がある暖房器具です。
広い部屋全体を暖めるのではなく、必要な場所をピンポイントで暖める「スポット暖房」として使うこと、そして他の暖房器具と上手に組み合わせることが、電気代を抑える賢い使い方です。
それぞれの特徴を理解して、今年の冬は暖かく、そして家計に優しく過ごしましょう。
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