電気代やガス代の高騰が続くなか、2025年7月から9月にかけて電気・都市ガス料金の補助金「電気・ガス料金支援」が実施されました。
これにより一般家庭の光熱費負担は一時的に軽減されます。しかし、「補助金はいつからいつまでなのか」「どれくらい安くなるのか」といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、2025年9月時点まで実施されていた、電気代・ガス代補助金に関する情報をわかりやすく解説します。電気代・ガス代の補助金について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までチェックしてください。
電気代の補助金とは?
国による電気・ガス料金負担軽減支援事業の補助金として、2025年7月〜9月まで「電気・ガス料金支援」が再開されました。
この制度は、エネルギー価格高騰による家計負担を軽減するため、国が電力会社・ガス会社を通じて料金を一部値引きするものです。補助金の適用により、電気・ガス料金が安くなることが期待できます。
電気・ガス料金支援制度が再び実施された背景には、以下のような状況があります。
- 国際的なエネルギー価格の高騰により、日本国内でも電気・ガス料金が上昇した
- 円安傾向が続き、輸入燃料コストが増加した
- 夏場の猛暑で電力需要が急増し、家計の光熱費負担が大きくなった
- 家庭や中小企業を中心に、電気・ガス料金の負担を一時的に緩和する必要があった
なお、補助金が適用されるのは、電気と都市ガスを利用している下記の家庭や事業者です。
- 電気(低圧・高圧ともに対象)
- 都市ガス(家庭用および年間契約量1,000万m³未満の業務用が対象)
LPガス(プロパンガス)は対象外となります。
2025年7月から9月の電気・ガス料金支援【終了】
2025年7月から9月にかけて実施中の「電気・ガス料金支援」では、使用量に応じて電気・都市ガスの料金が自動的に値引きされます。
なお、2025年10月以降に電気・ガスの補助金が再開は未定です。
- 家庭300kWhで7月/600円・8月/720円・9月/600円の割引
- ガス20m³利用で7月/160円・8月/200円・9月/160円の割引
「7月使用分」とは7月中の検針日から8月中の検針日までの使用分を指します。
電気料金の値引額
電気料金の補助金は、契約形態によって低圧と高圧で値引き単価が異なります。2025年7月から9月使用分の値引き単価は以下のとおりです。
使用月 | 低圧契約(一般家庭など) | 高圧契約(企業など) |
2025年7月使用分 | 2.0 円/kWh | 1.0 円/kWh |
2025年8月使用分 | 2.4 円/kWh | 1.2 円/kWh |
2025年9月使用分 | 2.0 円/kWh | 1.0 円/kWh |
8月使用分は特に暑さのピークとなるため、他の月より値引額が少し高く設定されています。
以下の表は、家庭での使用量に応じた1カ月あたりの割引額です。使用量が増えるほど割引額も大きくなり、家計への効果がより実感できます。
電気使用量 | 7月使用分 | 8月使用分 | 9月使用分 |
100kWh | 200円 | 240円 | 200円 |
200kWh | 400円 | 480円 | 400円 |
300kWh | 600円 | 720円 | 600円 |
400kWh | 800円 | 960円 | 800円 |
500kWh | 1,000円 | 1,200円 | 1,000円 |
一般的な家庭(2〜3人世帯)では、1カ月あたりの使用量は約300kWhが目安です。9月使用分では、600円ほどの負担軽減が期待できます。
ガス料金の値引額
ガス料金も、都市ガス利用者を対象に1m³あたり一定額が割引されます。
使用月 | 都市ガス(低圧契約) |
2025年7月使用分 | 8.0 円/m³ |
2025年8月使用分 | 10.0 円/m³ |
2025年9月使用分 | 8.0 円/m³ |
以下の表は、月間の使用量ごとに見た割引額の目安です。特にガスの使用量が多くなる家庭では、1カ月あたり数百円から数千円の節約効果が期待できます。
ガス使用量 (m³) | 7月使用分 (8.0円/m³) | 8月使用分 (10.0円/m³) | 9月使用分 (8.0円/m³) |
10m³ | 80円 | 100円 | 80円 |
20m³ | 160円 | 200円 | 160円 |
30m³ | 240円 | 300円 | 240円 |
40m³ | 320円 | 400円 | 320円 |
50m³ | 400円 | 500円 | 400円 |
なお、1カ月あたりのガス使用量の目安は以下のとおりです。
- 1人暮らし:10〜20m³
- 2〜3人暮らし:20〜40m³
- 4人以上:40m³以上
補助金(電気・ガス料金支援)の適用には申請が必要?
「電気・ガス料金支援」は、利用者が特別な手続きをする必要はなく、契約している電力会社やガス会社が国から補助金を受け取り、その分を各家庭や事業者の請求額に反映する仕組みです。
補助金が適用されているかは、毎月届く請求書やWeb明細で確認できます。表示の仕方は電力会社・ガス会社によって異なりますが、値引きされていることがわかるように割引額が明確に記載されています。
詳しくは、ご利用中の電力会社・ガス会社にご確認ください。
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過去に実施された電気料金・ガス料金の補助金
電気・ガス料金の補助金は、エネルギー価格高騰に伴い、複数回実施されてきました。これまでに実施された補助金制度は次のとおりです。
- 2024年酷暑乗り切り緊急支援
- 2023年〜2024年の価格激変緩和対策
これらの制度は、家計や事業者の光熱費負担を軽減する役割を果たしてきました。特に猛暑や燃料高騰への対応として、期間限定で重点的に支援されてきたことがわかります。
ここでは、過去に実施された2つの制度を振り返ります。
【2024年】酷暑乗り切り緊急支援
2024年は記録的な猛暑となり、全国的に冷房需要が急増しました。電気使用量が増える一方で、電気料金の高騰が続いたことから、2024年8月から10月にかけて「酷暑乗り切り緊急支援」が実施されました。
この制度では、夏場の電力需要ピーク時における家計負担を軽減するため、一定期間にかぎり電気料金を値引きしました。
実施期間 | 2024年8月使用分~10月使用分 |
---|---|
対象エネルギー | 電気、都市ガス |
申請方法 | 手続き不要で、小売事業者を通じて自動的に値引き処理 |
【電気】低圧および、高圧が対象。特別高圧は対象外。
【ガス】年間契約量が1000万㎥以上の企業等は対象外 。発電事業者向けの販売量は除く。
※「8月使用分」とは8月中の検針日から9月中の検針日までの使用分を指します。
なお、電気料金の値引き単価は以下のとおりです。
使用月 | 電気 | 都市ガス | |
低圧 | 高圧 | ||
2024年8〜9月 | 4.0円/kWh | 2.0円/kWh | 17.5円/m³ |
2024年10月 | 2.5円/kWh | 1.3円/kWh | 10.0円/m³ |
たとえば、低圧・使用量400kWh/月の場合の電気料金の値引き額は以下のようになります。
- 8〜9月使用分:400×4.0=1,600円/月の値引き
- 10月使用分:400×2.5=1,000円/月の値引き
2023年〜2024年の価格激変緩和対策
2023年1月から2024年5月までの約1年半にわたり、「電気・ガス価格激変緩和対策」が全国で実施されました。
世界的な燃料価格の高騰を背景に、電気・ガス料金が急激に上昇したことを受けて、国が長期的な支援を行ったものです。
実施期間 | 2023年1月使用分~2024年5月使用分 |
---|---|
対象 | 一般家庭(低圧契約)および事業者(高圧契約) ※特別高圧は除く |
対象エネルギー | 電気、都市ガス |
申請方法 | 手続き不要で、小売事業者を通じて自動的に値引き処理 |
電気料金の値引き単価は以下のとおりです。
使用月 | 電気 | 都市ガス | |
---|---|---|---|
低圧 | 高圧 | ||
2023年1〜8月 | 7.0円/kWh | 3.5円/kWh | 30円/m³ |
2023年9~2024年4月 | 3.5円/kWh | 1.8円/kWh | 15円/m³ |
2024年5月 | 1.8円/kWh | 0.9円/kWh | 7.5円/m³ |
この制度は電気と都市ガス両方に対して補助金が適用され、家庭だけでなく中小企業や店舗など幅広く支援が行われました。
補助金以外の光熱費の節約方法
電気代・ガス代は、補助金で一時的に下がっても、制度終了後に再び上昇する可能性があります。
そのため、日常生活の中でできる節約術や電力・ガス会社の見直しがとても重要です。
ここでは、電気代とガス代の節約方法を詳しく解説します。ライフスタイルを大きく変えずに無理なく節約する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
電気代を節約する方法
電気代を削減するには、次の3つの視点がポイントです。
1. 家電の使い方を工夫する
- エアコンは冷房設定温度を28℃前後に、暖房は20℃を目安に設定する
- エアコンのフィルターは月1回掃除し、効率を維持
- サーキュレーターで空気を循環させて効率を高める
- 冷蔵庫は詰め込みすぎない、扉の開閉を減らす
- 照明はLEDに切り替え、不要な照明はこまめに消す
- 待機電力を減らすため、使わない家電はコンセントを抜く
- 電気ポットは必要な分だけお湯を沸かす
2. 生活習慣を見直す
- 洗濯はまとめて行い、節水・節電モードを活用する
- 乾燥機は極力使わず、天日干しを基本にする
- 炊飯器の保温時間は短くし、余ったご飯は冷凍保存する
- お風呂は追い焚きを減らし、シャワー時間を短縮する
3. 省エネ家電へ買い替える
- 古いエアコンや冷蔵庫は消費電力が高いため、省エネ性能の高い製品に買い替える
- 購入時は「省エネラベル」を参考に選ぶ
電力・ガス会社の乗り換えで節約
光熱費を根本から見直すには、電力会社やガス会社の乗り換えも効果的です。自分の家庭に合った料金プランを選ぶことで、年間で数千円から数万円の節約が期待できます。
今回は、電力会社を乗り換える場合の効果や手続き方法、注意点をまとめました。ガス会社の乗り換えも大きくは変わりませんが、開栓の立ち合いなどが必要となります。
【電力会社乗り換えの効果】
- 自分の使用状況に合った料金プランを選べる
- 基本料金や単価が安い会社を選べば、毎月の固定費を下げられる可能性がある
- ポイント還元やキャンペーンを活用できる場合もある
【乗り換えの手順】
- 現在の電気使用量を請求書やWeb明細で確認する
- 複数社の料金プランを比較する
- 新しい電力会社を選び、Webまたは電話で申し込む
なお、旧電力会社との解約は利用者が手続きする必要がないため、手間がかかりません。
引越しによる乗り換えの場合、旧居で契約している電力会社への解約手続きが必要です。
【会社選びのポイント】
- 基本料金と従量料金のバランスを確認する
- 契約期間や解約手数料がないかをチェックする
- ポイント還元やセット割など付加価値も比較する
【乗り換えをする場合の注意点】
- 支払い方法が限られている場合がある
- 契約期間中に解約すると違約金が発生する場合がある
- 寒冷地などではガス会社も合わせて検討する必要がある
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電気代補助金を上手に活用して、電気代を抑えよう!
2025年7月から9月にかけて実施されている電気・ガス料金の補助金制度は、エネルギー価格高騰による家計負担を一時的に和らげるためのものです。この制度により、電気代やガス代は自動的に割引されるため、特別な手続きなしで家計にプラスの効果が期待できます。
しかし、補助金はあくまで期間限定の支援策です。補助金が終了すれば、再び光熱費が上昇する可能性があります。補助金の恩恵を受けながらも、今のうちに節約術の実践や電力・ガス会社の見直しなど、長期的に家計を守る準備を進めていきましょう。

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