50アンペアの基本料金はいくらかかるのか、知らない方も少なくないでしょう。実は、契約する電力会社によって料金に違いがあります。
そこで今回は、電力会社ごとの50アンペアの基本料金はもちろん、自宅に最適なアンペア数の計算方法や選び方なども紹介します。50アンペアの電気契約を検討している方は、 ぜひ参考にしてください。
自宅にあった電力会社を選べば、電気代がお得になる可能性があります。
アンペアとは?
アンペア(A)とは、1度に流れる電流の単位を表します。自宅では、同時に利用できる電気の上限にかかわってくる数字です。アンペア数が高いほど、一度に多くの電気を流すことができます。
たとえば50アンペアで電力契約を結んでいる場合、50アンペア以内であれば自由に家電を利用できます。しかし50アンペアを超える電力を使用すると、ブレーカーが落ちてしまうのです。
家電ごとに消費電力は決まっており、少ないものから多いものまでさまざまです。そのため「使用している家電の数多いからブレーカーが落ちやすい」「少しの家電しか家電使用していないからブレーカーは落ちない」といったことはありません。
50アンペアの基本料金はいくら?
おもな電力会社で50アンペアの電気契約を結ぶと、基本料金はいくらになるのかご紹介します。
参考までに、 ENEOS Power株式会社が提供する「ENEOSでんき」で同じプランを契約した場合の料金も併記しております。
地域の電力会社のプラン名 | 地域の電力会社 50A | ENEOSでんき(Vプラン) 50A | |
|---|---|---|---|
北海道電力 | 従量電灯B | 2,090.00円 | 2,090.00円 |
東北電力 | 従量電灯B | 1,848.00円 | 1,848.00円 |
東京電力EP | 従量電灯B | 1,558.75円 | 1,558.75円 |
中部電力ミライズ | 従量電灯B | 1,605.70円 | 1,603.90円 |
北陸電力 | 従量電灯B | 1,512.50円 | 1,512.50円 |
九州電力 | 従量電灯B | 1,581.20円 | 1,578.95円 |
価格は税込み表示です。
電気料金は、基本料金の他に電力量料金・燃料費調整額・再生エネルギー発電促進賦課金が加算され計算されます。
基本料金が割安でも、ご使用状況やご契約内容によって、おトクにならない場合がございます。
2025年11月時点(執筆時)
基本料金は、契約アンペア数が高いほど高くなる仕組みです。これは、地域の電力会社と新電力会社の電気料金プランのどちらにおいても基本的に共通しています。アンペア数が低いほど基本料金は安くなり、高くなるほど基本料金も高く設定されています。
50Aの基本料金の具体的な目安を見てみましょう。地域の電力会社で最も契約者の多い「従量電灯B」プランの場合、 東京電力EPでは1,558.75円、中部電力ミライズでは1,605.70円が基本料金として固定でかかります。
一方、ENEOSでんきの「Vプラン」で同じ50Aを契約した場合、東京エリアでは1,558.75円、中部エリアでは1,603.90円です。ENEOSでんきは地域の電力会社の基本料金と同額もしくは、割安に設定されていることがわかります。
地域にもよりますが、電力会社によっても契約アンペアごとの基本料金は異なります。なお、関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力は最低料金制をとっているため、アンペアに応じた基本料金の設定はありません。
他のアンペア数(40A・60A)との比較
参考までに、40アンペア・60アンペアの基本料金を見てみましょう。
電力会社 | プラン名 | 40アンペアの料金 | 50アンペアの料金 | 60アンペアの料金 |
|---|---|---|---|---|
北海道電力 | 従量電灯B | 1,672.00円 | 2,090.00円 | 2,508.00円 |
東北電力 | 従量電灯B | 1,478.40円 | 1,848.00円 | 2,217.60円 |
東京電力EP | 従量電灯B | 1,247.00円 | 1,558.75円 | 1,870.50円 |
中部電力ミライズ | 従量電灯B | 1,284.56円 | 1,605.70円 | 1,926.84円 |
北陸電力 | 従量電灯B | 1,210.00円 | 1,512.50円 | 1,815.00円 |
九州電力 | 従量電灯B | 1,264.96円 | 1,581.20円 | 1,897.44円 |
電力会社を問わず、契約アンペア数が低くなれば基本料金が安くなり、高くなれば同様に基本料金も比例します。
たとえば、東京電力EP(従量電灯Bプラン)の場合、40アンペアなら1,247.00円であるのに対し、60アンペアでは1,870.50円と高くなります。この傾向は、ENEOSでんきでも同様です。
電力会社 | 40アンペアの料金 | 50アンペアの料金 | 60アンペアの料金 |
|---|---|---|---|
北海道エリア | 1,672.00円 | 2,090.00円 | 2,508.00円 |
東北エリア | 1,478.40円 | 1,848.00円 | 2,217.60円 |
東京エリア | 1,247.00円 | 1,558.75円 | 1,870.50円 |
中部エリア | 1,283.12円 | 1,603.90円 | 1,924.68円 |
北陸エリア | 1,210.00円 | 1,512.50円 | 1,815.00円 |
九州エリア | 1,263.16円 | 1,578.95円 | 1,894.74円 |
価格は税込み表示です。
電気料金は、基本料金の他に電力量料金・燃料費調整額・再生エネルギー発電促進賦課金が加算され計算されます。
2025年11月時点(執筆時)
契約アンペア数が大きいと基本料金は高くなる
ここまで紹介したとおり、契約するアンペア数が多くなるほど基本料金は高くなります。電気料金を抑えるなら、自宅にあったアンペア数の電気契約を結びましょう。
ただし「電気代が安いから」とアンペア数を下げるのはおすすめできません。契約しているアンペア数が少ないと、電気代は安くなりますが、1度に利用できる家電数が制限されてしまうからです。
電気代を節約するなら、契約するアンペア数を下げるよりも、電力会社を乗り換えることをおすすめします。

ENEOSでんきは、地域の電力会社と比較すると電力量料金単価が割安に設定されています。電気使用量が多い家庭ほどお得に利用できるプランです。いくらお得になるか電気料金シミュレーションで確認しましょう!
50アンペアに収まる家電使用状況
おもな家電と使用するアンペア数、50アンペア以内に収まる家電の使用状況例をご紹介します。
なお、ここで紹介しているアンペア数は、あくまで一般的な目安です。商品によってアンペア数が前後する可能性があります。
製品名 | アンペア |
|---|---|
エアコン(起動時:暖房) | 20A |
エアコン(起動時:冷房) | 14A |
アイロン | 14A |
ドラム式洗濯乾燥機(乾燥時) | 13A |
ドライヤー | 12A |
電気ケトル | 11A |
掃除機 | 10A |
電気カーペット | 8A |
エアコン(通常:暖房) | 7A |
エアコン(通常:冷房) | 6A |
こたつ | 5A |
テレビ | 3A |
照明 | 1A |
50アンペア以内に収まる家電の使用例は、下記のとおりです。
- 47A=エアコン起動時:暖房(20A)+ドラム式洗濯乾燥機(乾燥時)(13A)+掃除機(10A)+テレビ(3A)+照明(1A)
- 44A=エアコン起動時:冷房(14A)+アイロン(14A)+ドライヤー(12A)+テレビ(3A)+照明(1A)
- 31A=エアコン通常:冷房(6A)+掃除機(10A)+電気ケトル(11A)+テレビ(3A)+照明(1A)
50アンペアで契約すれば、同時に複数の家電を使用していても比較的アンペア数には余裕があることが分かります。
ただしエアコンを複数台起動するなど、家族構成や家の部屋数によっては50アンペアでもブレーカーが落ちるケースが考えられます。自宅にあった契約アンペア数を見極めることが大切です。
自宅に最適なアンペア数の計算方法・選び方

自宅にあったアンペア数を計算する方法や選び方をご紹介します。
- 使用している 家電の消費電力を確認
- 世帯人数から選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
使用している家電の消費電力を確認
契約するアンペア数を選ぶうえでおすすめの方法は、使用する家電の消費電力を確認し、そこから必要になるアンペア数を計算することです。
アンペア数の大きさは、同時に使用できる家電数の上限と比例します。
「ブレーカーが頻繁に落ちてしまう」といった事態にならないよう、実際に使用している家電から使うアンペア数を割り出しましょう。ほとんどの場合、製品の説明書や側面に貼ってあるシールに、その家電の消費電力(ワット:W)が記載されています。
アンペア(A)=ワット(W)÷ボルト(V)
1400Wの消費電力を持つ電子レンジ(家庭用は100V)なら、1400W÷100V=14Aの電流が必要です。
実際に同時に使う可能性が高い家電(例:朝のドライヤー、電子レンジ、エアコン)のアンペア数を合計し、それに少し余裕を持たせたアンペア数だと安心です。
ただし、契約アンペア数が大きすぎると基本料金が高くなるため、無駄のない適切な契約アンペアを選ぶようにしましょう。
世帯人数から選ぶ
使用している家電を1つずつ調べてアンペア数を計算する方法は、正確ではありますが手間と時間がかかります。「ざっくりとしたアンペア数の目安が知りたい」という方は、世帯人数をもとに考える方法もおすすめです。
世帯人数ごとの契約アンペア数の目安は、下記のとおりです。
世帯人数が多いほど、同時に使用する家電の数が増えるため、一般的に必要なアンペア数も増える傾向にあります。
世帯人数 | 契約アンペア数の目安 |
|---|---|
1人 | 20~30A |
2~3人 | 30~40A |
4人 | 40~50A |
5人以上 | 50~60A |
上記の数字はあくまで目安です。家庭に家電が多い場合や、エアコンや電子レンジ、電気ケトルなど高アンペアの機器を多用する場合は、ブレーカーが落ちないように、目安よりもワンランク上のアンペア数に余裕を持っておく方が安心です。
逆に、日中はほとんど家電を利用しないなど、電気使用量が少ない場合は、上記よりも少ないアンペア数で問題ない場合もあります。この目安を参考に、ライフスタイルに合わせて最適な契約を選びましょう。
ENEOSでんきでは、一般家庭向けやオール電化住宅向けなど、ライフスタイルに合った豊富な電気料金プランをご用意しています。電気を切り替えると電気代がいくらお得になるのかシミュレーションしてみましょう!
契約中のアンペア数の調べ方
「現在どれくらいのアンペア数で契約しているのか確認したい」という方は、下記の方法を試してみてください。
- 分電盤を確認する
- 検針票を確認する
分電盤とは、複数のブレーカーが設置されているボックス状の装置です。一般家庭では、洗面所や玄関の上部などに配置されています。
分電盤のブレーカーにアンペア数が記載されているため、確認してみましょう。電力会社によっては色によって、アンペア数を確認できます。
たとえば、東京電力の場合「黄色なら20A」「緑なら30A」となっています。ただし電力会社によって対応するアンペア数と色は異なるため、注意が必要です。
検針票(電気使用量のお知らせ)にも、契約中のアンペア数が記載されています。近年はオンラインで確認できるサービスも多いため、手軽に調べやすくなっています。現在の契約状況を確実に把握したい方は、チェックしてみましょう。
契約アンペア数に関連して電気代を節約する方法
契約アンペア数が大きいほど、毎月の基本料金は高くなります。そのため、家庭で使う電力量に合わせて契約容量を調整することが、電気代を抑えるポイントです。
節約につなげるためには、次の3つを意識してみましょう。
- 家電の使い方を見直す
- 契約アンペア数を下げる
- 電力会社とプランを見直す
それぞれの方法を詳しく解説します。
家電の使い方を見直す
「そんなことは知っている」と思うような小さな工夫でも、意外と節電効果があります。
たとえば、電子レンジやドライヤーなどを同時に使わないようにするだけで、ブレーカーが落ちにくくなり、契約アンペア数を上げずに済むこともあります。
また、使っていない家電のコンセントを抜く、部屋を出るときに照明を消すなど、当たり前のことを丁寧に続けることが、電気代の節約につながります。
契約アンペア数を下げる
家電を同時に使うことが多い家庭では、契約アンペア数が高く設定されている場合があります。アンペア数が大きいほど基本料金も上がるため、使い方を工夫して必要な容量を下げることで、電気代を節約できます。
たとえば、夕食時にエアコン・電子レンジ・ドライヤーを同時に使わない、など家族で少し意識を合わせることで、無理なく毎月の電気代を抑えられます。また、多くの電力会社では、アンペア数の変更は無料で行える場合がほとんどです。一度見直してみると基本料金のムダを減らせるかもしれません。
電力会社とプランを見直す
契約している電力会社と電気料金プランを見直すことでも、電気代が安くなる可能性があります。2016年4月1日以降、電力の小売りが全面的に自由化しました。そのため、各地域の電力会社だけでなく、他業種の企業が電力事業に参入できるようになったのです。
現在では「ENEOSでんき」など、各地域の電力会社よりもお得な電気プランを提供している事業者が多くあります。電力会社や電気料金プランを見直すことで、家電製品の使い方を今までと変えなくても、電気代がお得になる可能性があります。

ENEOSでんきは、地域の電力会社と比較すると電力量料金単価が割安に設定されています。電気使用量が多い家庭ほどお得に利用できるプランです。いくらお得になるか電気料金シミュレーションで確認しましょう!
50アンペアの電気代を効率的に節約しよう!
50アンペアは、4人暮らし程度のファミリー世帯や、家電が多い家庭の目安となる契約容量です。ご自身の生活スタイルと照らし合わせ、適切なアンペア数を選ぶことが、電気代節約の第一歩となります。
また、毎月固定でかかる基本料金をいかに抑えるかも重要です。
地域の電力会社と同様のアンペア制をとりながらも、基本料金を割安に設定しているENEOSでんきなどに切り替えることで、契約容量に不満を覚えず、効率的な節約が実現できます。ご自身に合った会社やプランを選択しましょう。
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