「夜、電気をつけたまま寝てしまった」「朝、電気を消し忘れたまま家を出た」「旅行中、電気をつけっぱなしにしてしまった」など、うっかりつけっぱなしにしてしまうことはありませんか。そんな時に気になるのが電気代です。
そこでこの記事では、照明をつけっぱなしにした場合にどれくらい電気代がかかってしまうのかや、電気のつけっぱなしを防ぐ方法や節約方法について解説します。電気代が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
電気をつけっぱなしにしたときの電気代はどれくらい?
LED照明、蛍光灯、白熱電球の3種類の照明器具をつけっぱなしにした場合の電気代を比較します。
電気代が最も抑えられるのはLED照明です。1時間あたりの電気代は約1円、1カ月つけっぱなしにした場合の電気代は約759円、1年で約9,233円になります。寿命も白熱電球や蛍光灯よりも長いため、経済的です。
LED照明が普及する以前、主流だった蛍光灯の電気代は3種類のなかで最も高く、1時間あたりの電気代は約2円です。1カ月つけっぱなしにすると約1,518円、1年間だと18.478円になり、LED照明と比較すると1カ月で約750円、年間で約9,000円以上の差が出ます。
白熱電球は蛍光灯ほどではありませんが、LED照明よりも約1.5倍の電気代がかかってしまいます。本体価格はLED照明よりも安く購入できる一方、寿命が短く消費電力も大きいというデメリットもあるため、全体的に見てもLED照明のほうが節電効果は高いでしょう。
電気代は照明の種類によって大きな差が出るので、まずは部屋で使用している照明を確認してみてください。
LED照明 | 蛍光灯 | 白熱電球 | |
|---|---|---|---|
1時間 | 1.05円 | 2.11円 | 1.67円 |
1カ月 | 758.88円 | 1,517.76円 | 1,205.28円 |
1年 | 9,233.04円 | 18,478.48円 | 14,664.24円 |
1時間あたりの照明にかかる電気代の算出方法電気代(円)=消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×電力量料金単価(円/kWh)
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
LED照明をつけっぱなしにした際の電気代は1時間あたり1.05円
一般的なLED照明シーリングライトの消費電力は34Wです。こちらも、つけっぱなしにした場合の電気代を、使用時間ごとに見てみましょう。
電気代 | |
|---|---|
1時間 | 1.05円 |
1カ月 | 758.88円 |
1年 | 9,233.04円 |
1日=24時間、1カ月=24時間×30日、1年=24時間×365日で計算
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
LED照明は蛍光灯よりも消費電力が少ないため、1時間あたり約1円、1カ月だと約759円、1年間つけっぱなしにした場合、約9,233円です。蛍光灯をつけっぱなしにした時と比べると、およそ半分の電気代で済みます。
照明は日常的に多く使用する家電の1つです。つい電気をつけっぱなしにしてしまう方や、部屋数が多い家庭では、使用する照明をLED照明に取り替えるだけでも電気代の節約になるでしょう。
蛍光灯をつけっぱなしにした際の電気代は1時間あたり2.11円
資源エネルギー庁が公表している資料によると、一般的な蛍光灯シーリングライトの消費電力は68Wです。この数字をもとに、蛍光灯シーリングライトをつけっぱなしにした場合の電気代を紹介します。
電気代 | |
|---|---|
1時間 | 2.11円 |
1カ月 | 1,517.76円 |
1年 | 18,478.48円 |
1日=24時間、1カ月=24時間×30日、1年=24時間×365日で計算
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
1時間ほど電気をつけっぱなしにすると、電気代は約2です。1カ月だと約1,518円、1年間では約18,478円かかります。
しかし、こまめに照明を消すなど節電を心がけることで、不要な電気代を削減できます。たとえば、仕事で外出するときに電気の消し忘れを防ぐことで、1日あたり約20円の節約が可能に。
また、夜に電気をつけたまま寝ないようにすると、1回あたり16.88円(1時間あたりの電気代2.11円×8時間とした場合)の節約ができます。日々の電気代としては大きい金額ではないものの、1カ月あたり、1年単位で考えると数千円単位の無駄を省けます。
白熱電球をつけっぱなしにした際の電気代は1時間あたり1.67円
最後に、白熱電球を使用している場合の電気代を見てみます。一般的な白熱電球の消費電力は54Wです。
電気代 | |
|---|---|
1時間 | 1.67円 |
1カ月 | 1,205.28円 |
1年 | 14,664.24円 |
1日=24時間、1カ月=24時間×30日、1年=24時間×365日で計算
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
白熱電球をつけっぱなしで使用した場合、電気代は1時間あたり約1.7円、1カ月だと約1,205円、1年で約14,664円かかります。蛍光灯よりも電気代はやや抑えられますが、LED照明と比較すると1.5倍ほど電気代がかかる計算です。
白熱電球は本体の価格がLED照明より安いものの、エネルギー効率が悪いため消費電力が大きく、寿命も短いという特徴があります。また後述しますが、白熱電球は既に販売を終了しているため、今から新しいものを入手するのは困難です。
月々の電気代を考えると、白熱電球を使用するメリットは少なく、LED照明に買い替えたほうがよいでしょう。
ENEOSでんきでは、一般家庭向けやオール電化住宅向けなど、ライフスタイルに合った豊富な電気料金プランをご用意しています。電気を切り替えると電気代がいくらお得になるのかシミュレーションしてみましょう!
LED照明・蛍光灯・白熱電球だとLED照明が最もお得
照明器具の種類別に電気代を比較すると、LED照明を使用した場合の電気代が最も安く済みます。
たとえば買い物などで1時間ほど電気をつけっぱなしで外出した場合、LED照明では約1円、白熱電球は約1.7円、蛍光灯は約2円かかります。
1時間ほどではわずか1円の差と感じるかもしれませんが、1カ月、1年単位で考えると白熱電球はLED照明の約1.5倍、蛍光灯は約2倍。白熱電球とLED照明では年間5,000円以上、蛍光灯とLED照明では年間9,000円以上の差が生まれます。
LED照明は、蛍光灯や白熱電球よりも本体価格が2〜3倍ほど高くなります。しかし、消費電力や寿命による買い替え費用など、長期間使用した場合のトータルコストで考えると、最もコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
環境負荷の低減や省エネルギー化を目的に、照明業界全体でLED照明への切り替えが進んでいます。 実際、白熱電球はすでに生産・販売が終了しており、蛍光灯も2027年度末をもって販売が停止される予定です。
そのため、現在も白熱電球や蛍光灯を使用している家庭では、いずれにしてもLED照明への交換が必要になります。
LED照明は消費電力が少なく寿命も長いため、電気代の節約やメンテナンスの手間を減らすうえでもメリットが大きいと言えます。まだ従来型の照明器具を使っている場合は、この機会に早めのLED照明化を検討しておくとよいでしょう。
電気のつけっぱなしを防ぐための方法

ここまで照明の種類別で電気代の比較をしてきましたが、電気のつけっぱなしは電球の種類にかかわらず、無駄な電気代がかかってしまいます。
電気をつけっぱなしにしないことが一番の節約方法ですが、「どうしても照明を消し忘れて、つけっぱなしにしてしまう」という方もいるのではないでしょうか。
そこで、電気のつけっぱなしを防ぐ方法をご紹介します。
人感センサーを使う
人感センサーとは、人の動きを感知して自動で照明をON/OFFする機能のことです。この仕組みを取り入れることで電気のつけっぱなしを防ぎ、無駄な電気代を自然に抑えられます。
リビングや子ども部屋の照明に導入すれば、くつろぎ中や子どもの出入りにも自動で反応し、必要なときだけ照らしてくれるため便利です。また、廊下やトイレ、洗面所など、消し忘れが起きやすい場所にも設置すれば、人がいないときは自動で消灯し、ボタン操作の手間も省けます。
さらに玄関や庭に設置すれば、帰宅時に自動で足元を照らしてくれるほか、不審者の侵入を光で知らせるなど防犯面でも役立ちます。毎日の暮らしの中で電気を“必要なときだけ使う”仕組みをつくることで、無理なく電気代の節約ができるようになります。
タイマー機能を使う
つい照明を消し忘れてしまう方は、タイマー機能を活用して「自動で消灯する仕組み」をつくっておくと安心です。 最近では、リモコンやスマートプラグを使って「一定時間後に自動で消灯」できるシーリングライトなどが増えています。
一定時間が経過すると自動で消灯するよう設定できるため、寝る前に設定しておけば、うっかり電気をつけたまま寝てしまうことも防ぐことができ、電気代の無駄を減らせます。
照明器具そのものにタイマー機能がなくても、コンセントやリモコン式のタイマーを後付けで使うことが可能なため、積極的に活用してみましょう。
IoT機器で消灯設定をする
近年は、照明器具にもIoT( Internet of Things:モノのインターネット)技術が広がり、スマートフォンのアプリから照明のON/OFFを遠隔操作できるようになりました。あらかじめ「就寝時間に自動で消灯」「外出後30分でOFF」など、時間帯や条件を設定しておけば、つけっぱなしを防ぐことができます。
こうしたIoT照明は、特別な機器ではなく一般家庭でも手の届く価格帯で導入できるものが増えています。外出先から照明の消し忘れを確認できるほか、帰宅前に明かりをつけておくこともでき、生活の利便性も高まります。手間をかけずに節電を続けられる、現実的で取り入れやすい省エネ対策のひとつです。
照明器具の消費電力は意外と多い

「照明器具の消費電力なんて、大したことはないだろう」と思っている方もいるかもしれません。しかし、実は照明器具の消費電力は意外と多いものです。
たとえば、LED照明シーリングライト(〜10畳)の消費電力は28.8〜50.5W、ペンダントライトは29〜51Wです。これらの照明の消費電力は、一般的な冷蔵庫(中型サイズ)の1時間あたりの平均消費電力30W~70W程度(年間消費電力量から算出)と同等レベルの消費電力になる場合も。照明単体で見れば小さくても、常時稼働している白物家電に匹敵する電力を消費しているのです。
また、エアコン冷房(10畳用)の470〜850Wと比較すると少なく見えますが、複数の部屋で複数個同時に照明を使用することもあります。そのため、複数の照明器具をつけっぱなしにすることで、エアコンに匹敵するほどの消費電力を無駄に消費している可能性もあるのです。
電気・照明の電気代を節約するためのコツ
毎日欠かさず使う照明は、工夫次第で大きな節約につながります。ここでは、電気代を抑える4つのコツをご紹介します。
- LED照明を使う
- こまめに掃除する
- 調光・調色をシーンに合わせて点灯する
- 電力会社や電気料金プランを見直す
どれも手軽に始められる方法ばかりです。順に詳しく見ていきましょう。
LED照明を使う
ここまで紹介したとおり、電気代を節約するならLED照明の導入が効果的です。
LED照明は蛍光灯や白熱電球と比べて消費電力が少なく、同じ明るさでも電気代を安く抑えられます。さらに寿命も長いため、交換の手間も減らせます。
特にリビングやキッチンなど、照明を長時間使う場所に導入すれば、月々の電気代に目に見える違いが出るはずです。
毎日欠かさず使う照明だからこそ、エネルギー効率の高いLED照明を選ぶことが、確実な節約の第一歩と言えるでしょう。
こまめに掃除する
照明ランプやカバーにホコリや汚れが付着すると、光が遮られて明るさが2〜3割程度低下することがあります。その結果、「部屋が暗い」と感じて照度を上げてしまい、実際には不要な電力を消費してしまうケースも少なくありません。
特に無段階調光機能のある照明では、汚れによる明るさの低下を補おうとして設定を上げてしまう傾向があるため、こまめな掃除が電気代の節約につながります。
また掃除が終わった後は、光の強さの設定を見直すことも大切です。掃除が終わった後も調光を変えずにいると、照明が強すぎてしまい、余計な電気を消費してしまいます。
照明ランプやカバーを掃除した後は、調光機能を活用し、節電しつつ快適に過ごせるような明るさに照明を設定しましょう。
調光・調色をシーンに合わせて点灯する
実は、照明の明るさや色味を調整することも節約方法のひとつです。近年は調光・調色ができるシーリングライトが増えており、リモコンやスマホ操作で簡単に明るさを変えられるようになりました。
たとえば集中したい時は昼光色、リラックスしたい時は電球色にするなど、シーンに合わせた調光・調色を行うことで、節電だけでなく過ごしやすさも向上するはずです。シーンごとにおすすめの調光・調色をご紹介します。
- 朝:昼光色(100%)
- 昼:外光+昼白色(50%)
- 夜:電球色(100%)
- 就寝前:電球色(50%)
昼光色とは、少し青っぽい白色の光のことです。太陽光と同じような色合いのため、活力が湧き集中力が高まると言われています。
一方の電球色は、電球のような温かみのある、オレンジっぽい色の光のことです。夕焼けに近い色合いで、リラックスモードに入りやすい光と言われています。
このように時間帯やシーンに合わせて明るさを調整すれば、照明を常に最大出力で使う必要がなくなり、快適さを保ちながら自然に節約できるようになります。
調光・調色機能や、自動調節機能等の有無は商品によって異なります。
電力会社や電気料金プランを見直す
電気代が高いと感じている方は、電力会社や料金プランの見直しも検討してみましょう。
2016年の電力自由化以降、一般家庭でもさまざまな電力会社を自由に選べるようになりました。そのため、使用量やライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、同じ電気使用量でも電気代を抑えられる場合があります。
見直しの際は、単純に「基本料金が安い」だけで判断せず、電力量料金単価やサポート体制、ポイント還元・ガソリン代割引などの付加サービスにも注目しましょう。電気料金と特典など総合的に比較することで、長期的に見て本当にお得なプランを選ぶことができます。
たとえば、普段から車をよく使う家庭であればガソリン割引が実質的な節約につながりますし、ポイント還元をうまく活用すれば、日常の買い物での還元額も大きくなります。サポートの充実度も、安心して契約を続けるための重要なポイントです。
電気のつけっぱなしを防いで電気代を節約しよう!
本記事では電気のつけっぱなしを防ぐ方法や電気代の節約方法について解説しました。LED照明であれば、蛍光灯や白熱電球よりも電気代を節約できますが、つけっぱなしを防ぐ仕組みがあればもっと節約できるようになります。
LED照明を導入するだけでなく、IoT機器の活用や電力会社の乗り換えを検討するなど、実施しやすい節電の方法を試してみましょう。
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