冬になって電気代が急に高くなる! という経験をした方は少なくないはず。中には「エアコンの暖房を使いすぎたのが原因かも」と思った人もいらっしゃるでしょう。しかし、実際どれくらいの暖房費がかかっているのでしょうか?
そんな疑問を解消すべく、エアコンの暖房の電気代や、他の暖房器具との比較も紹介。さらに、暖房費の節約術も解説します。
エアコンの暖房の電気代はどれくらい?
エアコンを暖房に使用した際の電気代は、一概には言えません。エアコンのモデルや対応する畳数、設定温度、外気温との差、部屋の環境性能などによって消費電力に差が生じ、契約する電力会社・プランによって1kWh(キロワットアワー)あたりの電気代も異なるからです。
そうは言っても、目安となるエアコン暖房の電気代は算出できます。エアコンをはじめ、家電製品の1時間あたりの電気代は「消費電力÷1000×1h×電気料金単価」で計算可能。この式を元に、電気代を試算してみましょう。
消費電力は、経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2024」に記載されたエアコン暖房の平均値を使用。電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が示す「新電力料金目安単価」の31円/kWhで、計算してみました。
畳数 | 暖房消費電力の平均 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
6畳 | 484W | 約15円 |
8畳 | 572W | 約18円 |
10畳 | 792W | 約25円 |
12畳 | 1,017W | 約31円 |
14畳 | 1,257W | 約39円 |
18畳 | 1,754W | 約54円 |
20畳 | 1,825W | 約57円 |
23畳 | 2,309W | 約72円 |
26畳以上 | 2,756W | 約85円 |
ただし、上記はJIS規格によって定められた定格消費電力です。これは、電化製品が持つ機能や設定を最大限に活用した場合の最大消費電力を表します。
ただ、エアコンの電気使用量は一定ではありません。設定温度に達すると消費電力を抑えるなど、使用状況によって変動します。実際の電気代とは異なるため、そういった意味でも、目安程度に留めておきましょう。
エアコンの電気代は冷房より暖房のほうが高い
エアコンの暖房は、一般的に冷房より電気代が高くなります。暖房を使用する冬場の方が、冷房を使う夏場より大きな電力を必要とするケースが多いからです。
例えば、外気温が35℃の日に冷房で室温を28℃程度にする場合、部屋を7℃冷やす必要があります。一方、外気温が5℃の日に暖房で室温を20℃にするには、部屋を15℃も暖かくしなければなりません。
このように、暖房使用時は冷房使用時よりもエアコンの設定温度と外気の温度差が大きい傾向にあるため、多くのエネルギーが必要です。結果、電気代が高くなってしまうのです。実際エアコンの「期間消費電力量」を比較すると、暖房の方が高くなっています。
畳数 | 冷房 | 暖房 |
---|---|---|
6畳 | 1.5kWh | 2.97kWh |
8畳 | 1.67kWh | 3.34kWh |
10畳 | 1.86kWh | 3.79kWh |
12畳 | 2.67kWh | 5.31kWh |
14畳 | 2.93kWh | 5.9kWh |
18畳 | 4.31kWh | 8.41kWh |
20畳 | 4.71kWh | 9.23kWh |
23畳 | 5.47kWh | 10.74kWh |
26畳以上 | 6.72kWh | 12.81kWh |
暖房1日当たりの消費電力は、期間消費電力の算定期間(160日間)をもとに算出。
冷房1日当たりの消費電力は、期間消費電力の算定期間(135日間)をもとに算出。
期間消費電力量とは、一年間エアコンを運転した際に消費する電力量の目安。JIS規格(JISC9612:2013)を元に算出され、エアコンのカタログや製品仕様書などに記載されています。特定の条件下で算出された値であり、冷房と暖房では条件が異なる点に留意ください。
- 外気温度:東京をモデルとしています。
- 設定温度:冷房時27℃/暖房時20℃
- 期間:冷房135日間(5月23日〜10月4日)/暖房160日間(11月8日〜4月16日)
- 時間:6~24時の18時間
- 住宅:平均的な木造住宅(南向)
- 部屋の広さ:モデルに見合った部屋の広さ
ご自身の使い方によって実際の消費電力量は変動します。しかし、エアコンの際に「期間消費電力量」を比較することで、より省エネなモデルを見つけやすくなるでしょう。
ヒーターやストーブなど他の暖房器具と比較
暖房器具にはエアコンの他にも、電気ヒーターやストーブ、こたつなど、さまざまな種類があります。器具ごとにメリット・デメリットがあり、それぞれ消費電力も異なります。
暖房器具 | 消費電力 |
---|---|
電気ヒーター | 800~1,000W |
電気カーペット | 760~1,000W |
オイルヒーター | 360~1,500W |
ハロゲンヒーター | 1,200W |
以降は、主要な暖房器具の特徴を解説するとともに、代表的なメーカーの商品を例に挙げて消費電力および電気代の目安を紹介します。
オイルヒーター
オイルヒーターとは、本体内のオイルを電気で暖め、その熱で部屋全体を暖める器具。エアコンと違って風を発生させないため、部屋の乾燥を防げるのがメリットです。
ただし、オイルが十分に温まるまで時間がかかるのがデメリット。空気をじんわりと暖めるため、長時間の使用が前提となり、電気代が高くなりがちです。
商品名 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
600/900/1500 W | 約18.6円/約27.9円/約46.5円 | |
500/700/1200 W | 約15.5円/約21.7円/約37.2円 | |
500/700/1200 W | 約15.5円/約21.7円/約37.2円 |

編集部
オイルヒーターと言っても、燃料としてオイルを用いていません。あくまで熱源として組み込まれており、石油ストーブより安全性が高いのも魅力です!
ENEOSでんきでは、さまざまなライフスタイルにフィットする、シンプルでお得な料金プランをご用意しています。電力会社やプランの検討をされたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターとは、ハロゲンランプの熱を利用する暖房器具。スイッチを入れるとすぐに暖かさを感じられるのが利点です。
ただし、広い部屋を暖めるのには不向き。エアコン暖房と比べると電気代は安くなりますが、効果が局所的であることは考慮しないといけません。
商品名 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
300 W | 約9.3円 | |
400/800 W | 約12.4円/約24.8円 | |
180 W | 約5.58円 |
カーボンヒーター
カーボンヒーターとは、炭素繊維に電気を通して発熱させる器具です。立ち上がりが早く、すぐに暖が取れます。遠赤外線効果によって体の芯まで暖まれる点も見逃せません。
ただし、遠赤外線の効果によって体を暖めるため、ヒーターから離れと暖をとれないのはデメリットです。電気代自体も特別安いわけではないので、部屋全体を暖められるエアコン暖房と比べると割高かもしれません。
商品名 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
400/800/1200 W | 約12.4円/約24.8円/約37.2円 | |
500/1000 W | 約15.5円/約31円 | |
500~1000 W | 約15.5~31円 |
グラファイトヒーター
グラファイトヒーターとは、グラファイト(黒鉛)を発熱体に使用した暖房器具。スイッチを入れるとすぐに暖かさを感じられます。ファンを備えてないので、稼働音も比較的静かです
カーボンヒーターよりも遠赤外線量が多いですが、広い部屋を温めるのには向いていません。高出力モデルおよびモードの電力は、10〜12畳用のエアコン暖房と同程度の消費電力である点を踏まえると、電気代は少し高く感じてしまう人もいるでしょう。
商品名 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
300~700/1000 W | 約9.3~21.7円/31円 | |
450/900 W | 約13.95円/約27.9円 | |
1200 W | 約37.2円 |
セラミックファンヒーター
セラミックファンヒーターとは、電気で温めたセラミックスとファンで構成された器具。すぐに温風を出せるのが魅力です。小型なモデルが多く、脱衣所やトイレなど狭い場所に適しています。
ただし、エアコン暖房と同様に温風を出しますが、広い部屋を暖めるのは苦手。温風を「強」にした場合や高出力のモデルでは、12畳用のエアコン暖房と同程度となるため、電気代はやや高めといったところでしょう。
商品名 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
1200 W | 約37.2円 | |
620/640/1130/1170 W | 約19.22円/約19.84円/約35.03円/約36.27円 | |
670/1200 W | 約20.77円/約37.2円 |

編集部
セラミックファンヒーターはコンパクトなので、狭いところでも使用しやすく、持ち運びもラク。エアコンと同じ温風を出す暖房器具ですが、その特性は大きく異なります。
パネルヒーター
パネルヒーターとは、パネルを電気で暖めた際の輻射熱で部屋を暖める器具。温風が出ないため、乾燥しにくいのがメリットです。石油などの燃料も使わないので空気も汚れません。
部屋全体を暖めるのは難しいですが、小型モデルならエアコン暖房より消費電力が低いのはポイント。ただし、大型モデルだと消費電力が高く、エアコン暖房並となってしまいます。
商品名 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
300 W | 約9.3円 | |
320 W | 約9.92円 | |
800 W | 約24.8円 |
電気こたつ
電気こたつは、天板と布団を用いた昔ながらの暖房器具。下半身を直接暖めるため、短時間で暖かさを感じられます。部屋の空気を乾燥させないのもポイント。必要な部分だけを効率的に暖めるので、消費電力も他の暖房器具と比べて控えめです。
こたつに入っている部分しか暖まりませんが、エアコン暖房と比べて消費電気量は少なめ。省エネなモデルであれば、電気代は安いと言えるでしょう。
商品名 | 消費電力(W) | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
80/300W | 約2.48円/約9.3円 | |
300W | 約9.3円 | |
600W | 約18.6円 |
電気毛布
電気毛布とは、電熱線で毛布を内部から暖める器具です。直接体に触れて暖めるため、熱効率が非常に良く、消費電力を抑えられます。こたつと違って上半身も暖めることができます。
部屋全体を暖める効果はなく、リビングなどでの使用には向いていません。その分、エアコン暖房と比べると、電気代はリーズナブルです。
商品名 | 消費電力 | 1時間あたり電気代 |
---|---|---|
75 W | 約2.325円 | |
75 W | 約2.325円 | |
55 W | 約1.71円 |
電気カーペット
電気カーペットとは、床に敷いて足元を暖める器具。座ったり寝転がったりして、リラックスしながら暖をとれます。空気を乾燥させず、体をじんわりと温めることができるのも魅力です。
部屋全体を暖めることはできませんが、エアコン暖房と比べると電気代は控えめ。ただし、サイズが大きなモデルだと電気代が高くなることも!
商品名 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
480 W | 約14.88円 | |
720 W | 約22.32円 | |
200 W | 約6.2円 |
電気式床暖房
床暖房にはガスや温水など複数タイプの床暖房があります。電気式の床暖房は、床全体を温めることで足元からじんわりと部屋を暖めるのが特徴です。温風が出ないのでホコリが舞い上がらず、空気を汚さないのが利点です。
しかし、床全体を温めるまで時間がかかり、設置・導入費が高いのも難点。ただ、電気代はそこまで高くなく、エアコン暖房よりも安くなっています。
商品名 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
全入り:80/97/100W | 全入り:約2.48円/約3.01円/約3.1円 | |
半入り:26/43/48W | 半入り:約0.81円/約1.33円/約1.49円 | |
90/130/180/200/250/390W | 約2.79円/約4.03円/約5.58円/約6.2円/約7.75円/約12.09円 |
石油ストーブ
石油ストーブとは、灯油を燃焼させることで部屋を暖める暖房器具。スイッチを入れるとすぐに暖かさが広がり、部屋全体を効率的に暖められます。 ただし、燃焼によるニオイや換気の必要がある点が弱点でしょう。
電気代と灯油代の両方がかかりますが、基本的に電気は発火に使う程度となっています。そのため、石油ストーブは1時間当たりの灯油代出を算出。モデルにもよりますが、14~18畳用のエアコン暖房と同じくらいのコストがかかっていました。
商品名 | 燃料消費量 | 1時間あたりの灯油代 |
---|---|---|
0.5L/h | 43円 | |
0.647L/h | 約55.6円 | |
0.272L/h | 約23.4円 |
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エアコンの暖房で電気代を節約するポイント
冬場の電気代の中でも、大きな割合を占めるのがエアコンの暖房費でしょう。ここでは、エアコンの暖房費を節約するための方法を9つ紹介します。
暖房の室温は20℃を目安にする
環境省が推奨する暖房の室温は20℃です。それに合わせて、エアコンの設定温度も調整すると、快適に節電できます。もし室温が20℃でも寒さを感じるなら、厚着をするなどして体感温度を調節しましょう。
暖房の設定温度を1℃下げると、消費電力はおよそ10%削減できると言われています。逆に言うと1℃上げると消費電力はおよそ10%高くなる可能性があります。無理のない範囲で、エアコン暖房の設定温度を上げないように心がけましょう。
厚手のカーテンや断熱材などを活用する
エアコンの暖房で部屋を暖めても、その熱は窓や床を通じて逃げていってしまいます。だからこそ、暖房の効率を上げたいなら部屋の断熱対策は必須です。
具体的には、厚手のカーテンで窓から逃げる熱をカット。保温効果も期待できます。ただし、昼間はカーテンを開けて太陽光を取り込みましょう。床には、ホームセンターなどで売っている断熱マットを敷くこと。断熱効果が高まり、底冷えを防ぐことができます。

編集部
カーテンは床まで届く長さがベスト。素材によっても断熱性に違いがあるので、合わせて注目してみてください。
暖房は必要に応じてつける
当たり前の話ですが、暖房を使う時間を短くすることが最も省エネ。エネルギー庁によると、
エアコン暖房の設定温度が20℃で、使用時間を1日1時間短縮した場合、電気代を年間で約1,260円の節約できます。
長時間の外出時に電源を切るのは当然のこと、就寝時や昼間の温かい時間帯などは、使用を控えると電気代の節約につながります。
気温が3℃以下で30分以下の外出ならつけっぱなしにする
「暖房はつけっぱなしの方が良い」という話を聞いたことがあると思いますが、それは一定の条件下での話。具体的には「外気温が3℃以下で30分程度の短い外出」なら、つけっぱなしのほうが消費電力を抑えられます。
エアコンは運転開始時の消費電力が大きくなります。室温を維持するより再度暖めるほうがより多くの電力が必要。短期間の外出や、部屋が冷えやすい環境では、つけっぱなしの方が電気代を節約できます。
エアコンの風向は60°以上の下向きにする
温かい空気には上昇する性質があり、エアコンの風向を上向きにしていると、より天井に溜まりやすくなっています。
エアコン暖房で部屋全体を効率良く暖めるには、風向を60°以上の下向きに設定すること。暖かい空気を足元から広げることが重要です。
フィルターを定期的に清掃する
エアコンのフィルターにホコリや汚れがたまると、空気の通り道が塞がれ、暖房効率が低下します。フィルター掃除をこまめに行うことで、暖房効果が回復し、余計な電力を消費せずに済みます。
1ヵ月に1~2回程度の清掃している状態と、目詰りしている状態で比べると、6畳用エアコンの場合は年間で約990円の節約になります。
他の家電・暖房器具を併用する
エアコンと他の暖房器具を上手に組み合わせることで、効率的に暖を取ることができます。
例えば、エアコンと電気毛布。エアコンの設定温度を通常より低くして、代わりに消費電力の少ない電気毛布で体を暖めることで、全体としては電気代を抑えることができるでしょう。
省エネなエアコンに買い換える
古いエアコンは、最新モデルよりも電気代が高くなりがち。エネルギー庁によると、10年前と今どきのモデルで比べると、約15%も省エネ性能に差があったそうです。
昔のエアコンを使い続けているなら、最新のエアコンに替えることで大幅に節約可能。特に「省エネ基準達成率」が高いモデルなら、より暖房代を抑えられるでしょう。

編集部
エアコンは決して安い買い物ではありません。しかし、長期的に見れば買い替えたほうがおトクとなるケースもあります。
電力会社・プランを見直す
契約している電力会社や料金プランを見直すことは、電気代の節約に直結します。暖房はどうすれも消費電力がかさみがち。節電を心がけるよりも、電気料金単価が安いプランへの切り替えたほうが節約効果は高いかもしれません
電気の使用量が増える冬場は、電力会社やプランを見直すチャンスでもあります。ENEOSでんきは電気使用量が多いほど、電気代が安くなりやすいのが長所。ただ、どれくらい電気代が節約できるか人によって異なります。まずは料金シミュレーションをお試しください。
他の暖房器具の電気代節約テクニック
エアコン以外の暖房器具にも、それぞれの特性を活かした節約テクニックがあります。それぞれの暖房器具を効率良く使うためのテクニックを4つ紹介しましょう。
ヒーター類は必要に応じて使い分ける
ヒーターが種類によって使い分けましょう。部屋全体を暖めるファンヒーターは、冷気が入ってやすい窓付近で使用するのがベターです。
カーボンヒーターやハロゲンヒーターなどは、足元や脱衣所などで使うのが効果的。部屋全体を暖めるのに不向きなので、長時間つけぱっなしにするより、短時間に暖めたい場所に用いるのがおすすめです
電気こたつは上掛けと敷き布団を使う
こたつは熱を外に逃がさないことで、少ない電力でも暖かさを保っています。節電効果を追求するなら、より熱が逃げないようにするのが基本。例えば、保温性の高い厚手の上掛けと敷き布団の両方を使用して、熱効率を高めると良いでしょう。
電気こたつ・カーペットの下に断熱マットを敷く
電気こたつや電気カーペットは、冷たい床の上に直接敷くと熱が床に逃げてしまうので要注意。断熱マットを下に敷いて、熱が床側に逃げないようにしましょう。
また、分割して暖める機能があるなら、積極的に活用すること。人のいない部分を暖めないようにしてください。また、電気こたつとカーペットを選ぶ際は、部屋の広さに合ったサイズを選ぶことも大切です。
床暖房を使うならカーペットやラグマットを敷かない
床暖房の効果を最大限に活かすには、床の上に何も敷かずに使うのがポイント。床暖房の上にカーペットやラグマットを敷くと、暖かさが遮断されてしまいます。また、熱が閉じ込められて床が傷ついたり、変形したりする恐れも!

編集部
床暖房においても、こまめに消すことが節電の大原則。就寝や外出の約30分前には、スイッチを切りましょう。
暖房のよくある質問
最後に、暖房に関するよくある質問3つにお答えします。
Q.部屋によって暖房の電気代は変わる?
結論から言うと、変わります。遮熱性や断熱性が高い部屋なら暖房を効率的に使える一方、昔ながらの木造住宅は通気性が良い分、熱を逃がしてしまいます。
もちろん、部屋の構造や素材だけでなく、広さも電気代を左右する要素。暖房の電気代は、さまざまな要因で変動することは覚えておきましょう。
Q.各暖房のおすすめの使い方を教えて!
各暖房のメリットとデメリットと合わせて、おすすめのシーンを表組にまとめました。こちらをご参考ください。
暖房器具 | メリット | デメリット | おすすめの利用シーン |
---|---|---|---|
エアコン | ・部屋全体を効率的に暖められる | ・部屋が暖まるのに時間がかかる | 長時間いるリビングや寝室など |
オイルヒーター | ・温風が出ず空気が汚れない | ・部屋全体が暖まるのに時間がかかる | 乾燥を避けたい寝室 |
ハロゲンヒーター | ・スイッチを入れるとすぐ暖まる | ・部屋全体は暖めにくい | 足元やデスクワーク中などのスポット利用 |
カーボンヒーター | ・立ち上がりが早い | ・部屋全体は暖めにくい | 短時間・局所的に暖めたいトイレや脱衣所など |
グラファイトヒーター | ・立ち上がりが早い ・遠赤外量が多く、じんわり暖まれる | ・部屋全体は暖めにくい
| 朝の寒い時間帯に素早く暖を取りたいとき |
セラミックファンヒーター | ・小型で持ち運びが簡単 | ・広い部屋には不向き | キッチンや洗面所などの小スペースで短時間利用 |
パネルヒーター | ・温風が出ず空気が汚れない | ・部屋が暖まるのに時間がかかる | 子ども部屋や寝室など、静かで安全に暖めたい場所 |
電気こたつ | ・体を直接暖められる | ・部屋全体を暖めることはできない | 和室、家族や友人と食卓を囲むとき |
電気毛布 | ・体を直接暖められる | ・部屋全体を暖めることはできない | 就寝時やソファでリラックスしているとき |
電気カーペット | ・足元からじんわりと暖められる | ・部屋全体を暖めることはできない | リビングの座卓やごろ寝スペース |
石油ストーブ | ・部屋全体をパワフルに暖められる | ・定期的な換気が必要 ・灯油代がかかる | 寒冷地の部屋を短時間にしっかり暖めたいとき |
Q.暖房器具でよく使われているのは?
最もよく使われている暖房機器はエアコンです。
ただし、地方別によって使用割合は異なります。北海道と東北では灯油ストーブの使用割合が50%を超えて1位。北陸も灯油ストーブの割合が37%と、エアコンに次ぐ順位でした。基本的に寒い地域ほど石油ストーブの比率が高まり、エアコンの割合が下がる傾向にありました。
暖房の電気代を賢く節約しよう!
エアコンの暖房は電気代が高くなりがちですが、室温を20℃に設定したり、フィルターをこまめに掃除したりするだけでも節電できます。電気毛布やこたつなど、消費電力の少ない暖房器具と併用すれば、より効率的に部屋を暖めることが可能です。
それでも「電気代が気になる……」というなら、電力会社や料金プランを見直してみるのも一案でしょう。ENEOSでんきではさまざまなプランを提供。おトクな割引・特典も用意されています。暖房の電気代を賢く節約したいなら、ぜひ切り替えを検討してみてください。

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