冬の暖房費が気になるという方は多いのではないでしょうか。
なかでも電気ヒーターは種類によって電気代が大きく変わるため、ハロゲン・カーボン・セラミックファン・パネル・オイルなど各種ヒーターの特徴と電気代を比較し、他の暖房器具との違いや節約術も紹介します。
あなたのライフスタイルに合った暖房選びの参考として、自宅のヒーターの見直しに役立ててください。
【種類別】ヒーターの特徴と電気代の目安
ヒーターには加熱方式の違いからハロゲンやカーボンなど複数の種類があります。各タイプの電気代目安と特徴を理解して、選んでみてください。
ヒーターの種類 | 特徴 |
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ハロゲンヒーター | ・足元から急速に温まる |
カーボンヒーター | ・空間を暖める速度が速い |
セラミックファンヒーター | ・軽量で持ち運びしやすいため、家じゅうどこでも使える |
パネルヒーター | ・無音でほぼ空気を乾燥させずに空間を暖められる |
オイルヒーター | ・細かな温度コントロールがしやすく、効率的に部屋の中を暖められる |
ハロゲンヒーター
赤熱したハロゲンランプから直接遠赤外線を放射する電気ヒーターです。スイッチを入れるとすぐに暖かさを感じられる即暖性が大きな特徴で、特に足元や狭い範囲をすぐに温めたいときに便利です。
部屋の空気を汚しにくく、換気の必要が比較的ないのもメリットのひとつです。一方、直接的に暖めるため、部屋全体を均一には暖めにくいのがデメリットです。
消費電力 | 300W |
---|---|
1時間あたりの電気代 | 9.3円 |
1カ月あたりの電気代 | 2,232円 |
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
1カ月の電気代は1日8時間を30日間使用した場合で算出。
カーボンヒーター
カーボンヒーターは炭素繊維のヒーター芯から赤外線を放射し、体の深部までじんわり温めるヒーターです。すぐに部屋を暖めてくれるため、こちらも寒い冬に便利です。
遠赤外線効果で空気を汚さず静かに使えるため、現在の主流となっていますが、本体価格が比較的高い傾向にあります。
消費電力 | 900W |
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1時間あたりの電気代 | 27.9円 |
1カ月あたりの電気代 | 6,696円 |
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
1カ月の電気代は1日8時間を30日間使用した場合で算出。
セラミックファンヒーター
セラミック素子で発熱し、内蔵ファンで温風を循環させるヒーターです。軽量で家中どこでも使える製品が多いのが特徴です。
温風で素早く部屋を暖められる反面、風が苦手な人や乾燥が苦手な人には向かない場合があります。
広い空間を暖めるよりも狭い範囲を暖めるのが得意なヒーターです。
消費電力 | 670W/1250W |
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1時間あたりの電気代 | 20.77円/38.75円 |
1カ月あたりの電気代 | 4,984.8円/9,300円 |
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
1カ月の電気代は1日8時間を30日間使用した場合で算出。
パネルヒーター
パネルヒーターは平面パネルを内部で発熱させて放熱板からゆっくりと放熱するヒーターです。パネルには電熱線が組み込まれており、こちらが発熱することで周囲を温めます。
無音でほぼ空気を乾燥させずに暖められるのがメリットですが、立ち上がりは緩やかです。また、スタイリッシュなデザインのものが多いのも特徴です。
消費電力 | 300W |
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1時間あたりの電気代 | 9.30円 |
1カ月あたりの電気代 | 2,232円 |
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
1カ月の電気代は1日8時間を30日間使用した場合で算出。
オイルヒーター
金属製の本体に密閉されたオイルを電気で温めることで、その熱を放射して部屋を暖めるヒーターです。
消費電力が大きく立ち上がりにやや時間を要しますが、静かでホコリが舞い上がりにくく、部屋を均一に暖められます。
消費電力 | 300W/1,500W |
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1時間あたりの電気代 | 9.30円/46.5円 |
1カ月あたりの電気代 | 2,232円/11,160円 |
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
1カ月の電気代は1日8時間を30日間使用した場合で算出。
その他暖房器具の電気代相場
より住宅環境に合った暖房器具を選ぶためには、上記でご紹介した各種ヒーター以外の暖房器具の電気代相場も確認しておくとよいでしょう。
消費電力 | 80W/160W |
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1時間あたりの電気代 | 2.48円/4.96円 |
1カ月あたりの電気代 | 595.2円/1,190.4円 |
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
1カ月の電気代は1日8時間を30日間使用した場合で算出。
消費電力 | 480W |
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1時間あたりの電気代 | 14.88円 |
1カ月あたりの電気代 | 3,571.2円 |
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
1カ月の電気代は1日8時間を30日間使用した場合で算出。
消費電力 | 440W |
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1時間あたりの電気代 | 13.64円 |
1カ月あたりの電気代 | 3,273.6円 |
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使用。
1カ月の電気代は1日8時間を30日間使用した場合で算出。
上記でご紹介したのはあくまで一例ですが、電気代だけでなく設置スペースや初期費用、使う時間帯も合わせて検討すると、より最適な器具選びができます。
こたつは比較的コストを抑えられますが、部屋の広範囲を暖める暖房器具ではありません。また、ホットカーペットも、ホットカーペットを敷いてある範囲のみとなります。
エアコンの暖房はコストを抑えることができ、比較的広範囲を暖めることができますが、各種ヒーターよりも空気が乾燥しやすいなどのデメリットもあります。
これらの特徴を比較することで、用途や部屋の広さに合う暖房器具を選びやすくなるでしょう。
暖房器具にヒーターを選ぶメリット・デメリットは?
ヒーターには、それぞれに異なる利点と欠点があります。ここでは、おもなヒーターの種類別に、選ぶ際のメリット・デメリットを解説します。
ハロゲンヒーターのメリット・デメリット
メリット
立ち上がりが非常に速く、足元から瞬時に暖かさを感じられます。また、コンパクトで持ち運びしやすく必要な場所へ手軽に設置できます。
デメリット
直接的に当たらないと暖かさを感じにくく、部屋全体の暖房には向きません。さらに、電力消費が高めで長時間の使用では電気代がかさむ可能性があります。
カーボンヒーターのメリット・デメリット
メリット
遠赤外線効果により空気を汚さず静かな稼働音で使えます。また、体の深部までじんわり伝わる暖かさで自然な温もりを保ちます。
デメリット
本体価格が比較的高い傾向にあります。また、赤熱する光が長時間まぶしく感じることがあります。
セラミックファンヒーターのメリット・デメリット
メリット
温風を送風しながら素早く部屋を暖め、広い範囲を均等に暖められます。また、自動首振り機能付きモデルならムラなく暖房効率が高まります。
デメリット
送風音が苦手な人には気になる場合があり、静音性に課題があります。また空気が乾燥しやすいため、加湿器との併用が必要になることがあります。
パネルヒーターのメリット・デメリット
メリット
無音かつほぼ空気を乾燥させずに穏やかな暖かさを提供します。さらに薄型設計のため、壁際に設置しやすくインテリアを邪魔しないデザインです。
デメリット
部屋全体が暖まるまでに時間がかかります。また、消費電力が大きいため長時間使用するとランニングコストが増加します。
オイルヒーターのメリット・デメリット
メリット
一度温まったオイルが長時間放熱し続けるため、電源オフ後も保温効果が高いです。火を使わないため安全性が高く、子どもやペットがいる家庭でも安心して使えます。
デメリット
立ち上がりが遅く、暖かさを感じるまでに時間がかかります。また、消費電力が高めで長時間使用すると電気代が高くなる可能性があります。
ヒーターの電気代を節約する4つのポイント
狭い場所など局所的に使用する
ヒーターは部屋全体を暖めるよりも、足元やデスク周りなど限られたスペースに向けて使うことで効率が格段に向上します。
必要な場所だけを暖めると稼働時間を大幅に短縮でき、結果として消費電力量を抑えられるでしょう。
たとえばデスクに向かって作業する時間帯だけカーボンヒーターを足元に設置すれば、リビング全体を暖めるよりも少ない電力で快適さを得られます。
子ども部屋やワークスペースなど用途ごとにヒーターを使い分け、使っていない部屋の電源はオフにする習慣をつけましょう。
こうした局所暖房の工夫で、暖房エネルギーを必要なところに集中させることができ、無駄な光熱費を削減できます。
エアコンと同時に使う
エアコン暖房の立ち上がり時間をヒーターでカバーする併用術は電気代の節約に効果的です。
エアコンを弱めの設定温度にして運転開始し、ハロゲンやセラミックファンヒーターを併用すると最初の高消費電力ピークを緩和できます。
エアコンで設定温度近くまで暖まったらヒーターを切り、その後はエアコンだけで一定温度を維持すると総合的な消費電力が抑えられます。
逆に冷え込みが厳しい早朝や夜間だけヒーターを使い、日中はエアコン中心に切り替える方法も効果的です。
双方のメリットを活かすことでスムーズな温度上昇と安定運転を実現し、結果的に暖房効率と光熱費のバランスを向上させられます。
定期的にお手入れをする
ヒーター内部の吸気口やヒートパイプにホコリがたまると熱交換効率が低下し、同じ暖かさを維持するために余計な電力を消費します。
週に一度は柔らかいブラシや掃除機を使ってフィルターやファン部分のホコリを取り除き、パネルやヒーター本体の表面も拭き掃除で清潔に保ちましょう。
加えて、年に一度はメーカー推奨の分解掃除や部品交換を行うことで、本来の熱伝導性能を長期間維持できます。
内部のホコリを除去することで立ち上がり速度が改善し、短時間稼働で十分な暖かさを得られるようになるため、トータルの消費電力が下がります。
お手入れ習慣を取り入れて、日々の光熱費を抑えながら安心安全にヒーターを利用しましょう。
電力会社・料金プランを見直す
冬場の電気代が高いと感じる場合は、電力会社や電気料金プランの見直しが有効です。
ENEOSでんきは、電気使用量に応じてVポイントが貯まります。また、電気料金の支払いをENEOSカードにすることでガソリン代も割引に。
ENEOSカード割は最大150L/月まで
ENEOSカード割引、Vポイント付与、特別提携カードの併用はできません
電力会社を選ぶときは、サポート体制や解約手数料の有無なども重要な判断材料。ポイント還元率や付帯サービスなどを含め、家計にどれだけ貢献できるか試算してみるのがおすすめです。
節電をして電気使用量を少なくしながら、電気料金プランを自分に合ったプランに切り替えれば、電気代を抑えることができます。
ENEOSでんきは、地域の電力会社と比較すると電力量料金単価が割安に設定されています。電気使用量が多い家庭ほどお得に利用できるプランです。いくらお得になるか電気料金シミュレーションで確認しましょう!
電気代の安いヒーター・暖房器具の選び方
ここまで、さまざまな種類のヒーターの消費電力やメリット、デメリットなどを紹介してきました。
よりお得なヒーターや暖房器具を選ぶためには、使用目的や設置場所を明確にしつつ、ランニングコストと性能の両面を比較検討することが重要です。
ヒーターの種類や暖房器具ごとの特徴を把握する
ヒーターには立ち上がりの速さや暖かさの伝わり方、消費電力特性など、製品ごとに得意不得意があります。
たとえば即暖性を重視するならハロゲンヒーター、長時間の保温性ならオイルヒーター、静音かつ乾燥しづらい環境を求めるならパネルヒーターが向いています。
加えてエアコンや石油ストーブ、ガスファンヒーターなどとの併用も視野に入れ、暖房能力と使用環境、電気代のバランスを取ることが賢い選択につながります。
電気代を把握する
家電の電気代は「消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×電力量料金単価(円/kWh)」で計算できます。
たとえば消費電力500Wの機器を1日8時間使用した場合の電気使用量は500W÷1000×8h=4kWhとなります。
これに電力量料金単価の31円を掛けると、4kWh×31円=124円が1日の電気代です。
計算式を活用し、複数の候補製品で比較することでランニングコストを明確に把握し、導入後の支出を想定しましょう。
電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す「新電力料金目安単価」を使用しています
目的に似合わせた暖房器具を選ぶ
ライフスタイルや部屋の使い方に合わせて暖房を選ぶと効率的です。デスクワーク中心の人は足元をすばやく暖める小型カーボンヒーターが最適です。
リビングで家族団らんを楽しむなら、広範囲を均一に暖めるセラミックファンやオイルヒーターが向いています。
寝室や静かな環境を重視するなら無音のパネルヒーターで空気を乾燥させずに穏やかな暖かさを保ちましょう。
賢くヒーターを使って節約しながら冬を乗り越えよう
ヒーターを選ぶ際は初期費用だけでなく、電気代やメンテナンスコストも含めたトータルランニングコストを考えることが大切です。
局所暖房やエアコンとの併用、定期的な清掃とメンテナンス、そして電力プランの見直しを組み合わせて実践して、効果的に光熱費を抑えましょう。
電力プランの見直しの際には、ENEOSでんきがおすすめです。
ENEOSでんきでは、ライフスタイルに合わせてお選びいただける豊富なプランをご用意しています。ぜひ参考にしてみてください。
この冬は賢い暖房器具選びと使い方で快適さと節約を両立させ、家計の負担を軽減しながら寒い季節を乗り切りましょう。

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