1kWhの電気料金は?なぜ電力会社で価格が異なる?平均や計算方法も解説

電気料金や家電の消費電力を調べていると、目にするkWh(キロワットアワー)という単位。しかし、kWhの意味をきちんと理解している人は多くないかもしれません。

今回はkWhの定義や1kWhの価格を解説。さらに、電気代の計算方法や電気代の平均なども紹介します。これらを覚えておけば、電気代をグッと節約しやすくなるはずです。

1kWhとは? 1kWとの違いも解説

kWhは電気使用量の単位。電化製品や電力会社の電気料金単価などに使用されます。電力を表す単位であるkW(キロワット/1,000W)と混同しやすいので注意しましょう。

kWhは「kW×h(時間)」で算出されます。そのため、1kWh1kWの電力を1時間消費したときの電気使用量と覚えておくと、わかりやすいでしょう。

1kWhあたりの電気代は?

公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が示す、1kWhの電気代の目安は31円です。

しかし、実際には1kWhあたりの電気代は、電力会社や料金プランによって異なります。

現在かかっている1kWhあたりの電気代を正確に知りたいなら、契約している電力会社のWEBサイトやアプリ、検針票などで確認してください。

なぜ電力会社で1kWhの価格が異なる?

ここからは、毎月の電気代を計算する方法を紹介。合わせて、電気代の仕組みも解説します。電気代節約や電力会社選びなどに役立つので、覚えておくと良いでしょう。

毎月の電気代には基本料金などもかかる

電気料金は、基本的に「基本料金(または最低料金)」「電力量料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金(以下、再エネ賦課金)」で構成。毎月の電気代は、「基本料金+電力量料金±燃料費調整額+再エネ賦課金」という式で算出されます。

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電気代をきちんと把握するためにも、各料金について正しく理解しておきましょう。

基本料金(最低料金)

基本料金は、いわゆる固定費です。電気使用量に関わらず月ごとに請求され、金額は契約しているアンペア容量によって異なります

ただ、電力会社やプランによってはアンペア制でなく「最低料金制」を採用し、一定の電気使用量まで一律の価格が設定されることもあります。

電力量料金

電力量料金は、電気使用量に応じて支払う料金です。「毎月の電気使用量×電力量料金単価」で算出されます。

電力量料金単価は1kWhあたりで設定され、電気使用量ごとに3段階で料金を設定する電力会社・プランが多いのが特徴です。1段階目が「120kWh以下」、2段階目が「121kWh300kWh」、3段階目「301kWh以上」などで分けられていて、電気使用量が多くなるにつれ電力量料金単価が安くなる傾向にあります。

燃料費調整額

燃料費調整額は、発電コストによって毎月変動する料金です。「燃料費調整額の単価×電力消費量」で算出されます。燃料費調整額の単価は、電力量料金と同様に1kWhあたりで設定。価格は燃料価格の変動を反映し、高くなることもあれば、安くなることもあります

燃料費調整額は電力会社によって異なるので、最新の単価を知りたいなら、各会社の公式ホームページで確認ください。

再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの買取りに要した費用を電気料金の一部として負担する料金です。電気を使うすべての人が対象で、電力会社を通じて国に支払われます。

毎月の支払い額は、「再エネ賦課金の単価×電気使用量」で算出されます。単価は経済産業大臣が年度ごとに設定し、全国一律。電力会社やプランによる差はありません。なお、2025年度(2025年5月分~2026年4月分)の単価は3.98円/kWhとなっています。

大手電力会社10社の1kWhの目安

ここでは、1kWhの具体的な金額を見ていきましょう。地域の大手電力会社による一般家庭向けの「従量電灯」プランを例に挙げ、それぞれの電力量料金単価をまとめました。

ただ、3段階料金おける電気使用量の設定は、電力会社によって異なるので注意が必要。また、関西電力と中国電力、四国電力、沖縄電力はアンペア制でなく最低料金制を採用している点もご留意ください。

電力会社

1段階目

2段階目

3段階目

北海道電力

35.35

41.64

45.36

東北電力

29.62

36.37

40.32

東京電力

29.80

36.40

40.49

中部電力

21.20

25.67

28.62

北陸電力

30.86

34.75

36.46

関西電力

20.21

25.61

28.59

中国電力

30.06

36.15

38.02

四国電力

27.25

32.78

35.70

九州電力

18.37

23.97

26.97

沖縄電力

40.20

45.74

47.72

  • 電力量料金単価は1kWhあたりの価格です

  • 1段階目の電気使用量は関西電力が「15kWh120kWhまで」、沖縄電力が「10kWh120kWまで」、残りの電力会社は「120kWh以下」と設定されています

  • 2段階目の電気使用量は、北海道電力が「120kWh280kWhまで」、残りの電力会社は「120kWh300kWhまで」と設定されています

  • 3段階目の電気使用量は、北海道電力が「280kWh以上」、残りの電力会社は「300kWh以上」と設定されています

 ENEOS Power編集部
ENEOS Power
編集部

電力会社の切り替えをお考えなら、電力量料金単価だけでなく、基本料金などを含めた電気料金全体で比較しましょう。

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世帯別の平均的な使用量と電気代の目安

では、毎月どれくらいの電気を使い、どれくらいの電気代がかかっているのでしょうか?

ここでは「一人暮らし/二人暮らし/三人暮らし/四人暮らし以上」という世帯別に、電気使用量と電力量料金の平均を紹介。電気使用量が異なる戸建てとマンションに分けて、まとめました。なお、電気使用量単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円で計算しています。

戸建住宅に住む世帯別の電気使用量

世帯

1

3

5

7

9

11

1人世帯

315 kWh

262 kWh

195 kWh

316 kWh

243 kWh

236 kWh

2人世帯

443 kWh

344 kWh

237 kWh

413 kWh

290 kWh

320 kWh

3人世帯

508 kWh

400 kWh

290 kWh

513 kWh

362 kWh

363 kWh

4人世帯以上

563 kWh

417 kWh

316 kWh

560 kWh

403 kWh

419 kWh

戸建住宅に住む世帯別の電気代(電力量料金)

世帯

1

3

5

7

9

11

1人世帯

9,765

8,122

6,045

9,796

7,533

7,316

2人世帯

13,733

10,664

7,347

12,803

8,990

9,920

3人世帯

15,748

12,400

8,990

15,903

11,222

11,253

4人世帯以上

17,453

12,927

9,796

17,360

12,493

12,989

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円で計算

  • 基本料金・燃料調整費・再エネ賦課金は含みません

出典:
集合住宅に住む世帯別の電気使用量

世帯

1

3

5

7

9

11

1人世帯

180 kWh

149 kWh

128 kWh

210 kWh

155 kWh

141 kWh

2人世帯

301 kWh

256 kWh

204 kWh

338 kWh

250 kWh

228 kWh

3人世帯

369 kWh

304 kWh

254 kWh

434 kWh

318 kWh

293 kWh

4人世帯以上

400 kWh

356 kWh

299 kWh

485 kWh

369 kWh

319 kWh

集合住宅に住む世帯別の電気代

世帯

1

3

5

7

9

11

1人世帯

5,580

4,619

3,968

6,510

4,805

4,371

2人世帯

9,331

7,936

6,324

10,478

7,750

7,068

3人世帯

11,439

9,424

7,874

13,454

9,858

9,083

4人世帯以上

12,400

11,036

9,269

15,035

11,439

9,889

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円で計算

  • 基本料金・燃料調整費・再エネ賦課金は含みません

出典:

住宅別では、環境性能の違いによってか戸建て住宅の方が集合住宅より電気代が高い傾向が見られました。一方で、季節別では真夏(8月)と真冬(1月)は電気使用量が増加。また、世帯人数が多い方が季節による電気代の差額が大きくなっていました。

地域別の年間電気消費量と電気代の目安

地域によっても電気使用量は異なります。地域別に年間の電気使用量をまとめると次のとおり。また、電力量料金も、全国家庭電気製品公正取引協議会の31円を電気使用量単価として算出しました。

地域

年間の電気使用量

年間の電力量料金

北海道

3697kWh

114,607

東北

4586kWh

142,166

関東甲信

3531kWh

109,461

北陸

5536kWh

171,616

東海

4153kWh

128,743

近畿

3814kWh

118,234

中国

4606kWh

142,786

四国

4500kWh

139,500

九州

4178kWh

129,518

沖縄

3742kWh

116,002

  • 電力量料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円で計算

  • 基本料金・燃料調整費・再エネ賦課金は含みません

全国での平均は年間の電気使用量が3950kWh。関東甲信/近畿/北海道/沖縄の4エリアは平均より少ない一方、北陸エリアは5536kWhと電気を多く使っています。年間の電力量料金では、最も電気を使わない関東甲信と北陸を比べると、約6万2000円も差がありました。

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家電ごとの1kWh使用目安

家電製品には消費電力が記載されていることが多いため、どれくらい使ったら1kWhに達するのかは「1kWh÷消費電力」という式で割り出せます

家電製品の電気使用量は、いずれの製品でもモデルによって異なります。ただ、資源エネルギー庁などの調べによると、代表的な家電製品の消費電力は次のとおり。合わせて、この消費電力を元に1kWhを消費するまでの時間も算出してみました。

家電製品

消費電力

1kWhまでの使用時間

電子レンジ

1400W

43

アイロン

1400W

43

電気炊飯器

1300W

46

ハロゲンヒーター

1200W

50

洗濯乾燥機(乾燥時)

1100W

55

ドライヤー

1000W

1時間

オーブントースター

1000W

1時間

掃除機

1000W

1時間

電気ヒーター

8001000W

1時間〜1時間15

電気カーペット

7601000W

1時間〜約1時間19

エアコン(1015畳)

7501100W

55分〜約1時間20

食器洗い乾燥機

900W

1時間7

電気ポット(沸騰時)

800W

1時間15

エアコン(6畳用)

450W

2時間13

洗濯機

400W

2時間30

冷蔵庫

200300W

3時間20分〜5時間

蛍光灯照明

100W

10時間

液晶テレビ

50W

20時間

パソコン

45W

22時間13

扇風機

34W

29時間25

出典:

電子レンジやアイロンなどは消費電力が高い傾向にありますが、長時間使わないので、そこまで電気代には影響しないでしょう。

一方で、ハロゲンヒーターやエアコンなど冷房・暖房器具は、長時間使うものの、消費電力が大。逆に言うと、カーテンなどで快適な室温を維持できるように工夫したり、服装で体温を調整したりと省エネ行動を徹底すれば、電気代を大きく節約できる可能性があります。

ENEOS Power編集部
ENEOS Power
編集部

契約アンペア数が小さい場合、消費電力が大きい家電を同時に使うと、ブレーカーが落ちてしまうことも! 料金だけでなく電気の使い方も考慮して、契約アンペア数を選びましょう!

節約する方法

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ここからは電気代を抑える方法を5つ紹介。上手に取り入れ、生活費の節約に活用ください。

省エネ行動で家電の稼働効率を高める

日常的に省エネ行動を心がければ、無理なく家電製品の消費電力を抑えることができます。まず家電製品はこまめに切ることが大原則。待機電力を抑えるためにも、主電源からオフにしましょう。

また、定期的に清掃することもポイント。汚れていたり、埃が付着していたりするとムダな電気代がかかってしまいます。

家電製品別では、テレビは画面の明るさを抑えると、節電に有効。冷蔵庫なら食材を詰め込みすぎず、ドアも開ける時間・回数を少なくしましょう。エアコンは設定温度を夏なら1℃上げる、冬なら1℃下げるだけでも、節約効果を期待できます。

なお、エアコンはこまめに電源を切らないほうが消費電力を抑えられるケースも。起動直後に室温を設定温度まで到達させるまでのあいだに最も電力を消費します。例えば「外気温が3℃以下で30分程度の短い外出」なら、つけっぱなしのほうが省エネです。

省エネ・節電モードを活用する

省エネ・節電モードは、電力消費を自動で抑える機能。最近ではAIを搭載した高性能な家電製品もあり、節電効果がいっそう高まっています。

省エネ・節電モードを搭載する電化製品を使っているなら、積極的に利用するのがベターです。

最新の省エネ家電に買い換える

最新の家電製品は、消費電力が大きく抑えられています。経済産業省エネルギー庁によると、10年前の機種と比べて冷蔵庫は約2835%、エアコンは約15%も省エネになっているそうです。

昔の家電を使い続けているなら、最新の省エネ家電に替えることで、電気代を大幅に節約できます。

もちろん、冷蔵庫やエアコンなどは高価であるため、節約目的で買い替えると、元を取るのは難しいでしょう。しかし、耐久年数を遥かに超えていたり、そもそも現在の生活と合っていなかったりするなら、買い替えを検討するのも手だと思います。

電気料金が高くなる時間帯を避ける

電力会社によっては、時間帯によって料金が異なるプランが用意されています。そういったプランを契約しているなら、電気料金が高い時間は電化製品の使用を控え、料金が安い時間にまとめて使用するのも手でしょう。

例えば、深夜に電気代が安くなるプランなら、スマートフォンや電気自動車などを寝る前に充電すると良いでしょう。

そうは言っても、深夜に大きな音を発生する家電を使ったり、夏の昼間にエアコンを使わなかったりするのはNG。電気代を抑えたいからと言って、決して迷惑になることや無理な節約はしないように。

契約中の電気会社・料金プランを見直す

電気代を節約したいなら、電力会社や料金プランの見直しも有効です。切り替え先によっては電気料金が安くなりますし、自分の生活に合ったプランを見つけることもできます

例えば、電気使用量が多いなら、電力量料金が安いプランがおすすめ。エコキュートなどのヒートポンプ式の電気給湯器を使っている人は、お湯を沸かす深夜帯の電気料金が安くなるプランなどが向いています。

もし「毎月の電気代が高い!」と感じているなら、まずは料金シミュレーションを試し、電気代が本当に安くなるか確かめてみると良いでしょう。

電気代に関するよくある質問

ここでは電気代に関するよくある質問に回答します!

Q.なぜ電気代が高くなっているの?

電気代が高くなっている理由は、さまざまな要因があるため、明確に「これだ」と断言できません。しかし、過去の事例からいくつかの原因を挙げることはできます。

例えば、老朽化した火力発電所の停止、原子力発電所の再稼働遅れなどによる電力供給量の不足。また、円安の影響による燃料費の高騰や、大手電力会社の料金値上げなども、電気代に影響を及ぼしています。

また、2022年頃は、ロシア・ウクライナ情勢の影響によって電気代が高騰しました。

Q.V(ボルト)とA(アンペア)との違いは?

Vは電圧の単位。電気を押し出す力を表します。一方、Aは電流の単位です。実際に流れている電気の量を表しています。

なお、電力の単位であるWは「V×A」で算出可能。仮にW数がわからなくても、VAの数値がわかればWを計算できます。電気代を節約するうえで、覚えておいて損はないでしょう。

ENEOSでんきがおすすめな方

ENEOSでんきでは、さまざまなライフスタイルにフィットする、シンプルでお得な料金プランをご用意しています。電力会社やプランの検討をされたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

こんな方におすすめ!
  • 自分に合った電気料金プランをお探しの方
  • 電気の使用量が多い方
  • Vポイントを貯めている方
  • ガソリン代をお得にしたい方

お住まいの郵便番号や現在の契約プランなどを入力し、ENEOSでんきに切り替えた場合に、電気代がどのくらいお得になるのかをチェック!

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1kWhの電気代を把握したら賢く節電・節約しよう

1kWhあたりの電気代を知ることは、電気使用量に見直すきっかけになり、光熱費の節約にも効果的です。ただ、毎月の電気代をより抑えたいなら、電力量料金単価を安くするのが近道でしょう。

自分の生活に合った電力会社や料金プランを選べば、無理なく電気代を節約することが可能です。なかでもENEOSでんきは、電気使用量が多いほど電気代が安くなりやすくなっています。「電気代が高い」とお悩みなら、選択肢の一つとして検討してみてください。

著者 ENEOS Power編集部

暮らしの電気とガスの情報サイト「ENEeee!」を運営。エネルギーに関する情報や日々の暮らしに役立つ節約術・豆知識などを発信しています。毎月更新する記事を通じて、わくわくと驚きをお届けします。

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